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【はばたけラボ 先輩に聞く】子どもたちが夢をかなえるきっかけを作りたい お金の学習塾「まねまねタウン」——THINNEY株式会社社長・織戸弘暉さん

 未来世代がはばたくために何ができるかを考えるプロジェクト「はばたけラボ」。食べること、くらすこと、周りと関わること、ワクワクすること・・・。今のくらしや感覚・感性を見直していく連載シリーズ。大学在学中に起業プログラムを受講し、子どものためのお金の学習塾「まねまねタウン」を立ち上げ、現役学生社長として奮闘する織戸弘暉さんに話を聞いた。

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THINNEY株式会社社長・織戸弘暉さん

Q1 どんな会社を起業したの?

 5〜15歳を対象に、お金の教育を通じて、算数や社会に強くなり、非認知能力が身に付くカリキュラムで、子どもたちが夢をかなえるきっかけを提供する会社を運営しています。お金は抽象度が高いので、今必要なスキルに特化しています。例えば保護者のニーズとして、お小遣いの計画性がないといった問題を、3カ月単位で解決することをテーマに掲げています。

  まねまねタウンで行っている体験授業の一例が、「お小遣い計画」です。例えば、体験会に来てくれたら、「お小遣いの渡し方」のフォーマットをお渡しするんですね。契約書をまず結びましょう、そして、契約書では「お小遣いをいつ・いくら渡すのか」「いつ・いくら何に使うか」を明確化したりとか。その後、例えばお水だったら、どっちか買うのかってなりませんか? お小遣いの範囲か、親御さんか。そこの線もしっかり決めましょう、みたいな。そういうコンテンツを作っています。

  マネーという独自通貨も発行しています。使う、稼ぐ、投資する、借りることができて、稼ぐには社会保険料や税金を払い、上級学年では年金制度も取り入れて、リアリティーの高いコンテンツにしています。将来的には、これを現実世界で使えるようにして、よりリアリティーの高い経験を積んでもらいたいと考えています。今の日本のお金の教育は中身がよく分からないし、グローバルスタンダードと程遠い。なので、教育の中身を明確化するようにしました。

Q2 起業しようと思ったきっかけ、決断の理由は?

 高校まで名古屋で過ごし、母子家庭でしたが、母が教育に時間もお金もたくさん投資してくれて。その中で大阪の大学に入学した時、不動産に10万円以上の頭金を入れたら、店ごとなくなっちゃって。マネーリテラシーって、自分を守るために大切だなと思ったのがきっかけです。決断したのは3年生の時。就活か起業かを選択する中、就活の方が安定していたので、そっちに逃げたい気持ちもありましたが、日本にお金の教育プログラムがないなら作ろう、僕がやらなければ誰がやるんだと使命を感じたんです。

 余談ですが、親孝行の会社を運営している子がいて、親子の距離や年齢を入力すれば、あと何回親に会えるかをシミュレーションできるアプリがあるんです。僕は70回でした。母の足腰が弱ることを考えると、あと10年。普通に就活していたら、その間で十分に親孝行するのは難しいと思ったのもあって、起業家の道を選びました。

 Q3 起業して大変なこと、良いことは?

 メンバーが7人いるのですが、一番大変なのはメンバーのこと。学生起業家は自分も周りも未熟なので。さらに、学生起業でいつでも辞められる中、高いモチベーションを保ち続け、自分をマネジメントすることもしんどいです。それこそ、ちゃんと起きることから大変。元々早起きじゃなくて、1限とか絶対に取っていなかったんです。でも今は、8時ごろには起きるようになりました(笑)。逆に、僕や会社に「ありがとう」と言われるとすごくうれしい。これは起業しないと絶対に味わえないことですね。

 Q4 今後の目標は?

 まずは摂津市の学習塾を回しながら、フランチャイズ化すること。それにプラスして、社会貢献ビジネスもやりたい。無料で出張授業をするとか、普段提供できない子にもアプローチするとか。そうやって、メンバーやステークホルダーにとって三方良しのモデルを作っていきたいですね。ゆくゆくは、競合がたくさん出てきてほしい。全国どこにでもお金の教室がある状態を作りたいです。

番外Q 「はばたけラボ」が問い掛けるテーマ、〝ヒトは「 」で人になる〞。あなたの考える「  」に入る言葉を教えてください。

  失敗体験を積むことです。失敗体験から学ぶことは、めちゃくちゃ多いから。失敗して恥ずかしい思いをし、どうすれば改善できるかを考えることで次がある。ぜひ挑戦をたくさんして、いっぱい失敗して、一緒に成長していきたいです。それと、僕がはばたけたのは、サポートしてくれた人がいたから。まずは母が僕を育ててくれたからだし、集まってくれたメンバー、支援してくれるメンターや経営者、大学の方々がいたからこそ、今がある。それに報いるためにも、もっと頑張らなきゃと思っています。

 織戸弘暉(おりと・こうき)/2001年生まれ。愛知県名古屋市出身。20年近畿大学法学部入学。23年5月THINNEY株式会社を設立。大阪府摂津市でお金の学習塾「まねまねタウン」を運営。幼小中の出張授業および塾生を募集中。


まねまねタウン

 オリジナルのコンテンツや通貨を利用し、子どもたちが自由にお金の使い道を決める取り組みなどを通じて、プレゼン力や思考力を育み、失敗から学ぶ経験を提供している。

 まねまねタウン 住所:大阪府摂津市千里丘5-12-3 2F TEL:070-8968-7560

マネマネタウン

 


#はばたけラボは、日々のくらしを通じて未来世代のはばたきを応援するプロジェクトです。誰もが幸せな100年未来をともに創りあげるために、食をはじめとした「くらし」を見つめ直す機会や、くらしの中に夢中になれる楽しさ、ワクワク感を実感できる体験を提供します。そのために、パートナー企業であるキッコーマン、クリナップ、クレハ、信州ハム、住友生命保険、全国農業協同組合連合会、日清オイリオグループ、雪印メグミルク、アートネイチャー、東京農業大学、グリーン・シップ、ヤンマーホールディングス、ハイセンスジャパンとともにさまざまな活動を行っています。

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