【映画コラム】4月前半公開の映画から『俺たちのアナコンダ』『ハムネット』『1975年のケルン・コンサート』
『ハムネット』(4月10日公開)

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16世紀イングランドの小さな村。薬草の知識を持ち不思議な力を宿したアグネス(ジェシー・バックリー)は、ウィリアム・シェークスピア(ポール・メスカル)と知り合い、結婚する。
やがてウィリアムは作家となり、ロンドンで活動するようになる。夫が不在のため、アグネスは3人の子どもを女手一つで育て始める。
ペスト禍の中でも子どもたちを守り奮闘するアグネスだったが、不運にも11歳の息子ハムネットが命を落とし、家族は深い悲しみに包まれる。
北アイルランドの作家マギー・オファーレルが2020年に発表した同名小説を、『ノマドランド』(20)のクロエ・ジャオ監督が映画化。シェークスピアの名作戯曲『ハムレット』の誕生の背景にあった悲劇と愛の物語を、フィクションを交えながら描いた。
エミリー・ワトソン、ジョー・アルウィンらが共演。スティーブン・スピルバーグとサム・メンデスが製作に名を連ねた。
シェークスピアの戯曲や外伝を映画化したものは多いが、彼の内面や家族を描いたものは珍しい。しかも、『ハムレット』は亡くした息子へのメッセージとして描かれたとする解釈が斬新。アグネスがそれに気づくクライマックスの上演シーンで、舞台と現実が重なる瞬間が感動的だ。
これまで『ザ・ライダー』(17)『ノマドランド』と“現代の西部劇”を描いてきたジャオ監督が、イギリスの古典的世界の再現に挑んだことが興味深かったが、自然と融合したアグネスの不思議な力や北アイルランドの寒々とした風土を生かした点に、過去作との共通点があるとも感じた。
一方、アカデミー主演女優賞を獲得したバックリーは、娘、妻、母と立場を変えながら、大いに笑い、泣き叫び、激しく怒るという感情の起伏が激しいアグネスを見事に演じている。狂気的なフランケンシュタインの花嫁を演じた『ザ・ブライド』(26)もすごかった。まさに今が旬の俳優だ。
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