避難訓練と地域の想定災害にズレ 減災教育普及協会調査、「状況を見て判断する訓練」を提案
自然災害の多い日本では、子どもの頃は学校で、大人になっても会社や地域で避難訓練に参加する機会は少なくない。地震が来たら頭を守って机の下に、揺れがおさまったらすぐ避難するなど、“教科書通り”の災害対策は誰もが知っているが、地域によって想定される災害の中身はさまざま。具体的に「起こり得る災害」に適した避難訓練ができているかには疑問符がつくようだ。特定非営利活動法人減災教育普及協会の調査では、多くの人が地域の想定災害を認識できていない現状が明らかになった。同会は、調査結果を日本災害情報学会第32回学会大会で発表した。
日本大学危機管理学部との共同研究として、12都府県の教育・保育関係者2577人を対象に調査を実施。それによると、全体の85%が地域の想定災害を「知らなかった」または「想像と異なっていた」と回答。また、69%が現在の備えや訓練について「想定に足りていない」または「分からない」と答えた。避難訓練をしていないのではなく、地域で想定される揺れの強さ、津波の有無、避難経路の危険性、建物の条件などと、日々の訓練内容が十分につながっていない可能性が見えてきたという。
例えば、決められた避難場所にできるだけ早く移動するといっても、避難経路自体が道路の寸断や崩落、浸水などで通れなくなった場合を考える必要がある。また、子どもたちに「机の下に」と指導するだけでなく、「天井が落ちる」「窓が割れる」「ピアノが倒れる」など、その場所特有の具体的な危険を教える必要もある。
同協会は、地域防災計画や被害想定を起点に、訓練を「この場所で実際に起こりうる災害」をもとに設計し直す必要があると指摘。子どもや教職員が状況を見て判断し、行動できる訓練へ再構成する必要性を提案している。
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