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【はばたけラボ 子育て質問箱】成長期なのになかなか寝てくれない中学生 どうすればいい?

young woman fiddling her smartphone before bed
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 未来世代がはばたくために何ができるかを考えるプロジェクト「はばたけラボ」。食べること、くらすこと、周りと関わること、ワクワクすること・・・。今のくらしや感覚・感性を見直していく連載シリーズ。今回は、弁当作りを通じて子どもたちを育てる「弁当の日」の提唱者・竹下和男(たけした・かずお)先生が、中学生の保護者からの質問に答えます。

 なかなか寝てくれない中学生の息子、どうすればいい?

【質問】

中学生の息子に一人部屋を与えたら、夜更かしが増えてなかなか寝てくれなくなりました。小学生の時と違って一人の時間も大事だと思いますが、きちんと睡眠はとってほしいです。どうすれば息子を寝かすことができるでしょうか。

 睡眠は、思い切り楽しい明日を過ごすため

【竹下和男先生の回答】

 体が睡眠を欲しがっているのに、寝付くのが遅くなって翌朝なかなか目覚めることができず、朝食がおいしくなく、だるい体で登校しているということでしょう。これでは、充実した一日を過ごすことができません。知らないうちに、自分の体を虐待しているようなものです。

 乳児期はほとんど寝ていますよね。母乳(ミルク)を飲んでいる途中にさえも寝てしまうことがあります。幼児期も、保育所や幼稚園でもお昼寝の時間があります。小学生の低学年は5時間目(午後の最初の授業)に寝てしまう子がいます。小さなバッテリーしかないから、寝ることによって充電しないと動けなくなるのです。ところが高学年になると、お昼寝なしで遊べるようになってきます。

 中学生・高校生・大学生と成長するにつれて、睡眠時間が少なくなっていきます。働き盛りの大人が徹夜で仕事に打ち込むことができるのも、体力(大きなバッテリー)を身に付けたからです。大きくなるにつれて睡眠時間が短くなってもいいのですが、充電が十分にできないほどの夜更かしをしてもいいということではありません。

 少年期によく寝ることは、二つの良いことがあります。

 一つは、昼間の活動でできた体の痛み(傷)を修復することです。全部修復できた時は、まるでコップの中に水が一杯になってこぼれ出すように心地良く目覚めます。まだ修復できていないときは、起床することがつらいです。傷が癒されていないうちに翌日の活動を始めると、不快感が残ります。

 もう一つの良いことは、成長することです。つまり、バッテリーを大きくすることです。身体だけでなく、心の成長にも睡眠は大切です。昔の人は「寝る子は育つ」といって、睡眠をちゃんととることの大切さを伝えてきました。医学的にも、成長ホルモンは睡眠中に出ていることが確認されています。

 メジャーリーグ(MLB)で大活躍の大谷翔平選手(28歳)は、よく寝ています。選手仲間が夜の飲み会に誘っても、「寝る」と言って出かけないそうです。夜更かしをすると大好きな野球の質が下がるのを経験して、自分でコントロールしているのです。そんな大谷選手を、「野球少年のまま大人になった」と表現する人がいます。野球少年は、大好きな野球をするために、たっぷり睡眠を取っているのです。

 思い切り楽しい明日を過ごすことを想像しながら、眠りに就くのです。「今のうちに快眠の習慣を身に付けておくと、快適な明日、豊かな未来が待っているよ」と伝えてあげてください。

 竹下和男(たけした・かずお)
 1949年香川県出身。小学校、中学校教員、教育行政職を経て2001年度より綾南町立滝宮小学校校長として「弁当の日」を始める。定年退職後2010年度より執筆・講演活動を行っている。著書に『“弁当の日”がやってきた』(自然食通信社)、『できる!を伸ばす弁当の日』(共同通信社・編著)などがある。

 #はばたけラボは、日々のくらしを通じて未来世代のはばたきを応援するプロジェクトです。誰もが幸せな100年未来をともに創りあげるために、食をはじめとした「くらし」を見つめ直す機会や、くらしの中に夢中になれる楽しさ、ワクワク感を実感できる体験を提供します。そのために、パートナー企業であるキッコーマン、クリナップ、クレハ、信州ハム、住友生命保険、全国農業協同組合連合会、日清オイリオグループ、雪印メグミルク、アートネイチャー、東京農業大学、グリーン・シップ、ヤンマーホールディングス、ハイセンスジャパンとともにさまざまな活動を行っています。

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