実家管理の負担、9割が実感 介護と空き家対策のすき間浮き彫り
高齢者が介護施設へ入所したり、長期入院したりした場合、”実家“の管理は当然家族の仕事になる。介護そのものではなくても、これもなかなか負担を強いられる。空き家管理士協会(東京)が実施した「施設入所時における高齢者の自宅管理・家族負担に関する実態調査」によると、施設入所中の自宅管理について、92%が「家族にとって負担になっている」と回答。83.5%が「現在の介護・福祉制度の中では対応しにくい」とし、介護と空き家対策の間にある制度上のすき間が浮き彫りになった。

調査は、高齢者が介護施設への入所などで家を空けた後、その管理が誰に、どのような負担として発生しているのかを把握し、家族介護負担の軽減、介護離職の予防、管理不全空き家の予防、今後の制度提言や自治体モデル事業の検討材料とすることを目的に実施。6月24日〜8月5日に家族介護者、ケアマネジャー、地域包括支援センター職員、介護施設関係者、自治体関係者などを対象に行われ、200件の回答を得た。
その結果、施設入所・長期入院後の自宅管理について、相談や困りごとを見聞きしたという人が62.5%。困りごとの上位は「雑草や庭木が伸びる」(69%)が最多。次いで、「家族が遠方で見に行けない」(47.5%)、「郵便物がたまる」(44%)、「近隣から苦情が出る」(37%)、「誰が管理すべきかわからない」(32.5%)など。建物の劣化だけでなく、近隣関係、防犯、家族の移動負担、相談先の不明確さが重なった課題がうかがえる。
調査を実施した同協会では、「介護保険制度の中では見えにくい負担だが、家族にとっては移動時間、交通費、仕事との調整、精神的な不安などを伴う“見えない介護負担”」と位置づける。留守宅管理の制度化を検討する場合には、生活基盤の維持、異常の早期把握、関係者への報告、管理不全空き家の予防に資する最低限の支援として設計する必要があるとしている。実際この調査でも公的支援については、自治体による月1回程度の支援が「必要」「条件付きで必要」とする回答が58%だった。
同協会では今回の調査結果をもとに、アンケートへの反響があった自治体を中心に、自治体向けの「留守宅管理モデル事業提案書」の作成を進めていくという。

















