【がんを生きる緩和ケア医・大橋洋平「足し算命」】デジタルデトックス3日間
2026年9月27日=2730
*がんの転移を知った2019年4月8日から起算
2026年9月、旅してきた。
行先は岐阜県下呂市、何と3日間もだ。
▽あちこち痛い
痛む左腕に関しては、整形外科主治医にお願いしてMRI検査を受けた。その結果からはがんの転移はなさそうと安堵したが、MRIでも分からないこともあると言う。すっきりしない。さらに上腕骨外側上顆炎の痛みは半年も続いている。またこの9月には別の部位にも痛みが出現して、気がかりは尽きない。
という訳で専属秘書(妻のあかねさん)に相談することなく、一大決意した。
「旅に出かけよう」
▽いまなんや
期日は予約が取れやすい気がしたから、シルバーウイーク明けに定めた。ただしそのシルバーウイーク明けまで、すでに3週間を切っていた。いくら予約の電話をしても断られる。
「あいにく満室です。当方は半年前からインターネット予約可能ですので、ぜひとも次には」
もちろん、そうできればそうしたい。でも行きたいのは今なんや、半年先やなくて。すみません、がん患者いち個人の言い分です。
ようやく奇跡的に一軒見つかった。
「大丈夫です、ご夫婦で2泊3日ご用意できます」
ありがたかったぁ、即申し込んだ。その後で専属秘書に旅行に行くことを伝えた。彼女の事情などお構いなしだ。列車での旅も一瞬よぎったが、車を選択した。がん発病後マイカーは手放したけれど、我が家には専属秘書の所有車が存在する。運転免許は返納していなかった。
▽パソコン忘れた
ところでわたくし、携帯電話は相変わらず持っていない。こちらも発病後に手放したままだ。しかしパソコンは持っているから、メールやSNSを利用する。ただし重くなるのを言い訳にして屋外には持ち歩かない。だから外出時にはインターネットなし生活となる。
が、ちょいと待って。今回は車で出かける、ならば重さは関係ない。
「車にパソコン積んで行くぞ」
地元から片道3時間半~4時間ほどの計算だ。けれども、やらかした。積み忘れてしまった…。
10分ほど走った地点で気付いたので引き返せなくもなかったが戻る気力なくあきらめた。旅日記でも書こうかと企てていたのに。そもそも日ごろからパソコンを持って出かけることすらない。不慣れなことは無理である。
▽意外とやれる
元々メールを即返信するのが苦手で、時に友人から「メール見たんかぁ!」と電話までもらったこともある。でもSNSは一日に数回、閲覧する。そんな私だが、現地では一切メールを見ない、SNSにも全く触れない、という「デジタルデトックス」を堪能した。
意外とデジタルなしもやれるもんや。だからと言って街並みを散策しまくる、大浴場に入り浸るなどは無縁の私である。あっでも、宿内にある温泉には2回も浸かった。入浴は週に1回程度のオレが。
▽楽しすぎる

宿の部屋 3階から飛騨川を望む~岐阜県下呂市より。列車はJR高山本線、手前は至高山駅方面、奥へは至名古屋駅方面
充実した3日間やった。
「楽しすぎる旅やなぁ」
専属秘書も、現地でだけでなく行き帰りの道中から繰り返しつぶやいていた。彼女が満足し喜んでくれれば、それで充分だ。何かと日々お世話になり続けている。足掛け8年、彼女が居てくれるからオレは生きていられる。ホントに本当にありがとお~
▽メールはまだ
帰宅した今これを綴っている。まだメールは見てません。もしも送ってくださった方おられましたら、締切り迫っててごめんなさい。この原稿を仕上げてから確認いたします。勝手ばかり言うてすみません。
ところで昨年10月にわが書を出版すること叶いました。「がんになった緩和ケア医が、本気でホスピスを考えてみた」(双葉社より、税込み1650円)もしも関心をお持ちくださったならば手に取っていただけますと甚だ幸いでございます。またユーチューブらいぶ配信、こちらもしぶとく続けてます。チャンネル名「足し算命・大橋洋平の間」。配信日時が不定期なためご視聴しづらいとは察しますが、気ぃ向かれましたならばお付き合いくださいな。ご登録も大歓迎。応援してもらえると生きる力になります。引き続きご贔屓のほど何卒よろしくお願い申し上げまぁす!!
(発信中、フェイスブックおよびYouTubeチャンネル「足し算命・大橋洋平の間」)
おおはし・ようへい 1963年、三重県生まれ。三重大学医学部卒。JA愛知厚生連 海南病院(愛知県弥富市)緩和ケア病棟の非常勤医師。稀少がん・ジストとの闘病を語る投稿が、2018年12月に朝日新聞の読者「声」欄に掲載され、全てのがん患者に「しぶとく生きて!」とエールを送った。これをきっかけに2019年8月『緩和ケア医が、がんになって』(双葉社)、20年9月「がんを生きる緩和ケア医が答える 命の質問58」(双葉社)、21年10月「緩和ケア医 がんと生きる40の言葉」(双葉社)、22年11月「緩和ケア医 がんを生きる31の奇跡」(双葉社)、25年「がんになった緩和ケア医が、本気でホスピスを考えてみた」(双葉社)を出版。その率直な語り口が共感を呼んでいる。
このコーナーではがん闘病中の大橋先生が、日々の生活の中で思ったことを、気ままにつづっていきます。随時更新。














