「明朝文化フォーラム2025」が開幕、明文化の継承と革新の新たな道を模索
孝靖皇后が着用した「十二龍九鳳冠」。本物のような龍と鳳凰、
そして精巧に宝石が施されたこの冠は輝きを放ち、
明の皇后の威厳と栄誉を完全に体現
AsiaNet 200889 (0120)
【北京2025年6月18日新華社=共同通信JBN】明朝文化の真髄をさらに探求し、継承するため、「Impressions of the Ming Dynasty: A Chapter of World Heritage(明朝の印象:世界遺産の一章)」をテーマとする「Ming Dynasty Culture Forum 2025(明朝文化フォーラム2025)」が6月14日、Global Ming Culture Exchange Center(世界明文化交流センター)で正式に開幕しました。
本フォーラムは、開幕式、4つのサブフォーラム、文化財展示で構成されています。明の5つの皇帝陵が初めて連携する、画期的な取り組みとなりました。本フォーラムは、テクノロジーを通じて文化遺産に力を与えることに焦点を当て、明朝の文化的含意を深く探求し、その文明的成果を体系的に検証するとともに、現代における文化遺産の保護、継承、そして革新的な発展に向けた新たなアプローチを包括的に探ることを目指しています。本フォーラムの狙いは、国家文化センターとしての北京の発展に大きく貢献し、中国国内および世界における文化交流と相互学習を促進することです。
開幕式でそうそうたるゲストが知見を披露:継承と革新の青写真を共に描く
Chinese Society on Ming Dynasty Culture(中国明朝文化学会)のGao Shouxian会長は「Ming Culture in the Context of Civilizational Exchange and Mutual Learning(文明交流と相互学習の文脈における明文化)」と題して基調講演を行い、明朝の異文化コミュニケーションにおける目覚ましい成果と、現代との関連性について深く掘り下げました。Academic Committee of the Palace Museum(故宮博物院学術委員会)のShan Jixiang委員長は「Bringing Ming Cultural Heritage to Life(明の文化遺産を蘇らせる)」と題した講演を行い、昌平にある定陵のVR体験館などの革新的な事例を挙げ、デジタル技術やクリエーティブデザインによって歴史的遺物を蘇らせる効果的な方法を鮮やかに説明しました。中国人民大学教授で中国明朝文化学会首席顧問のMao Peiqi氏は、「The Ming Dynasty’s Outstanding Contributions to the Development of the Chinese National Community(中華民族共同体の発展における明朝の顕著な貢献)」と題して講演を行い、制度設計、文明交流、和合・共存の理念における明朝の功績を詳しく説明しました。中国伝統医学の権威であるWang Qi氏は、「Inheritance and Development of Traditional Chinese Medicine through the Lens of the Compendium of Materia Medica(本草綱目を通して見る中国伝統医学の継承と発展)」と題した講演を行い、明代の医学の繁栄とその不朽の遺産について深い分析を行いました。
本フォーラムの主要関連イベントで、「明朝の印象、世界遺産の一章」をテーマとする明代文化遺産展が世界明文化交流センターで同時開催され、100点を超える明代の貴重な遺物が展示されました。
4回目となる本フォーラムは実りある成果を上げ、影響力は着実に拡大
昌平区は2022年から4年連続で明朝文化フォーラムを開催しています。回を重ねるごとに明文化の保存と発展の道筋が明らかになり、人々の関心も高まり、具体的な成果も現れています。
この4年間で、昌平の文化遺産保護は新たな局面を迎えています。「The Master Plan for the Protection of the Ming Tombs(明十三陵保護基本計画)」が国家文物局に正式に承認されました。神路の再開、詔獄(埋葬地)の境界壁の保存・公開などの主要な取り組みが実施されました。「明十三陵考古学事業計画(An Archaeological Work Plan for the Ming Tombs)」も策定され、市レベルの文化遺産保護・活用モデル区の設置に向けた取り組みも進んでいます。昌平区は土地区画整理の機会を捉え、明十三陵遺跡の空間レイアウトを再構築しました。
学術研究の領域では、新たな成果が次々と生まれています。120人の学者から成るシンクタンクがつくられ、明陵の保護と活用、明文化の研究に関して長期的な助言が得られるようになりました。その後、「2022年明文化フォーラム成果集」「2023年明文化国際シンポジウム記録」「中国の遺産:明朝の真髄」「2024年明文化国際シンポジウム記録」などの複数の主要な出版物が刊行されました。また、北京大学、北京建築大学、北京聯合大学、中国文化遺産研究院との共同研究の枠組みもつくられています。こうしたパートナーシップは、明文化の生きた継承と文化遺産の保護に対する強力な学術的支援となっています。
文化観光の融合という点では、明十三陵一帯の一般公開に向けた総合計画が策定され、2030年までに主要な陵墓の全面公開が予定されています。遺跡周辺には83平方キロメートルの文化観光区が整備される予定です。同区は引き続き「明文化+」の融合モデルを深化させ、文化・観光資源の集積を促し、明文化博物館・観光複合施設の開発を進めています。
さらに昌平区は、様々な魅力的な展覧会を通じて、明代の深い文化的意義を積極的に発信してきました。2022年以降、北京、上海、広州、深セン、南京、杭州、成都などの主要都市で明代の遺物をテーマとする展覧会を計11回開催し、計13の展覧イベントに参加しました。こうした取り組みにより、明文化の全国的な認知度と影響力は大幅に向上しました。中でも、没入型VR体験展示「Re-encountering Wanli(万里との再会)」は、文化遺産のデジタル再生とアダプティブリユースの模範例となっています。
いずれも国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産である明十三陵と居庸関長城を管轄する昌平区は、明朝文化フォーラムの成功を通じて、文化遺産の保護と再認識がいかに両立可能かを見事に実証してきました。この取り組みは、文化遺産保護と革新的な文化発展がどうすれば両立できるかを示す説得力ある事例となっています。
「明朝文化フォーラム2025」の成功を足がかりに、昌平区は引き続き明文化の研究、解釈、復興を深めていきます。無形文化遺産の暮らしの中での伝承を促し、文化、博物館、観光を融合した重点プロジェクトの実施を加速し、同区特有の明文化資源のさらなる探求に努めていきます。昌平は、明文化の研究と交流の世界的拠点となることを目指し、国家文化センターとしての北京の発展と中国の文化遺産の継承に力強く貢献していきます。
ソース:The Organizing Committee of the Ming Dynasty Culture Forum 2025
