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「来期も成長した姿を見せたい」  井山裕太碁聖の就位式開催

 囲碁の第48期碁聖戦(主催:新聞囲碁連盟、日本棋院、関西棋院)を制した井山裕太碁聖(34)の就位式が10月中旬、第一ホテル東京(東京都港区)で開かれた。会場には、日本棋院の小林覚理事長ら囲碁界関係者や、全国の新聞社の東京支社長ら計約60人が集まり、井山碁聖の栄誉をたたえた。式典の終了後は、井山碁聖を囲みながら、立食形式のパーティーとなり、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

 井山碁聖は、挑戦者の一力遼二冠(26)=棋聖・本因坊=を3勝0敗で防衛し、3連覇を達成。王座と合わせ二冠を堅持した井山碁聖は「来期も成長した姿をお見せできるように精いっぱい取り組んでいきたい」と話し、参加者からは大きな拍手がわき起こった。

あいさつする北國新聞社の若林東京支社長
あいさつする北國新聞社の若林東京支社長

▼「まさに頂上対決」

 主催の新聞囲碁連盟は全国の新聞社13社(河北新報社、静岡新聞社、信濃毎日新聞社、新潟日報社、北國新聞社、京都新聞社、山陽新聞社、中国新聞社、四国新聞社、高知新聞企業、熊本日日新聞社、南日本新聞社、沖縄タイムス社)で構成。

 この日の就位式冒頭で、連盟を代表して北國新聞社の若林雄彦東京支社長は、「まずはおめでとうございます。井山碁聖と一力二冠による(碁聖戦の)5番勝負は3期連続となり、まさに頂上対決だと認識しております。白熱した攻防が多くのファンをはじめわれわれを魅了いたしました」と話した。

 若林支社長は、井山碁聖について「飽くなき探究心は、多くの若い棋士にとって、本当に目指すべき存在になられたのではないか。来期は4連覇と史上最多となる10期目の碁聖獲得がかかります。若手の台頭が著しい囲碁界をこれからもリードし、第一人者として、素晴らしい対局を披露し続けていただきたい」とエールを送った。

あいさつする日本棋院の小林理事長
あいさつする日本棋院の小林理事長

▼「変わらなければいけない」

 次に、日本棋院を代表して小林理事長が、「お忙しい中、みなさまにお越しいただき、久しぶりに盛大な就位式が開かれました。このようなお祝いの席があると、井山碁聖も普段は着ない紋付きはかまの姿になっております」と語り、会場の笑いを誘った。

 小林理事長は、アジア大会の男子団体戦で銅メダルのメンバーの一人にとなった井山碁聖について「囲碁界を背負って、頑張った」と評価した。その上で「アジア大会は苦しんだというのが率直な感想であり、これは、棋士の問題ではなく、どれだけの環境を作って、世界とどう戦っていくのか。来年は日本棋院が100周年を迎え、変わらなければいけないと思っている。強化については井山さんとも話し合っていきたい」と強調した。

 また、関西棋院の榊原史子常務理事は、アジア大会を振り返り、「本当に若い人たちが強くなりました。若手の棋士がどんどん強くなって、世界と戦えるようになるためには、(井山碁聖には)ずっとご活躍をいただきたい」と期待感を示した。

茂呂二段から花束を受け取る井山碁聖
茂呂二段から花束を受け取る井山碁聖

▼「まずまずの内容」

 NHK杯テレビ囲碁トーナメントの読み上げなどで活躍している、茂呂有紗二段から花束を受け取った井山碁聖は「まずは、この場をお借りしまして、みなさまに感謝を申し上げます。お祝いのメッセージをたくさんいただき、非常にうれしく思っております」と謝辞を述べた。花束贈呈のプレゼンターを務めた茂呂二段が、「一昨日が誕生日だったことをまったく知らず、すみませんでした。今度、何かさせていただければと思います」と気配りを見せ、茂呂二段は笑みを浮かべた。

 井山碁聖はアジア大会について、「内容的にはいろいろとまずいところもあったとは思いますが、自分としてはまずまずの内容で戦えたのではないかと感じています」と振り返った。その上で「なかなか世界の舞台で結果に結びつけるところまで至っていないのですが、少しずつ努力はしていきたい。来期の勝負でも、少しでも成長した姿をお見せできるように精いっぱい取り組んでいけたら、と思っています」と意気込みを語った。

 

 

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