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「これがニッポン。悪くない」「日本を尊敬するよ」農相辞任の海外の受け止め

 日本の出来事を海外メディアがどう伝えているかを知るのは面白い。SNS上なら、読者や視聴者のコメントも読める時代、日本国内とはひと味違った受け止め方に、各国の“お国事情”もうかがえる。「コメは買ったことがない」と発言して辞任に追い込まれた江藤前農水相の一件は、各国メディアが苦笑して“食いつく”類のネタ。SNSのフィードに流れた記事には、「ウチの国じゃもっと悪いことをしても辞めない政治家もいる」「日本は(正直で)いい国だ」というコメントが並び、“人ごと”だからでもあるだろうが、案外緩やかなネタになっている。

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 たとえばフランスのパリジャン紙。発言の段階で「“コメ危機”のニッポンで、農相が『ただでもらっているから売るほどある』と自慢」という見出しで第一報を伝えた。記事の中では、米の価格が高騰している中で「“危機”に陥っていない人がいる。江藤農相がその一人だ」とし、発言の経緯を紹介。江藤氏がその後、事を収めようと妻との会話を持ち出し「ストックがなくなって買いに行ったこともあるといさめられた、と説明したが、批判をかわすことはできなかった」と伝えている。

 言語の違いからくる微妙な意味の相違もあるが、日本語の“失言”が口を滑らせた、という印象があるのに比べ、確信的な発言というニュアンスが漂う。この記事には、「正直な発言だ」「どこの国でも政治家はこうやって(食べものを)もらってるんだ」「ちょっとフランスみたいだ」「経済危機の中で、政治家は庶民の財を奪っていくのはどこも同じ」などのコメントがついた。

 そして辞任を受けて再度その経緯を紹介した記事には、「(辞任するという決断について)これがニッポン。悪くない」「フランスの政治家はこういう潔さ、威厳に欠けている」などのほか、「フランスの政治家も(辞任という決断を)見習うべき」「たったこれだけ(発言のこと)で辞任だって? ほら、これが本当のデモクラシーだ。日本を尊敬するよ」など、肯定的なコメントが並んだ。

(text by coco.g)

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