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出会いと笑いと新しい挑戦 【平井理央 コラム 直線・曲線・斜め線】

 渋谷のコミュニティーFM「渋谷のラジオ」でパラスポーツの番組を始めて、この春で10年になります。

 番組がスタートした当初は、パラリンピアンとオリンピアン、そして私の3人で語り合う鼎談形式でした。パラスポーツの魅力を伝えたい。そんな思いで始まった番組でしたが、気づけば私自身が、多くの学びや勇気をいただく場所になっています。

 現在はパラスポーツ好きの仲間が集い、過去最多となる5人のレギュラーメンバーで、毎回にぎやかにお届けしています。この10年間、本当にたくさんのアスリートやスポーツ関係者の皆さんにご出演いただきました。番組は私を含め、スタッフも全員ボランティア。だからこそ、「関わってくださった方に、何かひとつでも持ち帰ってほしい」という思いを、常に持っています。

 特に印象深いのはコロナ禍での挑戦です。クラウドファンディングを実施し、パラアスリートの半生をすごろく形式で体験できる「パラスポーツすごろく」を制作しました。当初の目標を大きく上回るご支援をいただき、渋谷区立の小中学校の全学級へ寄贈。さらに神戸市や北海道の児童館など、私たちも想像していなかった場所へ活動が広がりました。後にはパラ卓球の国際大会で、リアル版のすごろくとして展示していただく機会にも恵まれました。

 番組を通してパラスポーツを伝えてきたつもりでしたが、振り返ると、私自身が出演者の皆さんから挑戦する勇気や前向きに生きる力を教わっていたのかもしれません。困難を乗り越える話だけではなく、失敗談や葛藤、日常の何げないエピソードにもたくさんの気づきがありました。だから10年続けられたのだと思います。

 そして10周年を迎えた今年。「みんなで代々木公園でモルックでもやろうか」と何げなく話していたところ、気がつけば40人規模のモルック大会を開催することになりました。しかも、パラリンピックメダリストも参戦予定。出場者の顔ぶれを見ていると、改めてこの10年でつながったご縁のありがたさを感じます。

 思いついたらまずやってみる。面白そうならみんなで乗っかる。そんなノリの良さと行動力を持った仲間たちに出会えたことを、本当に幸せに思います。

 振り返れば、この10年は決して私一人で続けてきたものではありません。出演してくださった皆さん、支えてくださったスタッフ、耳を傾けてくださったリスナーの皆さん、そして活動を応援してくださった多くの方々のおかげで、ここまで歩んでくることができました。

 10年続けられたことへの感謝を胸に。そして、これからもこの場所が、人と人が出会い、笑い、新しい挑戦が生まれる場所であり続けることを願って。

 11年目も、変わらず楽しく。仲間たちと一緒に、パラスポーツの魅力と、その先にあるたくさんの可能性を伝えていきたいと思います。

平井理央(ひらい・りお)1982年東京生まれ。2005年、慶應義塾大学法学部卒業後、フジテレビ入社。スポーツニュース番組「すぽると!」のキャスターを務め、オリンピックをはじめ国際大会の現地中継などに携わる。13年フリーに転身。ニュースキャスター、スポーツジャーナリスト、女優、ラジオパーソナリティー、司会者、エッセイスト、フォトグラファーとして活動中。

【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No.23からの転載】

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