「第9回生物多様性MIDORI賞」授賞式・受賞者フォーラムを東京で開催 世界の生物多様性保全に貢献する2人を顕彰
生物多様性保全と利活用や、持続可能な社会の実現に多大な功績を挙げた個人を顕彰する国際賞、「The MIDORI Prize for Biodiversity 2026(第9回生物多様性MIDORI賞)」の授賞式・受賞者フォーラムが8月27日に東京都内で開催され、受賞者2人が表彰された。
同賞は、公益財団法人イオン環境財団(理事長 岡田元也氏=イオン株式会社 取締役兼代表執行役会長)と、生物多様性条約事務局(SCBD、事務局長 アストリッド・ショーメーカー氏)が共催、環境省・外務省が後援。2010年生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の名古屋での開催と、同財団の設立20年を機に創設され、隔年で実施している。受賞者には、賞金10万米ドルが贈られ、これまでに21カ国23人を顕彰している。

生物多様性MIDORI賞の歩み
受賞フォーラムでは、それぞれの活動やこれまでの経験を紹介し、生物多様性保全の最前線における知見を参加者と共有した。今回の受賞者は、フィリピン生物多様性保全財団(PhilBio)エグゼクティブ ディレクターのリサ・パグンタラン-マルテさん(フィリピン)と、国際自然保護連合(IUCN)種の保存委員会(SSC)人間と野生生物の紛争・共存専門家グループ長のアレクサンドラ・ツィマーマンさん(ドイツ)。67カ国172人の候補者の中から選ばれた。
リサ・パグンタラン-マルテさんは、25年以上にわたり、フィリピンの生物多様性保全に取り組み、絶滅したと考えられていたフィリピンハダカコウモリの再発見や、ビサヤサイチョウをはじめとする絶滅危惧種の調査・保全の分野で顕著な成果を挙げてきた。さらにフィリピン生物多様性戦略・行動計画の地域実装を主導。政策と地域社会を結ぶ持続可能な保全モデルの確立にも尽力している。
リサ・パグンタラン-マルテさんは、「この光栄な賞は、フィリピンで生物多様性に関わっている人たちを代表して頂いたと思っています。」と喜びを述べた。また、「長年、活動に関わる人々の関係づくり、仕組みづくりに大きな力を注いできましたが、これまでやってきたことを次世代にも引き継いでいかなければいけないと思っています。さらに責任が増えました」などと語った。

リサ・パグンタラン-マルテさん
アレクサンドラ・ツィマーマンさんは、世界各地で野生動物と人間社会との対立が深刻化する中、人間と野生生物の共存を生物多様性保全の重要課題として世界に提唱し、25年以上にわたり研究、実践及び政策形成をリードしてきた。国際自然保護連合(IUCN)種の保存委員会(SSC)人間と野生生物の紛争・共存専門家グループを設立し、国際指針の策定や実践ネットワークの構築を推進するとともに、平和構築や紛争解決の知見を保全分野へ導入した実績などが評価された。また、研究者、実務家及び政策立案者を結ぶ国際的な協働基盤の構築も進めている。
アレクサンドラ・ツィマーマンさんは、「長年の活動の中で多くの国を旅してきましたが、どの国にも人間と野生動物の対立が存在します。そして、その対立は、野生生物の問題と向き合う人と人との対立であるということに気付きました」と、向き合う問題の難しさを指摘。その上で、「まだまだやらなければならないことがたくさんあります。今回、みどり賞を受賞したことは、今まで取り組んできたことを続けるべきだという確信を与えてくれ、今後の活動への大きな動機付けとなりました」などと述べた。

アレクサンドラ・ツィマーマンさん
イオン環境財団の岡田理事長は、「お二人の蓄積した知見と行動力、そして長年にわたる献身的なご活動は、地球上の多くの人々に希望と勇気を与えるものと思います。私たち一人一人が、お二人の後に続いて、次世代へ豊かな地球を引き継ぐため、共に行動をしていこうではありませんか」と呼び掛けた。

イオン環境財団 岡田理事長
また、同財団では、顕彰後も受賞者との連携を継続している。これまで、受賞者との協働によるインドネシア・ジャカルタや、ベトナム・ハノイでの植樹、同財団が主催する「アジア学生交流環境フォーラム(ASEP)」へのベトナム国家大学ハノイ校の学生の参加、2024年に横浜で開催された「生物多様性国際ユース会議(IYCB・横浜開催)」への支援などを実施。今後も受賞者との連携を強化し、生物多様性保全に向けた環境活動を拡大していく予定という。
同財団は、日本初の地球環境に特化した民間企業単独の財団法人として、1990年に設立された。以来、「植樹」「助成」「環境教育・共同研究」「顕彰」の4つの事業を中心に活動している。
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