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朝の純喫茶大好き 「蝶花楼桃花 コラム 直線・曲線・斜め線」

 私は純喫茶が大好きだ。純喫茶が大好きになったきっかけは、朝活に憧れて通い出した純喫茶モーニングからだった。朝しか食べられない限定感や、お得感。そして、気持ちよく一日をスタートできる快感がたまらない。

 

 朝は、仕事柄そんなに得意ではないけれど、昼公演前に少し早めに出て、現地の純喫茶のモーニングを食べるのは至福の時間。そして、朝が一番その地域の雰囲気が反映される気がする。いわゆる常連っていう方が多い時間帯。そこにお邪魔して、流れる時間をみることも、私にとっての〝モーニング醍醐味〟の一つだ。ネタにもなるしね。

 この間はなかなかの修羅場に遭遇した。店主はとても品のある落ち着いた雰囲気のおばあちゃん。カウンターで同じ歳くらいのおじいちゃん2人が、一生懸命おばあちゃんに話しかけている。どうやら2人のマドンナのようだ。

 私のところに注文を取りにきて、お話をしている姿をジーッと見てる。マドンナがカウンターに戻ると珈琲のおかわりを競うように注文している。珈琲ドンペリだ! 一気に夜のお店の風景に見えてきた。マドンナはニコニコと「そんなに飲めないでしょ。大丈夫?」などと言って華麗にかわしている。ムーディ勝山さんもビックリな右から左への受け流し方だ。これはどちらにも勝利は訪れないなぁと確信し、美味しくモーニングをいただき修羅場を後にした。

 他にも、お孫さんのものと思われる作品が壁中に貼ってある実家みたいな純喫茶。

 何にも言葉を発さなくても全てが出てきて、新聞を読んで完食して無言で帰るおじさん。

 あれ?私常連だっけ?と思い違いをするほど、おかんみたいに話しかけてくる店員さんなどなど。

 しっかりこだわりの朝食は、自分では食べられない特別な非日常を感じさせてくれる。しかし、作り置きの珈琲を手鍋で沸騰させて出てきた珈琲も、明らかに近所のスーパーで買ったであろう半額シールのついた賞味期限ギリギリの8枚切り食パンのトーストも、なぜだかテンションが上がる。こだわり有りも、無しも、全てひっくるめて、純喫茶モーニングは大変面白い。

蝶花楼桃花(ちょうかろう・ももか)東京都出身。春風亭小朝さんに弟子入り後、二ツ目・春風亭ぴっかり☆時代に「浅草芸能大賞」新人賞を受賞。2022年3月、真打ちに昇進し高座名を「蝶花楼桃花」と改める。昇進披露興行、初主任興行、企画にもかかわった全出演者女性による「桃組」はいずれも大入り。24年7月、31日連続ネタおろし独演会「桃花三十一夜」を池袋演芸場で開催、大成功をおさめる。

【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No.22からの転載】

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