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ソニー仙台FC(6年連続14度目)

ソニー仙台FC

東日本大震災の影響で宮城県予選が中止となり、県サッカー協会の推薦で代表となった。
多賀城市の社屋が津波の被害に遭った。そのため、所属する日本フットボールリーグ(JFL)前期日程への参加を辞退した。選手は社屋を片付ける傍ら、避難所でサッカー教室を行い、子どもたちを励ました。
震災から2カ月以上がたった5月16日、チーム練習を再開させた。コンディション不良の選手が多い中でも、主将の瀬田貴仁を中心に「宮城、東北を元気づけよう」とリーグ戦後期に向けて準備を進めた。
布陣は4-4-2。田端秀規監督は堅守から、しっかりパスをつないで崩すサッカーを目指す。昨季は3人いたプロ契約選手が全て退団し、新たにプロ2人と新人3人を迎えた。
活動再開後は関東遠征でJリーグチームと対戦し、チーム力のアップを図った。攻守のけん引役となるのは右サイドハーフの大滝義史とボランチの花渕修平。 大滝は左足からの正確なパスで攻撃を組み立てる。花渕は豊富な運動量で攻守の切り替え役を担う。けがから約1年ぶりに復帰したチーム最年長のDF谷池洋平 を中心にした堅守がベースとなる。
リーグ戦後期日程の戦いぶりを見ると、試合を重ねてコンディション十分な他チームに比べ、成熟度が不十分な感は否めない。第6節が雷の影響で中止となる 中で、5戦3分け2敗と勝ち点3の最下位に沈む。ソニー仙台のために設けられた災害復興支援試合でも初戦は1点リードしながら、終了間際に追い付かれるな ど勝ち切れていない。
リーグ戦の目標を「残留」に定める。瀬田のけがによる長期離脱など、苦境は続くが、浮き沈みの少ないベテランが穴を埋めてくれる。結果が出ず最良のメンバーが固まらない中でも状態のいい選手でやりくりをしている。
リーグ戦での巻き返しに全力を注ぎながらも、天皇杯には特別なモチベーションで臨む。昨年は2回戦で同じ地元のJ1仙台相手に延長戦の末1-0で勝利。 ことしも初戦を突破し、仙台勢同士の対戦を心待ちにする。田端監督は「推薦された以上、しっかりと戦う準備をしたい。特にJ1仙台との対戦は(震災後)大 きな意味を持つものであり、満員のスタジアムで盛り上がる一戦にしたい」と気合が入る。

(河北新報)