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定年は要るのか デジタルシニアが活躍する株式会社うぇるねすの挑戦

【PR】超高齢化社会の日本。平均寿命が伸び、ライフスタイルが多様化する中、セカンドライフの見直しが求められています。最高齢90歳の人材が現役で活躍している株式会社うぇるねす。シニアによるシニアのための会社が、新たな挑戦を続けています。

株式会社うぇるねすは、マンション管理員代行業務を核に事業を拡大。コロナが明け、およそ4年ぶりに再開された社内研修イベントの大阪市内の会場には、400人あまり集まった関西エリアスタッフの元気な声が響いていました。
約3000人いるスタッフの平均年齢は70歳。これほど多くのシニア人材が活躍する会社を立ち上げたのは、定年後のシニアでした。同社の代表取締役会長兼社長の下田雅美(80)さんに聞きました。

–株式会社うぇるねすを起業した理由は?

60歳定年で前職のリクルートを辞めて、次に何をしようかなと思った時に、日本の分譲マンション人口は1,300万人くらいいます。たくさんの人が住んでいるマンションという住まいで、もっと良いサービスができるんじゃないかと思ったんです。というのは、その時の管理員次第でマンションが良くも悪くもなるなと。管理員が元気で明るくて良い人であれば、住人まで元気になって、建物もピカピカで、みんなが輝く。管理員がダメだと、マンションも暗く、薄汚くなって、住人まで元気を失くす。マンションは管理員次第だと思ったんです。
もう一つは、高齢者をバカにするような世の中はおかしいというのがありました。高齢者が尊敬されて、生き生きしている世の中が、いい世の中だと思うんです。だから、いい高齢者を集めて教育をして、いい管理員をマンションに送れば、国の役に立つのかなと思ったわけです。

–シニアにeラーニングやリスキリングを行っていらっしゃいます。

大変大事なところです。世の中の多くの人は、65歳とか70歳過ぎると、デジタル機器なんか使えないと勝手に思い込んでいるんですけど、違うんですよ。やってもらうと、若い人と全く同じように使えるんです。
うちではスマホを全員が持って、それで毎日の情報をやりとりする。そういう仕組みを作ったんです。スマホを触ったことがないという人も、うちの会社に入るとすぐ覚えてしまいます。使えれば楽しくなるでしょう? そうやってみんながレベルアップしていくと、お客様がびっくりする。「え? そんなのも使えるんですか?」とね。だってスマホがなくちゃ仕事ができないですから。デジタルなんてただの道具ですから、別に難しくも何ともないと思ってもらえれば、そうなるんです。シニアには難しくて使えないと思っている、世の中の価値観が間違っていますね。

–具体的にはスマホをどう使用しているのですか。

まずは、どこのマンションに行くか、今日はどういう特徴のあるマンションだとか、マンション情報を受け取るのに使っています。それから、いつ行けるかを聞きます。高齢者ですから、無理に行ってくれとは言わないです。行ける場所に、行ける日に、楽をして行ってもらえばいいと。休みたければいつでも休めますよと。そういう意味で、自由にデジタルを使って情報交換をしていただいている。高齢者なりに都合のいい仕事の仕組みを作るためのデジタル化でもあったんです。
もう一つは、デジタルなら情報をあっという間に届けられますから、マンションの状況がこうなってますよと、スマホでパッと写真を撮ればいいじゃないですか。あるいは理事長が怒っていたら、「では、これに向かって話してください」とか。生で管理会社に伝えられるんです、時間差なしに。そういうのは今まで全くなかったんです。そのようにすぐ動けるというのが、デジタルの良さですね。クレームがあればすぐに会社につながるんですから。

–今日はたくさんのシニアの方が集まっていました。何をしていたのですか。

今日は年1回、みんなが集まることの大切さを最初に話しました。同じ思いを持って、みんなで世の中を良くしよう、それがうちの会社だよと。そういうことを一緒に考えたり一緒に思ったりしてると、エネルギーがどんどん湧いてくるんだよね。集まると手間も経費もかかるけれど、それには変えられない良さがあると思う。
「うぇるねすシップ」と言ってるんですけど、同じ船に乗って、同じ思いで頑張ろうよというのを作りたい。そういうのは、もっと絆が深まるんですよ。みんなが「良かった、良かった」と言ってくれて、涙が出そうです。

–うぇるねすで働くシニア人材を見て感じることは?

一言で言うと元気になる。例えば持病があったとか、体脂肪が多い、糖尿病だった、そういう人も、仕事をすることでどんどん良くなるんですよ。毎日規則正しい仕事をするでしょう? ご飯もおいしいでしょう? 夜もよく眠れる。すると、医者に行かなくても良くなった、みたいなね。体を動かしているから、みんな元気になるんですよ。だから、そういう仕事をこれから増やしていこうと思っています。高齢者がどんどん元気になる世の中を作ると、面白いと思いませんか? (取材スタッフに向かって)お父さん、お母さんをぜひ紹介してください(笑)。

–シニアの仕事というと、シルバー人材センターがイメージされますが。

いい質問ですね。シルバー人材センターっていうのは、そもそもなぜ作ったのかよく分かりませんが、僕もシルバー人材センターに登録したことがあるんですよ。行ってみて、どんな会社があるかを見ましたが、本当にがっかりして。高齢者を「良く使おう」と本気で思っているところは、組織としてはあまりない。だから最近、いろんなところから視察にも来ていただいています。口だけじゃなくて、本気でやっていることに驚かれて。東京大学にも(高齢社会総合研究機構研究という)チームがあるんですけど、そういったところが「うちみたいなところはないよ」と言ってくださっています。研究しているんじゃなくて、うちは実行しているんですからね。

–シニアにとって「働くこと」の意味とは?

うちの兄や親も、高齢者ばかりが集まった病院に入ったりしていましたけど、そういう風になりたくないって、シニアはみんな思っているんですよ。思っているけれど、放っておいたらそうなっちゃうんですよね。いろいろ考えると、仕事をしていれば死ぬまで元気、ピンピンコロリって言うんですけど、元気でコロっといつか死んでいた。自分もそうなりたいなと思います。
今は皆さんもご承知のとおり、60、70、80歳なんて全然若いんですよ。意識も若いし。体もケアしていれば、簡単な運動なんかをすれば衰えない。一番大事なのは、仕事を持っていること、社会と繋がっていることを実感できるかどうか。そうすれば、バカにされないでしょう、家族にも。邪魔とかお荷物とか、そういうふうにならない。定年になったら、「おれはお荷物になるんじゃないか、この家にいちゃいけないんじゃないか」とか。つまらない生活をするっていうのは、僕は仕事の仕組みができていないからだと思うんですね。だから、それをうちが作っていこうと思っています。

–超高齢化社会の日本。これからの会社は、どうあるべきだと思っていますか。

少なくとも60、70、80歳になったから仕事ができないという考え方をまずやめていただく。定年制をやめていただく。そうすると、みんな元気になって、生き生きします。そのためには仕事を開発しなきゃいけない。歳を取ってもできる仕事を開発しなきゃならない。そういうことをやっていくと、日本は先進国ですから、高齢化社会のね。世界中が日本を見習っていく。高齢者もみんな元気に働いてもらうと、年金があってもなくてもいいし、財政も豊かになるしね。世の中の価値観を変えた方がいいと思う。変えるべきだと思っています。それには政治を変えないといけないよね。これから頑張ります。

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