毎熊克哉、近藤華「見えないという恐怖をちょっと和らげてくれる映画だと思います」『見えない娘 THE INVISBLES』【インタビュー】
近藤 風子が映画を撮ることに興味があるのは、自分ともすごく似ているところだったので、近藤華のオタク的な部分を出して演じた部分はありました。風子は年齢的に子どもでも大人でもない時期なので、自分は大人だと思って背伸びをしているところから、だんだんと子ども心というか、自分を出していく過程を大事にしようと思いながら演じました。
-タクシー運転手役の寺島進さんとの絡みも面白かったです。
毎熊 寺島さんとは『孤狼の血 LEVEL2』(21)でもご一緒させていただきました。僕は寺島さんにガソリンをかけて部下に「燃やしとけ」なんて言う役でした。その時から寺島さんはすごく優しい方だなと思いつつ、しゃべり言葉はチャキチャキとしたリズム感を持っていらっしゃいました。今回の現場でも寺島さんが入ってくると、空気感はガラッと変わったのですが、ハードボイルドな役柄のイメージを知った上で若い女の子たちに囲まれている寺島さん、というのはすごく面白かったです。
-竹林監督の演出はいかがでしたか。
毎熊 これは僕が勝手に思っているのですが、もしかしてこのお父さん像にはちょっと竹林さん自身が入っているのではないかと。だからイメージは全部自分の頭の中にある。ただ、現場ではそこに俳優やカメラマンなど、いろんな要素が入ってきて、実際には自分が思うところとは違うことも多々ある中で、竹林さんはいつもほかの人の意見に耳を傾けて自分で消化をする。自分で思ったことを「絶対にこうなんだ」と押し付けないところが印象的でした。
-完成作を見た感想を。
毎熊 とても面白かったです。脚本も面白かったのですが、現場でのいろんなことや会話を思い出しながら、やっぱりリズムがいいと思いました。リズムが悪いと多分違う見え方がしたと思います。また、目線が近過ぎず遠過ぎず、すごく優しいというのが、竹林監督の『14歳の栞』(21)『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(22)『大きな家』(24)との共通点だと思いました。この映画も、脚本を読んだ印象や現場で演じた印象よりも、完成作はさらに面白かったです。
近藤 自分の思い入れがあるので、それを思い出して、最初から泣いてしまいました。映画を見るというよりも、あの時はこうだったなと自分の思い出を思い返すみたいな感じでした。撮影している時は、ひかりはどう見えるのだろうと少し不安でしたが、完成した映画を見ると、ひかりは見えないけど、ここにいるんだというのが分かって、とてもうれしくなりました。
-これから映画を見る観客や読者の方々に向けて、アピールポイントも含めて、一言お願いします。
毎熊 竹林さんが『ホーム・アローン』(90)が好きな映画だとおっしゃっていて、僕も大好きなんですけど、日本だと『学校の怪談』(95)などもありますが、これらは子どもが主役で子どもが見られる、しかも大人も楽しめるエンタメの作品ですよね。そういう映画が最近はあまりないと思います。この映画は、小学生が見ても楽しいですが、一緒に見に来た親御さんも、ぐっとくるようになっています。僕が子どもの頃は、大人たちが、堂々と子どもが見られる映画を作っていて、僕自身もそういうものを見てすごく影響を受けたので、この映画もそういう映画だと思います。
近藤 見えないことに対する恐怖や想像がマイナスの方向に向いてしまうことは、皆さんにもあるのではないかと思います。でも、それは、見えないから怖い、見えているから安心ということではなく、物事をもっとポジティブに捉えたり、もっと自分が感じたことを大事にしていいんだと思います。見えないという恐怖をちょっと和らげてくれる映画だと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)

(C)THE INVISIBLES Production Committee
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