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清流の国、高知県 澄み渡る水がつなぐ飲み物の文化を紹介 【御朱“飲”めぐり】「沢渡茶編」

茶農家の店あすなろ本店 店長 岸本実佳さん
茶農家の店あすなろ本店 店長 岸本実佳さん

 高知県は県土の84%を森林が占め、森林率が全国1位。その豊かな山々からゆっくりとろ過されたミネラルたっぷりの清らかな水はやがて、透き通る清流となり海へと向かっていく。水質日本一にも選ばれるほど透明度が高い仁淀川をはじめ、日本最後の清流といわれる四万十川など、東西に広がる多くの美しい河川は、その地域の自然だけでなく、農産物や歴史、そして酒やお茶など独自の飲料文化を育んできた。

 高知県は、77種類のご当地飲料を巡るキャンペーン「口福(こうふく)の土佐 御朱“飲”(ごしゅいん)めぐり」をスタート。ご当地飲料を通じて、清流と共に生きる人々と触れ合うことにより、高知県の真の魅力を感じてもらうことが目的だ。その御朱飲めぐりに参加する飲料と、それらを創作し、時間をかけて磨き上げてきた人々を紹介する。今回は仁淀川町沢渡地区の「沢渡茶(さわたりちゃ)編」。

■沢渡茶と地域を守るために移住

 仁淀川町の沢渡(さわたり)に広がる美しい茶畑の風景。石を積み上げて作り上げてきたといわれる斜面に広がる茶畑では、朝霧をまとった茶葉がたくさんの陽光を浴び、お茶の栽培に最適な寒暖差とミネラルをたくさん含んだ土によって、キリっと爽やかで力強い風味の沢渡茶が栽培されている。しかし、沢渡地区の茶農家は、高齢化や価格の低迷により茶農家が減り続けている。

仁淀川沿いの山の中腹で栽培される沢渡茶
仁淀川沿いの山の中腹で栽培される沢渡茶

 現在、茶農家を営む岸本憲明さんは、沢渡の地域や景観と茶文化を守るために脱サラし、高知市内からの移住を決断。祖父母が守り続けてきた茶畑を継承し、栽培を続けている。岸本さん一家は、沢渡茶の魅力を一人でも多くの人に伝えるために、対面販売を行い、自身のストーリーや茶畑を守る思いなどを直接お客さんに訴え続けてきた。そして6年前、沢渡を知ってほしい、美しい景観を見ながらお茶を楽しんでほしい、地域の魅力をもっと知ってもらいたいとの思いから「茶農家の店 あすなろ」をオープン。妻の実佳さんが中心となり店を運営している。

店内からは絶景が広がる
店内からは絶景が広がる

■景観とお茶を楽しむ 茶農家の店「あすなろ」をオープン

 「あすなろ」では、本格的なお茶を楽しむ目的で、茶器で入れる沢渡茶をはじめ、ほうじ茶、そして”香ル茶”と名付けた香り高い紅茶も提供している。”香ル茶”は、お茶本来の甘みがあり、渋みが少なく、和食をはじめとする食事にピッタリ。一度味わってみると、紅茶の概念が変わるといっても過言ではないので、ぜひお試しあれ。

 お茶をふんだんに使ったクリームラテやスムージーもSNS世代を中心に人気。お茶のおいしさを再発見してもらいたいとの思いから開発したスムージーやラテだったが、その商品化は苦労の連続だったという。そして、試行錯誤を繰り返した結果、黄金比率にたどり着いた逸品がついに完成。これらのほか、旬の地元食材をふんだんに使った御膳や、茶葉が練り込まれたうどんも香りと彩りが豊かで、懐かしくてホッとするものばかりだ。

黄金比率のクリームラテとスムージ
黄金比率のスムージーとクリームラテ
季節の土地の素材を使った御膳(写真左)とお茶を練り込んだうどん
季節の土地の素材を使った御膳(写真左)とお茶を練り込んだうどん

 今では、「あすなろ」は季節によって行列ができることもあるという。実佳さんは「沢渡の地域とお茶文化を守っていきたい。私たちがこの地域でやることを通して、若い担い手にもメッセージを届けたい」と語り、県全体で始まった御朱飲企画を通じて「自然豊かな高知県で、沢渡茶の魅力を御朱飲巡りで新たに発見してもらえるきっかけになる。たくさんの皆さんが来られることを楽しみにしています」と期待を込めた。

 「口福(こうふく)の土佐 御朱“飲”(ごしゅいん)めぐり」は、7月22日から24年3月3日まで。期間中に参加店舗で対象飲料を購入すると「御朱飲ステッカー」が進呈されるほか、デジタルスタンプラリーに参加することで、抽選で5万円相当の豪華食材が当たる。

 清流とともに生きてきた人々とご当地飲料をめぐる旅で日常を忘れ、高知の魅力をたっぷりと味わってみては?

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