KK KYODO NEWS SITE

ニュースサイト
コーポレートサイト
search icon
search icon

残暑を忘れる標高1800メートルへの温泉旅 森の露天風呂とウグイス色の濁り湯を満喫 「濁河温泉 湯元館」 【コラム:おんせん! オンセン! 温泉!】

岐阜県下呂市 濁河温泉

 8月の終わりが近づいても、まだまだ暑さが続きます。外へ出ればジトっと汗ばみ、夏の疲れもたまってくる頃。そんな時期は、温泉へ行くにも「できれば涼しいところへ」と思うものです。それなら、思い切って標高の高いところまで行ってみるのはいかがでしょうか。

「湯元館」の外観

宿泊した和室。窓からは山の緑が見えます

 今回ご紹介するのは、岐阜県下呂市の濁河(にごりご)温泉にある「湯元館」。下呂市といえば下呂温泉を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、こちらは長野県にほど近い、御嶽山中腹の高原地帯にある別の温泉地です。標高が約1800メートルあり、夏でもふもとより気温が10度ほど低く、暑い時期にはうれしい避暑地です。

 山道を進むほど人家は少なくなり、車窓を埋めるのは深い緑。標高を上げるにつれて空気も変わり、宿へ着いた頃には下界の蒸し暑さが遠く感じられました。

 そんな濁河温泉の最奥にある湯元館は、山の緑に溶け込むようなシンプルな温泉旅館です。木を生かした館内に昔ながらの和室。窓の向こうには高原の緑が広がり、飾らない山の宿らしい空気が流れています。

男女別の内湯

源泉をそのまま掛け流す「内湯の湯口」

 男女別に内湯と露天風呂があり、いずれも完全掛け流し。加水・加温・消毒・循環なしで、51度で湧く源泉をそのまま浴槽へ注いでいます。

 泉質は、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉。ウグイス色の濁り湯で、お湯に顔を近づけると、まず感じるのが金気。その奥には土のようなコクがあり、さらに植物のような甘さや硫黄を思わせるニュアンスの香りも感じました。少し口に含むと、甘味とうま味を帯びただし汁のような味わいに鉄味が重なり、わずかに炭酸の刺激もあります。薄めのハイボールを思わせるような、不思議な後味も印象的です。

 肌触りも個性的。最初はツルスベとしながら、キュッキュッ、キシキシとした感触もあります。それでいて湯にはやわらかな厚みがあり、肌をプルプルと包み込むような感覚は夢心地。同じお湯ですが、複数の肌触りが同居していて、入っていて飽きません。

目の前に森が広がる男女別の露天風呂

 露天風呂は、内湯とは違う雰囲気を楽しむことができます。湯船のすぐ先から木立が始まり、目の前を埋めるのは高原の森。自然の緑を眺めながらの湯浴みはダイナミックです。光の加減によって湯は内湯より青みを帯び、灰青緑のようにも見えました。

 湯上がりの肌はスベスベ、サラサラ。化粧水を塗った後のようなしっとり感も残り、体の芯にはぽかぽかとした温かさがあります。夏でも重たさを感じにくく、高原の涼気との組み合わせが心地よく感じられました。

夕食一例

イワナの塩焼き

 夕食には飛騨牛のステーキ、蒸し料理、イワナの塩焼きなどが並びます。中でも飛騨牛は細かなサシが入り、鉄板で熱を加えると脂がじわり。山の宿らしい一尾丸ごとのイワナとともに、旅の気分を盛り上げてくれます。さらに岐阜県産コシヒカリの白いご飯がおいしく、ついつい箸が進みました。

朝食一例

 朝食には朴葉味噌や飛騨の味付け揚げなど、土地の味も登場します。派手さはありませんが、山の恵みを感じられるメニューです。

 残暑に少し疲れてきたら、山へ向かってみるのもいいものです。高原の風を感じながら静かな温泉時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。天気が良ければ、夜は満天の星空に出会えるかもしれません。

【濁河温泉 湯元館】

住所 岐阜県下呂市小坂町落合2376-1

電話番号 0576-62-3110

【泉質】

ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉(低張性 中性 高温泉)/泉温51.3度/pH:6.6/湧出状況:自噴・混合泉/湧出量:229リットル(毎分)/加水:なし/加温:なし/循環:なし/消毒:なし ◆完全掛け流し

【筆者略歴】

小松 歩(こまつ あゆむ) 東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター★)、温泉入浴指導員、温泉観光実践士。交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床での車中、ヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は3,000以上。好きな温泉は草津温泉、古遠部温泉(青森県)

  • 岐阜県下呂市 濁河温泉

編集部からのお知らせ

新着情報

あわせて読みたい

正しい知識が力になる 重症筋無力症の市民講座が10月25日に群馬で開催 
提供

アルジェニクスジャパン株式会社