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三洋電機洲本(18年ぶり2度目)

三洋電機洲本

第14回兵庫県サッカー選手権で社会人チームの三洋電機洲本が初優勝に輝き、兵庫県代表の座を獲得した。天皇杯への出場は、出場枠が都道府県単位 になる前の1993年以来、18年ぶり2度目。今大会はヴィッセル神戸U-18との準決勝を0-0からのPK戦の末に制すると、関西学院大との決勝は 3-2で競り勝ち、粘り強い戦いで頂点に立った。
「昼の暑い時間帯に練習できる大学生と比べ、後半はどうしても体力面で不利になる。前半で勝負を決めたかった」とMF村上歩夢。その狙い通り、決勝は序 盤からFW廣瀬一樹が猛烈なプレスを仕掛け、廣瀬と2トップを組むFW梅川毅士も体を張ってボールを収めた。前線の頑張りで流れをつかむと、前半14分、 MF稲垣侑也が遠い位置から蹴ったフリーキック(FK)が誰にも触れずにそのままゴールネットを揺らして先制。同31分にはMF村上が左足で追加点を挙げ た。運動量が落ちた後半はやはり関西学院大ペースとなったが、2-1と迫られた同12分にMF沈大紀が直接FKを決め、そのリードを守りきった。
クラブは、淡路島の洲本市にある三洋電機洲本工場で1973年に創部。皆が寮で寝食をともにし、それぞれの性格やプレーの個性を理解しあえる所が特徴と いう。週初めの練習前には選手ミーティングを行い、課題や目標意識を共有させている。昨季は関西サッカーリーグで2年連続3度目の優勝を果たすと、JFL 昇格を懸けた全国地域リーグ決勝大会で入れ替え戦にまで駒を進めたが、アルテ高崎(群馬)に敗れて涙をのんだ。迎えた今季はリーグ戦でやや苦戦している 分、「今大会(天皇杯)へのモチベーションは高い」と選手たちは声をそろえる。
2008年に就任した稲葉宗久監督は県選手権の決勝を最後に中国に転勤するため、天皇杯は酒池俊雄コーチが監督代行として指揮を執る。1回戦の相手は、 同じリーグのライバルでもある社会人チームの奈良クラブ(奈良)。18年前の初出場時は1回戦で東北電力に敗れているだけに、天皇杯での勝利はクラブに新 たな歴史を刻むことでもある。「泥くさいサッカーを忘れずに頑張ってほしい」と稲葉監督はエールを送る。勝てば、地元のJ1チーム、ヴィッセル神戸との対 戦が待つ。MF成瀬敬志朗主将は「歴史ある大会に出られるのはうれしい。兵庫県代表としてしっかり戦い、2回戦でヴィッセル神戸と『ガチ』でやりたい」と 胸を躍らせる。

(神戸新聞)