農民から成り上がった2人の下克上物語『秀吉と秀長 天下統一の軌跡』 大河ドラマの“予習”もできる
江戸のメディア王を追いかけた今年ももう残りわずか。来年の大河ドラマの舞台は、さらに2世紀さかのぼった16世紀、豊臣の時代。主人公になる豊臣秀長と秀吉の出世への道を、史実を基に丁寧に描いた『秀吉と秀長 天下統一の軌跡』(濱田浩一郎著、内外出版、税別1600円)が発売された。歴史好きはもちろん、大河ドラマの予習にも最適。
貧農だった秀吉は自身の出世を果たすため、自分の支えとなる人物を欲しがった。そこで白羽の矢が立ったのが、弟・秀長。秀長は田舎で農業にいそしむ一介の農民だったが、野心家の兄に誘われ一転、武士の道を歩み始めることになる。
秀吉・秀長は互いへの信頼をもって武功を重ね、荒々しい戦国乱世を駆け抜けていく。実の家族・兄弟間での裏切りが常であったこの時代、二人の関係性はなかなかまれなもの。秀長は持ち前の温厚篤実な性格で兄と周囲をつなぎ、兄の出世を支え続けた。秀吉も武略と知略で敵を攻略し、ついに天下人の座を射止める。秀吉の天下統一の裏には弟・秀長の献身があった。
二人の幼少期や家族関係、秀長の死没、2人が仕えた武将・信長との関係性など、教科書には載っていない豊臣兄弟の人生をまとめている。


















