夏日に輝くキッズダンスに拍手 横浜・磯子で日清オイリオ春まつり
日清オイリオグループ(東京都中央区)は4月19~20日、植物油生産の主力工場がある「横浜磯子事業場」(横浜市磯子区)で多彩なイベントを通じて地域住民らと親睦を深める恒例行事「第40回日清オイリオ横浜磯子春まつり」を開催した。初日の19日は朝から大勢の親子連れらが訪れ、屋内外の各種イベントに参加。多くの人が半袖姿で、早めの夏日を迎えた春の週末を楽しんだ。
メイン会場は、工場内の緑地空間となっている屋外の芝生グラウンド。サッカーや野球の試合ができそうなくらい広いグラウンドに、地元の磯子消防団や磯子警察署、磯子区役所など地元行政機関の啓発展示ブースや子ども向けゲームブースのほか、日清オイリオグループなどの各種商品を特別価格で販売する「ショッピングテント」などが並んだ。
食用油を販売する日清オイリオのテント前には午前10時の開場からすぐに50メートルを超える長蛇の列ができ、籠いっぱいに食用油を買い求める人などでにぎわった。
大型ステージでは、地元で活躍する子どもたちのダンスチームが軽快な音楽に乗せて、息の合った切れのあるダンスを次々と披露。19日は横浜市で最高気温27.2度を記録し、季節外れの夏日となったが、強い日差しをはじき飛ばすような元気いっぱいの子どもたちのダンスに大きな拍手が起こった。
またステージ上で輝く“お兄さん、お姉さん”の雄姿をまねて、ステージ下の柔らかな芝生の上で気持ちよさそうに体を動かす幼児たちの自然な“リトルダンス”も見られた。

毎回人気の「食用油講座」
屋内での人気催事は例年、参加希望者が多く抽選となる「食用油講座」。2日間で計6回開く。各回の定員は60人で、19日の1回目の講座は希望者数が定員の2.5倍を超える盛況ぶりだった。
19日の講座は、日清オイリオグループ技術本部基礎研究所第1課主任の安藤菜々花さん(管理栄養士)が講師を務め、健康維持をテーマに一般的な食用油に比べて、素早く体内に消化・吸収できてすぐにエネルギーに変えることができる「MCTオイル」を活用した食生活改善のちょっとした工夫を分かりやすく説明した。
MCTは英語のミディアムチェーントリグリセリドの略語で、MCTオイルとは「中鎖脂肪酸油」のこと。中鎖脂肪酸はココナッツや牛乳などにも含まれているという。

「食用油講座」で講師を務めた日清オイリオグループの安藤菜々花さん
安藤さんは、高齢化が進む日本社会の課題の一つである、加齢に伴い筋力や心身の活力が低下する高齢者らの「虚弱状態」(フレイル)の問題を取り上げ、フレイル改善のためには、運動などとともに十分な栄養摂取を心掛ける食生活の重要性を説いた。加齢に伴う食細りや過度の体重減少などの「低栄養」対策として、普段食べるごはんやみそ汁などに少量のMCTオイルを加える食生活上の工夫が、比較的手軽にできる取り組みの一つではないか、と勧めた。
安藤さんは「食生活はバランスが重要です。植物油も重要な栄養素の一つでエネルギー(熱・力)の基になります。このエネルギーが不足すると、筋力の維持に必要なたんぱく質が筋肉の合成に使えなくなります。MCTオイルは効率的にエネルギーを補給できるので虚弱状態を改善したい高齢者だけでなく、育ち盛りの十分な栄養補給が必要な若い人の食生活にも取り入れていただきたい」と話した。
講座に参加した横浜市港南区の82歳の女性は「幸い足腰は丈夫なので、この工場の春祭りはほぼ毎回足を運んでいますが、食用油講座には初めて参加しました。ス―パーではさまざまな植物油の違いを自分なりに見極めて購入してきましたが、MCTオイルのことは今回初めて知りました。講座参加のお土産にMCTオイルを少しいただきましたので、食生活で試してみたいと思います」と話した。

横浜磯子事業場内にことし2月開設した植物油の魅力を発信する体験型展示施設「あぶらミュージアム」にも大勢の見学者が訪れた
日清オイリオ横浜磯子春まつりは、工場稼働に対する地域住民の日ごろの理解に感謝して1982年から開催。多い時で1万人以上訪れる磯子の春を彩る人気催事として定着している。