「豊臣兄弟!」第18回「羽柴兄弟!」新登場した羽柴家臣団期待の俳優陣【大河ドラマコラム】
NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=羽柴小一郎長秀/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月10日に放送された第18回「羽柴兄弟!」では、織田家の家老となり、“木下藤吉郎”から名を改めた“羽柴秀吉”が、小一郎と共に新たな家臣を募り、若い武将たちが集まってくる様子が描かれた。

(C)NHK
ここまで本作ではベテラン俳優を多く起用することで、仲野や池松の演じる小一郎、藤吉郎の若さを際立たせていた。だが、2人が数々の経験を重ねた今回からは、より若い俳優が登場し、その成長ぶりを表現するようになってきた。ここでは、そのフレッシュな顔触れを振り返ってみたい。
まずは、秀吉の家臣で最も有名な石田三成。秀吉亡き後、徳川家康相手に天下分け目の関ヶ原の決戦を挑んだことで知られるが、本作では秀吉を支える五奉行の1人に成長していく過程が見られるはずだ。演じるのは、連続テレビ小説「おむすび」(24~25)で、主人公の書道部の先輩役が好評を博した松本怜生。透明感と聡明さにあふれた演技からは、武勇よりも知性が持ち味の三成らしさが早くも感じられた。

(左から)片桐且元役の長友郁真、平野長泰役の西山潤、石田三成役の松本怜生、藤堂高虎役の佳久創(C)NHK
続いて、秀吉の天下取りを支えた“賤ヶ岳の七本槍”と呼ばれる武将たち。この回ではその7人のうち4人が登場したが、平野長泰には西山潤、片桐且元には長友郁真、加藤虎之介(のちの加藤清正)には伊藤紘、福島正則には松崎優輝といった配役。西山は「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(19)、「どうする家康」(23)、長友は「青天を衝け」(21)「どうする家康」(長束正家役)など、それぞれ大河ドラマに出演歴がある。この回では、家臣選抜試験の場で、各々の個性が垣間見えた。今までの経験を生かして、秀吉を支えていく若き武将を、どのように演じてくれるのだろうか。
共に大河ドラマ初出演となる加藤虎之介役の伊藤と福島正則役の松崎は、それぞれ出演発表時に意気込みをコメントしている。オーディションを経て出演が決まった伊藤は、「役者を始めて、初めて決まった仕事がこの大河ドラマ『豊臣兄弟!』でした」と語っており、大抜てきの真価をこれから発揮してくれるに違いない。一方「作品の一部として記憶に残るよう、精一杯全力で、挑みたいと思います」と語る松崎の全力の演技にも期待したい。
そして、新たに加わった羽柴家家臣の中で、一際存在感を発揮していたのが、藤堂高虎役の佳久創だ。情に厚く、まっすぐな性格の上、橋の不具合を即座に見抜く場面では、建築に精通した一面も披露。城普請の名人として知られる高虎らしさが早くも発揮されていた。演じる佳久は、既に「鎌倉殿の13人」の弁慶役で大河ドラマも経験済みだ。この回ラストの家臣団の宴会場面では、「鎌倉殿の13人」で弁慶の主君・源義経を演じた菅田将暉(竹中半兵衛役)を抱えながら踊っていたのも、粋な趣向だった。かつてプロ野球・中日ドラゴンズの投手として活躍した郭源治を父に持ち、自身もラグビー経験者という鍛え上げた肉体と185センチの長身を武器に、大男で知られた高虎を佳久がどのように演じてくれるのか、楽しみだ。

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また、羽柴家臣団以外では、筒井順慶役の永沼伊久也も、連続テレビ小説「まんぷく」(18~19)、「舞いあがれ!」(22~23)などで注目を集めた若手俳優。今回はどんな活躍を見せてくれるのだろうか。撮影が長期にわたり、出演者の数も膨大な大河ドラマへの出演は、俳優にとって大きな成長の場となる。現在放送中の連続テレビ小説「風、薫る」でダブル主演を務める見上愛も、「光る君へ」(24)で内気な少女から女帝に変貌していく藤原彰子を見事に演じ切った後、朝ドラヒロインに躍り出た。「豊臣兄弟!」からも、新たなスターが誕生するかもしれない。さらに、制作統括の松川博敬氏は、ガイドブックなどで豊臣兄弟の物語について「少年マンガのように痛快」とコメントしている。フレッシュなキャストがそろうことで、いい意味での「少年マンガ」らしい「痛快さ」が増してくる期待感もある。彼らの活躍を楽しみにしつつ、天下取りを目指す豊臣兄弟の行方を見守っていきたい。
(井上健一)

筒井順慶役の永沼伊久也(C)NHK
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