「ナプチーノ」でリフレッシュ 【馬場典子 コラムNEWS箸休め】
Sports Doctors Network(SDN)という組織をご存じでしょうか。レアル・マドリード、ACミラン、アーセナル、ニューヨーク・ヤンキースなどなど、名だたるチームのヘッドドクターらが、国境も競技の垣根も超え、エリートアスリートケアの最適化はもちろん、一般活用できる環境を推進していくために昨秋設立されました。
そのSDNの「最先端医療を、すべての人に」というカンファレンスで司会を務めさせていただきました。内容は最先端のものが多いのですが、親しみやすく分かりやすいものでもありました(後日SDNのサイトでアーカイブ配信される予定です)。
宇宙飛行士の山崎直子さんの、ISS(国際宇宙ステーション)の実験で猫の人工血液が作られたという話には驚きましたし、「地球に帰還後の重力は本当に辛(つら)かった。でも重力という負荷があることはトレーニングに活用できるのでは」という話は目から鱗(うろこ)でした。ハーバードメディカルスクール神経生物学、睡眠研究者のユギノビッチ博士は、より良い睡眠をとるためのコツも伝授。更年期の影響か、睡眠の質も量も乱れがちなこのごろですが、免疫にも美容にも一番大事と言われるだけに、気になるところ。

野村忠宏さんもサプライズ登壇。平井理央ちゃんにも会いましたが写真撮りそびれました
まずは深呼吸。4秒息を深く吸い、7秒止め、8秒かけて吐き出す。そして、ストレッチなどで筋肉を緩めること。カフェインは7時間以上体内に残るので、逆算しておく必要がある。昼寝は午後2〜4時の間に、長くても30分。30分で足りるの? という方にオススメなのが「ナプチーノ」。ナップ(昼寝)とカプチーノの造語で、昼寝前のカフェイン摂取が寝すぎを防いでくれるとか。ちなみに私は今、光がNGということを逆手に取り、締め切り直前の夜中にこの原稿を書いています(笑)。
室伏広治さんは「ライフパフォーマンス」をテーマに、人間が本来持っている能力としての「野性」を意識してトレーニングしたことや、五感を使った「野趣的外遊び」が、運動能力だけでなくコミュニケーション力や危険察知能力など、子どものさまざまな発育に効果があるという興味深い話をされました。
もう一つ刺さったのが、体力がガクッと落ちるのが平均49.1歳という話。どうりで、意識的に階段を使っているのに一向に楽にならず、登るたびに腿(もも)の裏が辛いわけですね・・・。でも、ギネスに認定されたトライアスロン選手・稲田弘さんは70歳で競技を始めて現在92歳の現役。人生100年時代、生命寿命と健康寿命が一緒であることの大切さを改めて感じました。今日も階段登ります。
KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 26からの転載】
馬場典子(ばば・のりこ)/ 東京都出身。早稲田大学商学部卒業。1997年日本テレビに入社し、情報・バラエティー・スポーツ・料理まで局を代表する数々の番組を担当。2014年7月からフリーアナウンサーとして、テレビ・インターネット番組・執筆・イベント司会・ナレーションなど幅広く活動中。大阪芸術大学放送学科教授も務める。