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静岡産業大学(8年ぶり3度目)

静岡産業大学

スルガ杯争奪県サッカー選手権大会優勝の静岡産大が、県内最多35度の出場を誇るJFLのHonda FCを3-1で撃破し、8年ぶり3度目の天皇杯出場を決めた。
県代表決定戦では、終始ボールを支配される展開。それでも組織的な守備から鋭いカウンターで〝格上〟から3得点を奪った。「全員でボールを奪い、全員で ゴールを目指す」。チームコンセプト通りに、攻守両面で数的優位を作り続けた。「一瞬の隙を突く集中力と、我慢強さが光った」と思惑通りの結果に成嶋徹監 督は何度もうなずいた。
静岡学園高やジュビロ磐田ユースなど県内屈指の強豪チームをはじめ、関東地方からも才能豊かな選手が集う。豊富な運動量でピッチを駆け回るFW片山と、 卓越した個人技が光るMF長崎が攻撃をけん引する。河本、大石祥の両CBが守備陣を統率し、GK浅野が気迫あふれるプレーで最後尾から鼓舞し続ける。中盤 で安定したプレーを見せる矢部、蔭平の4年生が攻守の切り替え役を担い、指揮官が掲げる攻守一体のサッカーを体現する。
2007年の総理大臣杯準優勝、09年には全日本大学サッカー選手権4強と、近年は全国舞台で結果を残してきた。だが、今季は総理大臣杯の予選を兼ねた東海大学サッカー選手権で2回戦敗退。敗戦を機に改めて戦術の浸透を図り、「天皇杯こそは」と力を蓄えてきた。
天皇杯が特別な理由がもう一つある。過去に出場した1998年、2003年は、Honda FCがJFLで天皇杯シード権を獲得した年。Honda FCが県代表決定戦に出場した年は、常に出場を逃してきた。それだけに、大きな壁を乗り越えて本大会切符を手にした選手やスタッフは「静岡産大の新たな歴 史を築けた」と喜びを表現した。
天皇杯に初出場した第78回大会は関学大に1回戦敗退。第83回大会は2回戦でJ2コンサドーレ札幌に敗れた。今大会は4日の1回戦で、岐阜県代表で東 海社会人リーグ1部の岐阜SECONDと顔を合わせる。2回戦では同じ県勢のJ1清水エスパルスとの対戦が待ち構える。「特別なことはしない。普段通り、 今までの積み重ねを出し切るだけ」と指揮官。県大会でゲームキャプテンを務めた矢部は「静岡県で唯一の出場枠。一つ一つの試合を丁寧に戦いたい」と闘志を 燃やす。サッカー王国の自覚を胸に静岡産大が3度目の天皇杯へ挑む。

(静岡新聞)