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選択した生き方を正解に 【蝶花楼桃花 コラムNEWS箸休め】

 私が大好きなコラムニストさん曰(いわ)く、女には最低でも8通りの生き方があるという。仕事をするしない、結婚をするしない、子どもを産む産まない。

 私は今のところ、仕事をして、結婚をしない、子どもを産まないということを選択している女性である。8通りの生き方の正解なんてものはないし、現在そうだからといってそれを継続しなくてはいけないこともない。だから「今のところ」と言っておいている。

 明日、私が電撃結婚発表するかもしれないからね。白目。

 25歳で入門し、30歳で修行が明けた私。世間でいわれる女の結婚適齢期とやらの5年間を前座修行に充ててしまったからなのか、結婚というものに正直まったく興味なく生きてきてしまった。

 とはいえ、そんな私も結婚式という幸せの塊に参加するのは大好きである。

 以前、グアムの日本人会から落語会のオファーが来ていた時、たまたまその年に友人の結婚式がグアムであることが分かり、日本人会の方に相談して同時期の開催にしてもらったことがある。

箸休め
友人の結婚式当時の筆者=グアム

 海外なので、こぢんまりとするとの招待状。他の友人たちも調整をしたのだが、子どもがいたりするため不参加。そんなこんなで、友人参加は私一人ということが当日に判明!   いやいや空気読めよと自分ツッコミののち大後悔をしたが、時すでに遅し。

 両家の家族、親戚と、男着物で黒紋付きの私。いくらなんでもチャペルでこの格好は絵面がおかしいでしょ…と、申し訳ない気持ちいっぱいで新郎新婦の入場を待つ。しかし!  ウエディングドレス姿の友人を見て、そんな気持ちは吹っ飛び、この姿が見られて良かったと心底思った。

 そして、ここで終わらないのが、場違い女桃花。ご家族が、ニコニコ祝福をして誰一人泣いていないところ、私一人が大号泣!

 友人の家族になだめられる黒紋付きの女。空気読めないのもたいがいにしろよ! な私でした。だって、感動したんだもんッ!

 結婚という選択をした彼女の幸せな姿。

 私は「落語と結婚しました」なんて気持ち悪いことは言わないけど、落語と一緒に生きる選択をした私の人生を正解にする努力をしていこう。8通りどの生き方でも、それを自分なりに正解にするしかないもんね。あ、もちろん男性もだよ!

【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 43からの転載】

蝶花楼桃花(ちょうかろう・ももか)/東京都出身。春風亭小朝さんに弟子入り後、二ツ目・春風亭ぴっかり☆時代に「浅草芸能大賞」新人賞を受賞。2022年3月、真打ちに昇進し高座名を「蝶花楼桃花」と改める。昇進披露興行、初主任興行、企画にもかかわった全出演者女性による「桃組」はいずれも大入りを記録。10月21日より30日まで鈴本演芸場(東京都)で主任興行を開催中。

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