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はばたけラボ連載 未来へつなぐ「おいしい記憶のエピソード⑥」キッコーマン賞(中学生の部)「祖父に送るお弁当」

 未来世代のはばたきを応援する「はばたけラボ」は、2001 年に香川県で産声を上げた食育活動「子どもが作る弁当の日」を応援しています。25 周年を迎える今年、提唱者・竹下和男氏が全国から集まった「弁当の日おいしい記憶のエピソード募集」の応募作品を通じて、子どもたちのみずみずしい成長を伝えます。本企画は、本サイトと連動してお届けします。 

 「弁当の日おいしい記憶のエピソード募集」26年度詳細についてははばたけラボサイトから。

弁当の日おいしい記憶のエピソード キッコーマン賞(中学生の部)を受賞した「祖父に送るお弁当」 渡部 小夏(松山市立余土中学校2年) ※学校・学年は受賞当時 

 「食は思い出をつなぐちからがあるのかもしれない」のフレーズに、うんうんとうなずいている私でした。小夏さんの家族は夏が来ると瀬戸内海に浮かぶ島に住む祖母の家を訪れます。真っ先に仏壇にねむる祖父にごあいさつです。そのときにいつも頭に浮かぶのが祖父と一緒に囲んだ夕食の場面なのです。

 仏壇にご飯をお供えしながら、祖父のために弁当を作ることを思いつきました。今時の中学生(あまり台所に立っていない、という私の思い込み?)とは思えない、繊細な配慮が行き届いた料理の説明が始まります。それも、猛暑で疲れている祖父に疲れを癒やしてほしいのが目的です。いえいえ、おじいちゃんはもう仏様になっています。だのに小夏さんはお供えのお弁当を作り始めたのです。

 さっぱりと食べられるいなり寿司。それは甘めの味付けをした揚げ、紅ショウガと白ゴマの酢飯。それから親戚のおじさんが釣った鯛を家庭菜園で育てた青じそに包んで唐揚げ。片栗粉をつけてお肉がはがれるのを防止して作った、祖父の好物の卵の肉巻き。味付けはショウガ醤油でさっぱりと。さらにオクラと枝豆和え、ミニトマトを詰め込んだ弁当箱と一緒に、ビールが仏前に供えられたのです。ここまで読んで、ビール好きの私は不謹慎にも仏壇に入りたくなったほどです。

 お彼岸は、ご先祖様を供養し感謝する期間です。お盆は自宅に帰ってきてくれた霊をお迎えして供養しますが、お彼岸はこちらからご先祖様に歩み寄り感謝を伝えます。祖父と一緒に囲んだ夕食を話題にするということは、その食卓の主賓席に祖父を招くことなのです。これが一番の供養です。ご先祖様からつながっている親族の命のバトンリレーの感謝祭の宴です。「きっとおいしく食べてくれるはずだ」と断言する小夏さんにバンザイです。

2026年度 弁当の日おいしい記憶のエピソード募集チラシ


竹下和男(たけした・かずお)/1949 年香川県出身。小学校、中学校教員、教育行政職を経て 2001年度より綾南町立滝宮小学校校長として「弁当の日」を始める。定年退職後 2010 年度より執筆・講演活動を行っている。著書に『“弁当の日”がやってきた』(自然食通信社)、『できる!を伸ばす弁当の日』(共同通信社・編著)などがある。 

#はばたけラボは、未来世代が思い切りはばたける環境づくりに取り組む共創プラットフォームです。企業・学校・地域とともに多様な取り組みを未来へつなげ、そのはばたきを支えるためにパートナー企業であるキッコーマン、クリナップ、クレハ、信州ハム、全国農業協同組合連合会、日清オイリオグループ、雪印メグミルク、アートネイチャー、ヤンマーホールディングス、ハイセンスジャパン、ミキハウスとともにさまざまな活動を行っています。

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