ライブリバントと化学療法の併用療法、EGFRエクソン20挿入変異陽性肺がんで最長の全生存期間中央値
ライブリバント®と化学療法の併用療法、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性肺がんにおいて、これまで報告された最長の全生存期間中央値を発表
※本プレスリリースは、9月14日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。※本プレスリリースは、日本国内において未承認の情報も含みます。予めご注意ください。
・ ライブリバント®と化学療法の併用療法は、EGFRおよびMETを同時に標的とする差別化されたアプローチにより、持続的なベネフィットを示す
・ 従来の5年生存率がわずか8%であった予後不良の患者集団にとって大きな前進となる結果
韓国・ソウル(2026年9月13日) – Johnson & Johnson(NYSE:J&J)は、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子エクソン20挿入(Ex20ins)変異を有する進行性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの一次治療として、ライブリバント®点滴静注製剤(アミバンタマブ)と化学療法(カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウム)の併用療法を化学療法単独と比較評価した第III相PAPILLON試験における全生存期間の最終解析結果を発表しました。併用療法群の全生存期間中央値は約3年(34.3カ月)で、化学療法単独群では27.9カ月でした。化学療法群でクロスオーバーが可能であった患者さんの76%が病勢進行後に二次治療としてライブリバント®に移行したにもかかわらず、併用療法により全生存期間中央値は6カ月超延長しました 。これは、この患者集団でこれまでに報告された中で最長の全生存期間中央値であり、従来の中央値の約2倍に相当します1。これらの結果は、国際肺癌学会(IASLC)2026年世界肺癌学会議(WCLC)のプレジデンシャルシンポジウムで発表されました(Late-breaking Abstract #PL.03.03)。
これまで予後不良とされてきた患者さんの生存期間への期待値を再定義
EGFR遺伝子エクソン20挿入変異は、すべてのEGFR遺伝子変異の約12%を占めます2。 より一般的なEGFR遺伝子変異(エクソン19欠失変異およびL858R変異)とは異なり、エクソン20挿入変異は標的治療薬による治療が困難で、患者さんは治療選択肢が限られ、副作用への対処も難しく、予後も不良でした。これまで、全生存期間中央値は約16~24カ月で、5年生存率はわずか8%と報告されています3,4,5。
ライブリバント®は、ファースト・イン・クラスの二重特異性抗体で、腫瘍の増殖および治療抵抗性の2つの主要因であるEGFRおよび間葉上皮転換(MET)を同時に標的とし、免疫系にも働きかけるよう設計されています6,7,8,9。 現在、一般的なEGFR遺伝子変異(エクソン19欠失変異およびエクソン21 L858R置換変異)ならびにエクソン20挿入変異を有する進行性NSCLC患者さんに対し、一次治療および二次治療で承認されています10。
これまで治療が困難であった肺がんの生存期間延長について、専門家および当社の見解
「EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性肺がんの治療は大きく進歩してきました。今回の結果は、ライブリバント®と化学療法の併用療法が患者さんの生存期間延長に持続的な効果をもたらし得ることを示しています」と、MedStar Georgetown University Hospitalの胸部腫瘍学部門ディレクターであるChul Kim, M.D., M.P.H.*は述べています。「患者さんが治療開始から数年を経ても治療を継続していることは、このアプローチによる効果の持続性と、本疾患の一次治療としての価値を示しています」
「当社は長年にわたり、ライブリバント®が病勢進行や治療抵抗性をもたらす主要因に作用することで、EGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんの治療の見通しを変え得ると考えてきました」と、Johnson & JohnsonのOncology担当Global Therapeutic Area HeadであるYusri Elsayed, M.D., M.H.Sc., Ph.D.は述べています。「今回、この患者集団で最長の生存期間が示されたことで、一般的なEGFR遺伝子変異、非典型的EGFR遺伝子変異およびエクソン20挿入変異に関するエビデンスがさらに蓄積され、本レジメンが治療の基盤としての位置付けをさらに確立しました」
全生存期間の詳細結果
プロトコルで規定された最終解析では、ライブリバント®と化学療法の併用療法群の全生存期間中央値は約3年(34.3カ月)で、化学療法単独群では約2年(27.9カ月)でした(ハザード比[HR]0.87、95%信頼区間[CI]0.66~1.14、P=0.307)。化学療法群からライブリバント®へのクロスオーバーを考慮した、事前に規定された解析では、ライブリバント®と化学療法の併用療法による全生存期間の有意な改善が示され、死亡リスクが43%低下しました(HR 0.57、95% CI 0.39~0.82、名目上のP=0.003)1。
長期追跡により、持続的なベネフィットがさらに裏付けられ、ライブリバント®と化学療法の併用療法は、化学療法単独と比較して最初のランダム化から後続治療後の病勢進行又は死亡までの期間(PFS2)を10カ月超延長しました(28.3カ月対17.5カ月、HR 0.59、95% CI 0.45~0.77、P<0.0001)。データカットオフ時点で一次治療を継続していた患者さんは、化学療法群では0%であったのに対し、併用療法群では12%でした。患者さんの報告アウトカムでも併用療法群が良好で、化学療法単独と比較して、肺がんの主要な複数の症状が悪化するまでの期間が延長しました1。
ライブリバント®と化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、予防的支持療法が導入される前の試験で報告されたものと一致しました。30%以上の患者さんに認められた主な治療関連有害事象は、爪囲炎(60%)、好中球減少症(60%)および発疹(58%)でした1。
今回の全生存期間の結果は、PAPILLON試験の主要解析で得られた知見をさらに裏付けるものです。主要解析では、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の進行性NSCLC患者さんの一次治療において、ライブリバント®と化学療法の併用療法は化学療法単独と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間について、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善(病勢進行又は死亡のリスクを60%低減)を示しました。主要解析における臨床的ベネフィットは、脳転移を有する患者さん、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異のバリアントを有する患者さん、TP53共変異を有する患者さんなど、主要な患者サブグループで一貫していました。これらの結果は本治療レジメンの世界各国・地域での承認の根拠となったほか、主要解析結果は『The New England Journal of Medicine』にも掲載されました11。
WCLC 2026で発表された追加データは、ライブリバント®およびリブロファズ®配合皮下注(アミバンタマブ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))に関する継続的なイノベーションを示しています。これらのデータでは、治療体験の改善と患者さんの長期的な治療継続を目指すアプローチも示されています。具体的には、主な治療関連事象の低減を目的としたCOPERNICUS試験(Abstract #MO12.09)の予防的支持療法と、PALOMA-2試験(Abstract #PT2.03.06)で評価された皮下投与です。
PAPILLON試験について
PAPILLON試験(NCT04538664)は、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異を有する進行性又は転移性NSCLCと新たに診断された患者さん308例を対象として、ライブリバント®と化学療法を併用した場合の有効性および安全性を化学療法単独群と比較評価する無作為化非盲検第III相試験です。本試験の主要評価項目は、盲検下独立中央評価(BICR)により評価した無増悪生存期間(PFS、RECIST v1.1ガイドライン§に基づく)です。副次評価項目は、全奏効率(ORR)、初回後続治療後のPFS、症候性病勢進行までの期間、全生存期間(OS)です。化学療法単独を受けた患者さんは、病勢進行が確認された後、二次治療としてライブリバント®単剤療法を受けることが認められていました。
化学療法単独群に無作為に割り付けられた患者さんは、BICRで病勢進行が確認された後、二次治療としてライブリバント®単剤療法へクロスオーバーすることが認められていました。本試験では、このように対照群の患者さんに病勢進行後のクロスオーバーを認めるデザインが採用されています12。
非小細胞肺がん(NSCLC)について
世界的に見て肺がんは最も多くみられるがんの1つであり、すべての肺がんのうちNSCLCは80~85%を占めます14,15。NSCLCの主なサブタイプには、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんがあります15。NSCLCにおける最も一般的なドライバー遺伝子変異の1つは、細胞の増殖や分裂をコントロールする受容体型チロシンキナーゼであるEGFR遺伝子の変異です16。腺がん組織型のNSCLCでは、欧米人患者さんの10~15%、アジア人患者さんの40~50%にEGFR遺伝子変異が認められます16-19。EGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はEGFR遺伝子L858R変異は、EGFR遺伝子変異の中で最も一般的な変異です20,21。EGFR TKIによる治療を受けたEGFR遺伝子変異陽性の進行性NSCLC患者さんの5年生存率は20%未満です22。EGFR遺伝子エクソン20挿入変異は、3番目に多いEGFR遺伝子を活性化する変異です23。実臨床の一次治療におけるEGFR遺伝子エクソン20挿入変異を有する患者さんの5年生存率は8%であり、EGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はEGFR遺伝子L858R置換変異を有する患者さんの19%と比較して低くなっています21。
リブロファズ®およびライブリバント®について
2025年12月、米国FDAは、点滴静注製剤ライブリバント®(アミバンタマブ)のすべての適応症を対象に、リブロファズ®配合皮下注(アミバンタマブ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、米国販売名:RYBREVANT FASPRO™)を承認しました。この皮下投与製剤は、欧州、日本、中国などの国・地域でも承認されています。
リブロファズ®配合皮下注は、Halozyme社のENHANZE®ドラッグデリバリー技術である遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼPH20(rHuPH20)と共に製剤化されています。
リブロファズ®配合皮下注の有効性は、ライブリバント®を対象とした適切かつ十分に管理された試験に基づき確立されています。MARIPOSA試験を含む複数の第III相試験のデータにより、EGFR遺伝子変異を有する進行性NSCLCにおいて、ライブリバント®がPFSおよびOSを改善するという臨床的ベネフィットが示されています。
ライブリバント®は、EGFR遺伝子エクソン19欠失変異、エクソン21 L858R変異又はエクソン20挿入変異を有するNSCLC患者さんを対象に、単剤療法として、又はラズクルーズ®(ラゼルチニブ)もしくは化学療法との併用療法として、一次治療2適応、二次治療2適応の計4適応で米国、欧州などで承認されています。
ライブリバント®は、EGFR及びMETを標的とし、免疫細胞を介した作用もあるファースト・イン・クラスの完全ヒト型二重特異性抗体です。
National Comprehensive Cancer Network®(NCCN®)のClinical Practice Guidelines in Oncology(NCCN Guidelines®)‡iでは、アミバンタマブ(ライブリバント®)がさまざまな治療場面で推奨されており、最近では、EGFR遺伝子エクソン19欠失変異又はエクソン21 L858R変異を有する局所進行性又は転移性NSCLC患者さんの一次治療として、ラゼルチニブ(ラズクルーズ®)と併用する場合、NCCNカテゴリー1で優先的に推奨される治療選択肢に位置付けられています。アミバンタマブ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)皮下注射(リブロファズ®配合皮下注)は、アミバンタマブ点滴静注製剤(ライブリバント®)に代えて使用することができます。詳細は最新のNSCLCに関するNCCN Guidelines®をご参照ください§‖。
NCCNの中枢神経系腫瘍ガイドラインでも、ラゼルチニブ(ラズクルーズ®)との併用療法をはじめとするアミバンタマブ(ライブリバント®)を含むレジメンが、EGFR遺伝子変異を有するNSCLCで脳転移のある患者さんに対してNCCNが優先的に推奨する唯一の併用療法選択肢として位置付けられています§‖。
ライブリバント®の法的製造業者(legal manufacturer)はヤンセン・バイオテック社です。詳細はwww.RYBREVANT.comをご覧ください。
* Dr. Chul Kim, M.D., M.P.H., は、J&Jのメディア活動(本プレスリリース)にご協力いただいておりますが、報酬は発生しておりません。
† **RECIST(version 1.1)**とは、**固形がんにおける治療効果判定のための標準的な評価基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)**であり、腫瘍が縮小したか、変化がないか、または増大したかに基づいて治療効果を評価するものです。
‡ NCCNコンテンツは医学的助言を提供するものではなく、医療従事者による専門的な医学的助言、診断または治療の代替として使用すべきではありません。 NCCNは、そのコンテンツ、その使用または適用に関していかなる保証も行わず、その適用または利用に関して一切の責任を負いません。
§ その他の治療選択肢を含む詳細な推奨事項については、NCCNガイドラインをご参照ください。
|| NSCLC(非小細胞肺癌)に関するNCCNガイドラインでは、検査すべき特定のバイオマーカーおよび推奨される検査手法について記載されていますが、特定の市販バイオマーカー検査や商業検査機関を推奨するものではありません。
参考リンク
・リブロファズ®配合皮下注、EGFR標的治療薬として4週に1回投与※の用法及び用量の追加承認を日本で取得
・「リブロファズ®配合皮下注」と「ラズクルーズ®錠」の併用療法 EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん治療において治療の利便性を向上
・「ライブリバント®点滴静注」と「ラズクルーズ®錠」の併用療法 国際共同第III相MARIPOSA試験アジア人集団解析の結果 治療中止までの期間および2次治療後の病勢進行までの期間において改善傾向を示す
・ライブリバント®の皮下投与製剤「リブロファズ®配合皮下注」 製造販売承認を取得
・添付文書: RYBREVANT FASPRO, RYBREVANT / LAZCLUZE
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