和装の着こなしは、江戸時代に様式が確立し、明治時代に多様な展開を見せたという。写真資料から当時の和装の着こなしの再現を試みる「初期写真資料でひも解く 着こなしの変遷 －幕末・明治の女性の和装」展が、12月2日(火)～2026年1月24日(土)の期間、東京・大手町の丸紅ビル内、丸紅ギャラリーで開催される。

　幕末期(1853～1868年)、開港によって欧米との交流が飛躍的に深まり、日本社会に西洋文化の波が一気に押し寄せた。洋装もその一つであり、女性の和装もその影響を受け、華やかな時代を迎える。現代の和装のイメージは、戦後、西洋へのカウンターカルチャーとして定型化されていったもので、幕末・明治期の着こなしは、女性の新たな自己表現として、さまざまな姿を見せていたという。同展では、幕末に流入した写真や文献を参照しながら、当時の着物や帯を使って着こなしを再現する。

　同ギャラリーの開館時間は10時～17時(入館は16時30分まで)。休館日は、日曜日・祝日・年末年始(12月26日～1月3日)。入館料は、一般500円、高校生以下無料。

　丸紅は、1858年の創業から現在まで続く繊維に関わるビジネスを通じて収集・保全してきた江戸期を中心とする古い時代の染織品(着物・能装束・裂など)や染織図案、1960～70年代にアートビジネスに携わる中で入手した西欧絵画、そして、染織図案の接点などから画家本人や画商を通じて収集された近代日本絵画を「丸紅コレクション」としている。2021年に開館した丸紅ギャラリーでは、「古今東西の美が共鳴する空間」をコンセプトに、丸紅コレクションを中心にさまざまなテーマで展覧会を行っている。