夏のボーナスを「とりあえず貯金」で終わらせない。40代会社員が知っておきたいお金の優先順位
もうすぐ夏のボーナスの時期です。支給額を見たとき、あなたは最初に何を考えるでしょうか?
ロイヤリティマーケティング社の「第62回Ponta消費意識調査」(2025年6月発表 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000812.000004376.html)によると、夏のボーナスの使い道は「貯金・預金」が12年連続で1位でした。ただしその割合は32.4%と、4年連続で下がり過去最低を更新しています。一方で、ボーナスの半分以上を貯金したいと答えた人は54.8%にのぼります。「貯金したい」のに「回せない」。この差に、40代の家計が抱える問題の核心があります。同調査で貯金しない理由の1位は「生活費や日常の支出に充てるため」で約3割。ボーナスが「臨時収入」ではなく「生活費の一部」になっている家庭が増えているのです。
Aさん(44歳、メーカー勤務)は毎年の夏のボーナスを「とりあえず普通預金」に入れていました。住宅ローンの繰り上げ返済も頭にありましたが、子どもの夏期講習代と車検が同じ月に重なり、気づけばボーナスの大半が生活費に消えていたそうです。ボーナスは「もらってから考える」のでは遅いのです。支給日の前に使い道の優先順位を決めておくことが、家計を安定させるもっとも確実な方法になります。
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2025年夏季賞与は事業所規模5人以上の平均で42万6,337円、前年比2.9%増でした(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1a.html)。ただし企業規模による差は大きく、従業員5~29人の事業所で28万3,954円(前年比0.2%増)、1,000人以上の事業所では85万8,476円(同5.4%増)と格差はむしろ広がっています。中小企業で働く40代にとっては、賞与が増えた実感は薄いのが正直なところでしょう。
では、限られたボーナスをどこに振り向けるか。次の3つの順番で考えると迷いが減ります。
まず確認すべきは、生活防衛資金です。急な出費や収入減に備え、生活費の3ヶ月から6ヶ月分をすぐに引き出せる口座に確保しておくのが基本です。ここが足りていないなら、貯蓄が最優先です。40代は子どもの進学費用や親の体調変化など大きな出費が重なりやすい年代ですから、防衛ラインを意識する価値は大きいといえます。
次に確認したいのが、高金利の負債です。カードローンやリボ払いの残債がある場合、金利は年15%前後になることもあります。投資で年4%のリターンを期待するよりも、高金利の借入を先に返済するほうが、家計への改善効果ははるかに確実です。
3番目に考えたいのが、将来に向けた積み立てです。新NISAやiDeCoなど税制優遇のある制度を活用すれば、少額からでも長期で資産を育てることができます。多くの金融機関でボーナス月だけ積み立て額を増やす設定が可能です。先ほどの調査では、貯金の用途として「老後の生活への備え」を挙げた人が約7割でした。漠然とした不安を「毎月いくら積み立てるか」という具体的な数字に変えるだけで、不安そのものが小さくなります。
Bさん(47歳、IT企業勤務)は昨年の夏、ボーナスの振り分けを支給日の2週間前に紙へ書き出しました。繰り上げ返済に10万円、NISAの増額に10万円、家族旅行に5万円、残りは生活防衛資金へ。「書き出す前は漠然と不安だったのに、数字を入れた途端に気持ちが落ち着いた」と話しています。
大切なのは金額の大小ではなく、順番を決めることです。生活防衛、負債の解消、将来への積み立て、そして家族のための消費。この順番をボーナス支給日の前に決めておくだけで、同じ金額でも家計に与える効果は変わります。今年の夏は「とりあえず」を卒業する15分を取ってみてください。
<筆者略歴>
新井 一:起業コンサルタント 1996年 23歳で会社員のまま起業
2007年 起業支援を本格スタート(現・起業18フォーラム)
新井 一:起業コンサルタント
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