トランプ政権の制裁を受けたICC赤根智子所長の著書が重版決定 『戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない』

米トランプ政権による制裁措置を受けた国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長に、あらためて注目が集まっている。こうした中、赤根氏がICCの役割や自身の歩みをつづった新書『戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない』(文藝春秋)の重版が決定した。
赤根氏は今回の制裁措置について、「ある程度予期していたことで驚きはない」とコメント。そのうえで、「重要なのは、これを国際的な『法の支配』の終焉の始まりとさせないこと」と強調し、「日本と日本の皆様の支援が重要な鍵となるだろう」としている。
ICCは、戦争犯罪や人道に対する罪などを犯した個人を裁く国際的な司法機関。赤根氏は2024年3月から所長を務めている。日本の検察官として長年、刑事司法に携わった後、2018年にICC判事に就任した経歴を持つ。
2025年6月に発売された『戦争犯罪と闘う』では、ICCがどのような機関なのか、戦争犯罪にどう向き合っているのかを紹介するとともに、赤根氏自身のこれまでの歩みや、日本とICCの関係についても解説している。
特に注目されるのが、米国による制裁の可能性が高まっていた時期の活動を記したプロローグだ。赤根氏は日本を訪れ、外務省関係者や国会議員にICCへの支援を訴えたという。 制裁によって給与の支払いやIT企業との取引などに影響が及べば、捜査や裁判の機能が停止し、保護している被害者や証人にも危険が及ぶ可能性があると説明。「法の支配」は決して世界共通の当たり前ではなく、政治に左右されないICCの存在が重要だと訴えている。
今回の制裁をめぐる報道をきっかけに、ICCそのものへの関心も高まっている。重版決定は、国際司法と「法の支配」の意味をあらためて考える機会にもなりそうだ。
『戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない』は新書判224ページ、1045円(税込み)。電子版は1000円(税込み)。2025年6月20日に発売されている。
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