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10代20代は人前で褒められたくない世代 若者の思考を分析し未来を考える『「今どきの若者」のリアル』

「今どきの若者」のリアル
『「今どきの若者」のリアル』

 いつの時代にも、若者には「けしからん」「理解できない」というような否定的な声がついて回る。自分が若い頃はそういう声を疎ましく思っていたのに、いつの間にか若い世代にそのような感情を持っている自分に気付くこともあるかもしれない。それは若い世代が、いずれ社会の中心となる注目すべき存在であるからこそ。PHP研究所(京都市)が11月16日(木)に『「今どきの若者」のリアル』(山田昌弘編著/税込み1078円)を発売する。Z世代と称される若者たちが置かれている現状とその背景について、研究者やノンフィクション作家たち16人による解説を収録した論考選集。

 同書の編著者である山田昌弘氏は、中央大学文学部教授(家族社会学)で、「格差社会」「婚活」という言葉を世に広めた社会学者。今の若者が置かれている状況は、中高年世代が作り出したものだということを忘れてはならないと考えている。同書の前書きでは、この論考集を読む上の大切なポイントとして、「若者の置かれている経済基盤」「情報環境の変化」「世代内格差の拡大」を挙げ、「世代間対立にならないためにも、若者の将来にとってどのような社会が望ましいのか、考えていく必要がある。本書がそのヒントとなれば幸いである」と述べている。

 同書には、“21世紀のよりよい社会実現のための提言誌”としてPHP研究所が発行する月刊『Voice』2022年5月号~同2023年12月号に掲載された論考から厳選した15編に、書き下ろし1編を加えた16編を収録。若者論、Z世代における最先端のテーマを取り上げている。マッチングアプリの功罪、複雑な承認欲求、変容する消費行動など、今の時代の若者の思考を多面的に分析し、日本の今と未来を考えるヒントを浮かび上がらせている。

 同書で取り上げる若者の実態は、「10代から20代は人前で褒められたくない世代」「“ゆるい職場”だと自分は成長できるのかと不安になる」「“SDGsに配慮したモノだと堂々と胸を張れる”など“意味のある消費”を望む」「“推し”が出るならテレビを観る」「韓国人男性にひかれる日本人女性」「“若者の本離れ”というウソ――近年の小中学生は1955年以降で最も平均読書冊数が多い」「困窮して身体を売る人たち」「誤解されるヤングケアラー」など。先行販売をしている紀伊國屋書店梅田本店(大阪市)、ジュンク堂書店池袋本店(東京)でも反響を呼んでいる。

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