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自活の武器、ファッションへの関心 シンポジウム「ミシンが変えた女性の暮らし」

 昭和女子大学・女性文化研究所は8月3日、シンポジウム「ミシンが変えた女性の暮らし―モノでみた日本の近代史」を学内の80年館オーロラホールで開催しました。
 基調講演は日本近現代史を研究している米ハーバード大のアンドルー・ゴードン教授が、ミシンが日本の近代に与えた影響について語りました。その後のパネル討論は坂東真理子学長がコーディネーターとなり、ゴードン教授、ファッションデザイナーのコシノヒロコさん、NHK連続テレビ小説「カーネーション」の城谷厚司プロデューサー、東京大学情報学環の吉見俊哉教授が参加しました。

【坂東学長あいさつ】

 今日のシンポジウムはゴードン教授の著作「ミシンと日本の近代」日本語版の発刊を記念して行うものです。基調講演のあとのディスカッションは、2011年秋から放送されたNHK連続テレビ小説「カーネーション」でモデルとなった小篠綾子さんのコシノ3姉妹の長女であるコシノヒロコさん、「カーネーション」のチーフプロデューサー城谷さん、東大の社会学者の吉見先生にパネリストになっていただきます。

【ゴードン教授の基調講演】

 日本の労働運動、労使関係を研究していた時に、「川崎労働史」という本の中で、京浜地帯の労働者家族の専業主婦は毎日、平均2時間20分を裁縫に充てるとありました。労働省婦人少年局の1952年に東京地域の労働者を対象とした調査では、結婚して外に働きに出ていない女性は毎日280分を裁縫に充てていました。このころ家庭の中で37%の人がミシンを使っており、中流だけでなく、それよりお金がなかった家にもミシンが入っていたことが分かりました。彼女たちにとってミシンというものは単なる道具ではなく、もう少し複雑なものでした。

 この研究で驚いたことを6つほど紹介したい。最初の驚きはミシンがこんなにも多くの人に感情豊かな記憶を残したことでした。二つ目は戦前の歴史にも遡りますが、自活できる女性という姿は驚くほど頻繁に幅広く根が深く日本の文化と社会に浸透していたことです。三つ目が、20世紀初期の良妻賢母像は近代のグローバルな女性像であって伝統的な日本的なイメージではなかった。日本的だと思われがちな良妻賢母はすべてグローバルな、場合によっては米国発の産物だったという結論です。

 四つ目の発見は、人々が第二次大戦という最も暗い時期ですらミシンを通じて近代のファッションやスタイルへの関心を持ち続けたことです。もんぺは活動式標準服といわれ、国の高圧的なプレッシャーによって押し付けられたと思われたのですが、それだけじゃない。女性たちはそれなりのファッションを伴ってやろうとした。戦争の真っ最中ですら女性たちは生活の中の何らかの形でモダンなファッションの追求を進めていました。

 五つ目に驚いたのは、平和と民主主義の時代の1950年代以降の日本で、主に経済戦争に示された強硬なナショナリズムが見られたことです。ミシンの歴史の中で明確なエピソードは、シンガー社の日本への再来です。1938年あたりから同社は日本市場から追い出され、その後で日本のミシンメーカーが強くなり戦後初期には非常に栄えていた。米国の占領が続いた7年間、シンガーの日本での販売活動は連合国軍総司令部(GHQ)によって許されませんでした。その間、日本メーカーは良いものができるようになりましたが、それでもシンガーが再び日本に来る日を恐れていた。シンガーは経営に困っていた会社の50%の持ち株を引き受ける計画を発表、これに対して業界団体、製造業者、労働組合が強力な同盟を組んで、この投資をやめさせるよう当時の通産省に訴えました。2年間の日米交渉の結果、シンガーは日本メーカーと提携して現地生産しました。シンガー問題がいよいよ本土決戦に持ち込まれ、勝敗のカギは奥さん方の手中に委ねられることになった。日本メーカーは日本の主婦に訴えて「シンガーから我が国を守ろう」とアピールした。平和民主主義の中で、国際経済競争と愛国心がみんなにあったのです。

 この研究で最後に驚いたのは、戦後の洋裁ブームです。1947年には全国で400の洋裁学校に4万5千人の学生がいました。この数は増える一方で、50年代半ばには7000校に50万人が在籍していました。このころは中学や高校を卒業してすぐ、しばらくの間は洋裁学校に行くのは事実上すべての女の子が考えたことだと思います。商業用の内職、デザイナーになりたいという洋裁もあったし、家族のための裁縫をやりたいという両方の面を持った洋裁ブームでした。50年代の調査が示すように、家庭で主婦が毎日2~3時間裁縫をするという営みがあったわけです。この状況は50年代から60年代まで20年間続いたと感じます。それで段々と洋裁熱は冷めて、学校に通う人はプロ意識に絞った人たちになると思われます。

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