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残された被害者家族が伝える“より良く生きるためのスキル” 『家族3人を殺された私が、憎しみを乗り越えた方法』

伊藤勇さん、カバー表1(1)

 『家族3人を殺された私が、憎しみを乗り越えた方法』 (幻冬舎)が2月7日に刊行された。2003年、ある日突然に父、母、妹が殺され大切な家族を失った伊藤勇さんが、それまでの仕事であった整体師に加え、多くの人の心を支えるメンタルトレーナーへとなった体験を記した本。

 家族を殺害した犯人は、妹と直前まで交際していた元婚約者の男性であり、関係がもつれストーカーと化し、犯行後は自ら命を絶った。伊藤さんは、「悲しみと苦しみの淵に突き落とされ」るが、「それでも自分は生きていく」と覚悟を決める。どんな時も自分の味方をしてくれた両親、さらに年の離れたかわいい妹の死を無駄にしたくないと思い、自分が幸せになり、同じように苦しむ人を助けようと考えた。そこで多くの心理学の本を読み、自己啓発セミナーに参加する中で、NLP(神経言語プログラミング)に出会う。

 NLPはアメリカのカリフォルニア州立大学で心理学を学んだ数学者、リチャード・バンドラーと言語学の助教授であるジョン・グリンダーによって提唱された。著者はNLPと出会うことでどのような体験をしたのか? 事件の記憶はどのようになっていったのか? 同書ではその様子が克明に記されている。

 同書では、NLPに限らず心理学一般のメソッドも多く取り上げている。「思いを言葉にしてシェアすることで苦しみから抜け出す」「言葉の力は人間の体に直接影響を与えられる」「心的な距離を置く」「ベストな自分を見つけて誉める」など、日常生活全般に応用可能な示唆的な話を多く紹介している。税込み1540円。

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