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深く知れば知るほどおもしろい  道端の柵が主役の本『まちかどガードパイプ図鑑』

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 道路に設置されたパイプ製の柵、通称「ガードパイプ」。主に車道と歩道の境目や交差点の角、崖の上などに設置され、人と車の接触を防ぐ、進行方向を誤った車を正しい方向に戻すなどの役割を担っている。マンホールや単管バリケード、境界標などの「街角アイテム」は時おり華々しく話題になるのに対し、ガードパイプは特に脚光を浴びることなく街にたたずみ人々の安全を守っている。正に道路の脇役的存在だ。そんなガードパイプが主役の『まちかどガードパイプ図鑑』 (創元社・大阪市)が、12月11日に刊行された。

 著者は、10年以上ガードパイプを撮り歩き、これまでに収集したガードパイプは3000点以上という岡元大氏。岡本氏のコレクションから、日本全国の珠玉のガードパイプ200種類を、オールカラーの約300点の写真つきで紹介する。

 視界に入っているはずなのに気にすることのなかったガードパイプも、一つ一つに目を向けるとどれも個性的なものばかり。東京都の木「イチョウ」をモチーフとしたガードパイプは、カラーバリエーション豊富でタイプもさまざま。三重県鳥羽水族館付近のオリジナルガードパイプのモチーフは、海の生き物。東京の杉並区や品川区のガードパイプには、「杉並」「品川」の文字が隠れている。無電柱化された道路にある「トランスボックス」を守る役割を果たしているガードパイプたちもある。

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 ガードパイプの有識者として、鋼製防護柵協会の人たち、月刊『地図中心』編集長の小林政能氏と、岡元氏の対談も収録。ガードパイプに内包された歴史や景観とガードパイプの色彩との関係などにも話が及ぶ超マニアックな内容で、ガードパイプをさらに深く知ることができる。

 巻末には地名からガードパイプを検索できる索引を掲載。チェックリスト仕様になっているので、自分の住む街の周辺にどんなガードパイプがあるのかを確認し、見つけたらチェックを入れていくこともできる。いつもの街並みが変わって見えてくる、街歩き好き必携のハンドブックだ。160ページ、税込み1870円。

 

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