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工場見学とビール、料理を同時体験 サントリーの新企画「ファクトリー・トレック!」

 コロナ禍は社会のさまざまなところに影響を与えた。工場見学もその一つだ。サントリー(東京)は、コロナ禍以降、バーチャルビール工場体験やウイスキーのリモート蒸溜所ツアーといった試みを実施。最近は現地での工場見学を再開したというが、このほど飲食店で料理とお酒を楽しみながら工場見学ができるハイブリッド企画「ファクトリー・トレック!」を本格的にスタートした。

 ▽VRでリアル感

 実際の工場見学では、お酒造りの様子を直接見ることができるが、その場でゆっくり飲んだり、料理を楽しんだりすることはできない。一方、バーチャルでの工場見学は自宅にいながらパソコンなどで体験できるものの、工場見学ならではの飲酒体験はできない。

VR双眼鏡は自分が見たい方向の様子を見ることができる(実施イメージ)

 「ファクトリー・トレック!」は、デジタル技術のVR(仮想現実)を活用し、飲食店にいながら工場見学ができ、さらにビールやウイスキー、料理を楽しめるという“いいとこ取り”の企画だ。

 それを可能にしたのが「VR双眼鏡」。360度の映像が映し出されるので、双眼鏡をのぞきながら体を回転させると実際に現地にいるように視線が動き、リアルな見学ができる。通常の工場見学では入ることができない所を案内してくれるのも特徴だ。

 ▽ビール工場、ウイスキー蒸溜所の3コース

 サントリーは東京都港区と新宿区の同社関連店舗2カ所で「ファクトリー・トレック!」を実施。東京のビール工場とウイスキーの白州蒸溜所(山梨)、山崎蒸溜所(大阪)の3工場コースを展開している。5月中旬、その中の「〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野コース」を体験してきた。

「ザ・プレミアム・モルツ」が生まれた〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野=東京都府中市

 東京都府中市にある〈天然水のビール工場〉は、1963年に開設。「ザ・プレミアム・モルツ」が生まれたビール工場で、松任谷由実が歌った「中央フリーウェイ」で登場することでも知られる。

 体験会場は、サントリー田町オフィスの「CAFE HARBOR(ハーバー)」。普段は社員食堂として使われているという。コースは「ザ・プレミアム・モルツ」が2杯と「同〈ジャパニーズエール〉香るエール」1杯、おつまみ3種が付いて税込み2500円。

「ファクトリー・トレック!」の会場「CAFE HARBOR」は、サントリーの社員食堂=東京都港区

 ▽見学しながらビールを堪能

 普段、工場見学でガイドをしている女性スタッフがVR双眼鏡の使い方を説明した後、「工場入口」「仕込」「発酵」など醸造過程に沿って案内してくれる。各工程で数分間、双眼鏡をのぞいて見学した後、合間にビールを飲んだりつまみを食べたりすることができる。
メニューは「前菜3種、四元豚のロースト、ナスとベーコンのトマトソース(パスタ)」だった。

ビール工場コースで提供される料理(食事は季節によって内容変更も)

 4工程目の「貯酒」は、発酵を終えたばかりの若ビールをタンクの中で低温醸成する。「発酵」や「貯酒」では普段の工場見学では見ることができない所も映し出される。最後の「官能検査」も「ファクトリー・トレック!」ならではの映像。①色や透明度②香り③味―—を醸造家たちが五感で最終チェックする。「こうして全国4カ所あるビール工場で同じ味のザ・プレミアム・モルツが完成する」と説明してくれた。

「仕込」工程の様子(「発酵」「貯酒」では普段の工場見学では見ることができない映像もある)

 ▽コロナ禍が生んだ新コンテンツ

 また、ビール造りは「麦芽」「ホップ」「水」が重要な要素で、「特にビールの9割は水」とサントリーが天然水にこだわって造っていることを強調した上で、ウイスキーなどと違い「ビールは1カ月~1カ月半で完成する」と教えてくれた。

 「ファクトリー・トレック!」の「〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野コース」は田町オフィスのほか、「響 西新宿野村ビル店」(4000円)でも開催。白州蒸溜所コース(5000円、2500円)、山崎蒸溜所コース(5000円)も含め随時開催で、詳細はホームページで案内している。

 コロナ禍があったから生まれたとも言える「ファクトリー・トレック!」。まさに、リアルとデジタルの融合で新たな体験ができるコンテンツだ。

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