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【アイランダー通信 ~離島から考える】国境の離島に目を向けよう

 日本はたくさんの島々からなる国で、東西南北端すべてが島です。陸域面積(約38万平方キロメートル)は世界で61番目ですが、多くの小さな島々(排他的経済水域などの外縁を根拠づける国境域の離島)の存在によって、わが国は約447万平方キロメートルもの海域を有する世界有数の「海域大国」となっています。

 これらの国境離島を含むわが国の離島は、領海や排他的経済水域などの保全に加え、海洋資源の開発や利用、海洋環境の保全、海上交通の安全確保、領域警備及び安全保障などの「地理的な特性」からみた役割、豊かな自然を守り国民にレクリエーションや環境学習の場を提供するなどの「自然的な特性」からみた役割、多様な文化や歴史を継承する「文化的な特性」からみた役割などを果たしています。

 島々が上述の機能を十分に発揮し続けていく上で、そこに人が住んでいること(有人島であること)は、非常に重要です。日本には、有人島が担う重要な役割を踏まえ、国の責務による「保全」「地域社会の維持」などの施策を講じる根拠となる「有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法(有人国境離島法)」があり、現在29地域148島が対象となっています。

 有人国境離島法は、2016年に議員立法で10年間の時限法として制定され、今年の7月に改正・延長が成立しました。今回の改正により、期限が37年3月31日まで10年間延長されることになったほか、特定有人国境離島地域に天売島・焼尻島(北海道)、飛島(山形県)、粟島(新潟県)、新島・式根島(東京都)が追加となりました。加えて「都道県の責務」規定の新設、島外との交流の一層の拡大に向け「滞在型観光の促進」に係る規定の追加、法律施行後5年を経過した際の施行状況の検討および必要な措置を講ずることができるようになりました。

 このたびの改正は、まさに国を挙げて有人国境離島を盛り上げていこう、改めて有人国境離島の重要性に目を向け、国民全体で応援していこうという国の意思の表れだと思います。特に「滞在型観光の促進」は、日帰りから1泊へ、1泊から2泊へなど「もう1泊」してもらうための旅行商品の企画・開発などを支援するもので、旅行者に低廉化された商品の提供が可能となります。これを皆さんが利用することで、有人国境離島と接する機会の創出につながります。ぜひ滞在型観光商品を活用し、島へ足を運んでください。

 このほか東京の「領土・主権展示館」では、気軽に国境の離島について学ぶことができます。また、有人国境離島法を所管する内閣府では、国境離島の重要性を広く一般の方々に理解してもらうための普及啓発イベントなどを企画しているようです。私たちも広報誌などの刊行・配布、情報発信・交流イベントの開催など、皆さんに島の現状や魅力を知っていただく機会をつくっていきたいと思います。

公益財団法人日本離島センター 広報課長 森田朋有(もりた・ともあり)


日本離島センターとは?
 離島振興の推進を目的に1966年に設立。今年2月に設立60周年を迎えた。現在、北海道礼文町から沖縄県与那国町まで、離島振興関係5法の対象有人島を有する全国136市町村で組織している。広報宣伝、研修活動、島づくり活動への助成事業などを展開。全国の島々が一堂に会するイベント「アイランダー」の開催をはじめ、季刊の雑誌『しま』や、離島に関する各種データを掲載する『離島統計年報』などを発行している。

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