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海邦銀行SC(11年ぶり3度目)

海邦銀行SC

11年ぶりに天皇杯の出場権をつかんだ。決勝は初優勝を狙う琉球大に先制を許すなど苦しめられたが、後半38分に同点としてPK戦に持ち込むと、GK大城勇太が2本セーブして辛勝。内容は消化不良となったが、最後は九州リーグに所属する社会人の意地を見せた。
実質、県内トップの実力を持つFC琉球がJFL枠で天皇杯出場を決め県予選は不参加。本命不在の中で代表権を獲得した仲間幹監督は「できはよくなかったが、自分たちが勝たなければならないという重圧の中で、選手が最後に底力を発揮してくれた」と安どした。
沖縄のサッカー界をけん引してきた歴史がある。1987年に沖縄で開かれた海邦国体に合わせ、県の強化チームとして発足。国体後は一般チームとして活動を続け、2000年には県勢初の九州リーグ昇格を果たした。
近年は元Jリーガーなど県外選手が主力のFC琉球(JFL)や、かりゆしFC(2009年解散)の影で県内2、3番手に甘んじながらも、地元クラブとして県出身選手の受け皿という貴重な役割を担っている。
沖縄からの遠征は時間と費用を要し、仕事を抱えながらの選手の負担は大きい。九州リーグでは昨季、入れ替え戦の末に残留するなど、毎年厳しい戦いを強いられている。
それでも、県勢で初めてJリーグのフィールドプレーヤーとして活躍した喜名哲裕が昨年加入。若手も加わり、今季はリーグ6位(8月31日現在)で上位も狙える位置につけ、健闘をみせている。
チームは、ベガルタ仙台(J1)FW赤嶺真吾の弟、佑樹が守りの中心。運天絢也や山口敦史と組むセンターバックは安定感が出てきた。攻撃は2列目からの飛び出しでゴールを狙う照屋靖人や、県予選3戦4得点のFW島袋貴男が軸。MF新垣佑典がキッカーを務めるセットプレーも得点源だ。連動した動きで攻撃に厚みを持たせられるかがチームの課題。
初戦は長崎代表のV・ファーレン長崎(JFL)。格上の相手となるが、かつては同じ九州リーグでしのぎを削った。中村翔主将は「パワーアップした相手に、どれだけやれるか。リーグにつながるような戦いをしたい」と力を込める。久々のチャンスをチームの活力にしたい。

(沖縄タイムス)