日本を代表する古典文学、源氏物語。平安中期に“女性作家”紫式部が書いたこの物語、来年のNHK大河ドラマで楽しめる世界だ。そこで、物語の時代背景が分かる『「源氏物語」の時代を生きた女性たち』（服藤早苗著、NHK出版・東京、税込み1078円）が発売された。

　結婚、出産、仕事、教養、そして老後。平安時代の女性たちは何を考え、どのように暮らしていたのか。身分ある女性から庶民まで、彼女たちの人生を史料から読み解く一冊だ。栄華極まり陰謀うごめく平安貴族社会で、女性たちは何を考え、どのように暮らしていたのか。紫式部をはじめとする平安期の女性たちが、歴史的な文学作品をのこすことができたのはなぜか。女性のライフサイクルから、平安時代の実像を浮き彫りにする。