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ネガティブ行動の「負の連鎖」解明 筑波・立正大の研究グループ

筑波大×立正大 「本研究で行なった実験の概要」

 

 筑波大(茨城県つくば市)と立正大(東京都品川区)はこのほど、筑波大の秋山英三教授や立正大の山本仁志教授らの研究グループが、「自分の持つ資源が誰かに奪い取られた時、それが意図的な行動であったかどうかに関わらず、その損失を取り戻すために見ず知らずの第三者からでも資源を奪い取る傾向にある」との研究結果をまとめた、と発表した。

 この研究は、ネガティブな行動は第三者に対しても連鎖することを明らかにした点に意義があるという。これまで「自分に損失を与えた相手に直接報復できない場合、見ず知らずの第三者からであっても、失った分を取り戻そうとするのか」という定量的な分析は不足していた、という。

 この点を分析するため、研究グループは、オンラインで経済的報酬を用いる「経済実験」を行った。実験では、資源を奪うA、資源を奪われる役の被験者B(437人)、第三者Cを設け、ABC全員に100円を提供した。被験者B以外のA、Bの役割はコンピューターが担った。Aから金銭を奪われた被験者Bが、Cからどの程度金銭を奪い取るか、Cの手元にいくら残るかを検証した。

 実験の結果、BがCから奪った金額は、Aに奪われた金額と同程度だった。Aが意図的に奪うか、そうでないか、コンピュータープログラムで操作したが、Bの行動に差異はなかった。このことから「奪い取るというネガティブな行動は、その行動が意図的であったがどうかに関係なく、奪われた人は奪われた分と同じくらいの量を第三者から奪い取る傾向にある」という“負の連鎖”のメカニズムが分かったという。
 研究グループは「ネガティブな行動のメカニズムを知ることは、安定した協力社会の実現に貢献する」としている。

 

 

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