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さよならタイパ 美保関の旅 【あなたをエスコート 幸せになる旅コラム#17】

 SNSの普及で時間を有効に使うタイムパフォーマンス、略して「タイパ」が流行しているようです。流行りの曲はイントロが極めて短くなる。配信された動画は早送りで見る。テキパキ行動する日本人にとって、「タイパ」を重視することは得意なのかもしれませんね。でも、そろそろ疲れていませんか? 今回は「タイパ」見直し旅です。

 

「世界の歴史的に特に重要な灯台100選」に選ばれた美保関灯台
「世界の歴史的に特に重要な灯台100選」に選ばれた美保関灯台

 島根半島の東端にある島根県の美保関(みほのせき)。松江の中心市街地から車で30分ほど走ったところに位置します。半島の東端、美保関灯台は1898年に竣工された山陰最古の灯台で、120年余りも行きかう船の安全を守り続けています。現役の灯台としては初の重要文化財にも登録されました。

 

美保湾を照らす「弁天波止場の常夜灯」
美保湾を照らす「弁天波止場の常夜灯」

 旅館や漁港がある町の中心部に移動しましょう。美保関文化交流館の近くには「弁天波止場の常夜灯」があります。1842年に建てられた美保関のシンボルで、現在は3代目の常夜灯だそうです。美保関灯台より50年以上前から美保湾を照らし続けています。

 

③
美保関名物のイカ

 常夜灯の近くでは、イカが干されていました。美保関の名物グルメとして、真っ先に紹介されるのがイカ焼きです。しょうゆやマヨネーズなど定番の調味料だけではなく、焼いたイカにイカの塩辛をつけて食べると絶品ですよ。

 

国の重要文化財「美保神社」
国の重要文化財「美保神社」

 港の近くにある美保神社は全国3000以上あるえびす様の総本宮で、国の重要文化財です。鳥居の近くには1861年の干ばつの際に住民を救った「おかげの井戸」、井戸のすぐ先には水分を含むと青みがかる「青石畳通り」など見どころがたくさんあります。

 

隕石を展示する「メテオプラザ」
隕石を展示する「メテオプラザ」

 美保神社を離れ、島根半島の北側にあるメテオプラザへ向かいましょう。本州と隠岐諸島を結ぶフェリーターミナル、映画なども上映されるホール、サウナを備えた浴場などが一体となった大きな複合施設です。

 

6100万年かけてたどり着いた隕石
6100万年かけてたどり着いた隕石

 メテオプラザには「美保関いん石」が展示されている「メテオミュージアム」もあります。 1992年12月10日、美保関町の民家にいん石が落下しました。このいん石は46億年前に太陽系の誕生とともに生まれ、今の形状になってから6100万年もの間、広大な宇宙を旅して美保関にたどり着いたというのです。

 

山陰名物の紅ズワイガニと豊富な海の幸
山陰名物の紅ズワイガニと豊富な海の幸

 スマホをしまって想像してください。200年近く海を照らし続ける灯台や常夜灯を。6000万年の旅をした石を。私はしばらくボーっと考えていたら、グーっとお腹が鳴りました。ゆっくりと時間をかけて、山陰名物の紅ズワイガニを食べることにしました。

 

【旅人略歴】
エスコートK…数十年前、旅程管理主任者の1期生として、国内外のツアーをエスコート。現在は生活情報誌の編集長だが、旅の取材だけは自らのカメラを手に、こっそりとデスクを離れ出掛けている。

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