特集:「平和と人権ウィーク」(8/1-12)
あらゆる差別をなくし、互いを尊重し合う社会を実現するために
2025年7月27日
EXPO2025 News Vol.8
大阪・関西万博メディアセンター
特集:「平和と人権ウィーク」(8/1-12) あらゆる差別をなくし、互いを尊重し合う社会を実現するために
世界で紛争が続き分断が広がる時代に、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げて開催している大阪・関西万博。テーマウィークでは、8月1日から12日まで「平和と人権」ウィークを開催します。
「あらゆる差別をなくし、互いを尊重し合う社会を実現するために、世界は何をすべきか?」この問いに向き合う、様々なイベントやセッションを予定しています。本号では、「アジェンダ2025」主催プログラムほか、このテーマを身近に捉えていただける、多彩なイベントの一部をピックアップします。
世界と共に創る、いのち輝く未来社会
テーマウィーク「平和と人権」 アジェンダ2025主催プログラム
テーマウィークは、世界中の国々が地球的規模の課題の解決に向け、対話によって「いのち輝く未来社会」を世界と共に創造することを目的に行う取り組みです。大阪・関西万博では、メインテーマをより具体的に表現するために3つのキーメッセージ「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」を設定しています。テーマウィークの8つのテーマは、それぞれが上記3つのメッセージと密接に関係しています。 https://theme-weeks.expo2025.or.jp/
【アジェンダ2025 主催プログラム】
「アジェンダ2025」は、2025年日本国際博覧会協会が主体となって、テーマウィークの8つのテーマを通して行うシリーズプログラム。8月1日から12日は「平和と人権」のテーマウィークになります。
ここでは、博覧会協会と全体協賛者が連携して企画実施する「主催プログラム」について紹介します。「平和と人権」をめぐる、様々なセントラルクエスチョンを中心に、多彩なゲストとともにトークセッションが展開されます。
☞ 「人権の保障・尊厳」
■日程=8月12日(火)10時~12時(開場 9時30分)
■場所=テーマウィークスタジオ
https://theme-weeks.expo2025.or.jp/program/detail/66e2dacf9ab97.html
偏見・差別・アンコンシャスバイアスを克服し、あらゆる人が人権を尊重・保障されるために、今我々が考えるべきことは何か。
☞ 「平和の構築・実現」
■日程=8月12日(火)13時30分~15時30分(開場 13時)
■場所=テーマウィークスタジオ
https://theme-weeks.expo2025.or.jp/program/detail/66e2dd5c3286b.html
国・人種・宗教間において対立が継続する中、立場を超えた平和構築に向け我々が実現すべきことは何か。
☞ 「労働市場における格差是正」
■日程=8月12日(火)17時~19時(開場 16時30分)
■場所=テーマウィークスタジオ
https://theme-weeks.expo2025.or.jp/program/detail/66e2df5e9467b.html
あらゆる職場でInequityを解消し、異なる属性の人々が平等な機会を得て、健全な企業の成長を実現するためには、どのような (企業・行政の) 施策が必要か。
【その他イベント(一部)】
☞シグネチャープログラム 「スライム楽器ワークショップ — playful steAM —」
■日程=8月4日(月)10時30分~12時30分(開場 10時) ■場所=いのちの遊び場 クラゲ館
テーマ事業「いのちを高める」のパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」で繰り広げる、身体的でさまざまな感覚を伴う Playful Inclusive STEAM Workshop の一環として開催します。
☞トラックプログラム
「国連を支える世界こども未来会議
FUTURE SUMMIT みらい総会」
■日程=8月6日(水)10時30分~19時(開場 10時)、
8月7日(木)9時30分~18時30分(開場 9時)
■場所=西ゲートゾーン EXPO メッセ「WASSE」
https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/106eb632-2ddd-4c2a-a264-7a34dc71291e
世界中の子どもたちが集い、SDGsを軸に各テーマのディスカッションを行う「世界こども未来会議FUTURE SUMMITみらい総会」を開催。広島平和記念日の8月6日には、国内のこどもたちとUNISのこどもたちによる、「ピースコミュニケーション宣言」を発表し、エンターテインメントコンテンツやイベントブースも用意しています。
会場演奏と約30か国のアーティストによる合唱をオンラインでつなぐ
【「TEAM EXPO 2025」共創チャレンジ】
「グローバル・クワイア 『世界平和のために』」
■日程=8月9日(水) ■開演時間=1回目12時~、2回目15時30分~、3回目18時30分~
■場所=エンパワーリングゾーン フェスティバル・ステーション
https://team.expo2025.or.jp/ja/challenge/1687
世界約30か国のミュージシャンがオンラインとリアルで同時に歌う「グローバル・クワイア(合唱)・コンサート」が8月9日(長崎原爆の日)にフェスティバル・ステーションで開催されます。
グローバル・クワイア開催イメージ(写真提供:SWP)
主催は、世界中から音楽の力で平和を提唱するために集ったミュージシャン、プロデューサーたちによる全員ボランティアの任意団体「 Songs for World Peace ( SWP )」。
同団体を2020年に立ち上げたのはコンテンポラリー音楽の名門「バークリー音楽大学」で出会った3人の音楽家たち。現在はそのうちの二人、中山よしえさんと遠山歌子さんが中心となって運営しています。
「バークリー音楽大学は、学生の約40%が留学生という国際的な環境。日々の生活そのものが国際交流の連続です。そういった中、世界各地のニュースや社会課題が非常に身近に感じられるようになったこと。それがSWPの原点のひとつです」と中山さん。「異なる文化的背景や言語、視点から生まれた『平和の歌』を世界中から発信することで、違いを争いの理由にするのではなく、平和への想いを分かち合い、共鳴を生み出したいと考えました」と続けます。SWPでは、これまでも世界90か国以上のアーティストが自国の言語と視点で「平和」をテーマにしたオリジナル曲を100曲以上制作。公式YouTubeチャンネル(※1)を通して発表してきました。
本コンサートでは、「ひろしま平和の歌 英語版」(※2)をはじめ、平和をテーマにした楽曲を中心に、全9曲を披露する予定。特に目玉は、世界約30か国のアーティストがオンラインで参加し、会場からの参加者と一体となって披露するオリジナル楽曲「Plant And Care For Peace」の合唱です。当日会場ではイギリス・スペイン・ケニア・アメリカ・日本等、国際色豊かなボーカリスト達がステージに立ち、オンラインで結ばれた世界のアーティストたちと一体となって合唱を行います。(同曲は1回目公演12時~、3回目公演18時30分~で披露予定)
この取り組みを計画するにあたり、最も悩んだのが「音声遅延」の問題です。世界のあらゆる場所から大勢のアーティスト達が同時に合唱に参加するため、絶対に避けられない問題でした。「(音声遅延の問題に対して、)音楽家として何ができるか徹底的に考えた結果、この楽曲が誕生しました。ハーモニーや音の配置を工夫し、オンラインによる合唱遅延が発生しても、音全体が美しく響くように作曲しています」と中山さん。「私は海外で音楽を学び、音楽を通して共感性や友情が育まれることを経験しました。しかし現実には誰もが海外で音楽を学べるわけではありません。だからこそオンラインという形であれば時間的、身体的、経済的な制約を越えて人とつながれる。このコンサートで、より多くの方々に音楽を通して『世界中に友達をつくる』体験をしてほしいのです」と、楽曲に込めた思いを話してくれました。
8月9日、世界中から集まった平和への想いが込められた歌が、大阪・関西万博会場に響きます。
【グローバル・クワイア 「世界平和のために」】プレイベントのご紹介
■日時=8月4日10時~21時 ■場所=フューチャーライフヴィレッジ
https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/e62d0e03-a47d-4871-8ad4-8ce45bd8b9ac
本事業は「TEAM EXPO 2025(※3)」共創チャレンジの取り組みの一つです。プレイベントでは、SWPのこれまでの取り組みを動画やパネル展示で紹介するほか、16時からはトークショーを開催。「グローバル・クワイア」制作の舞台裏についても紹介します。
(写真提供:SWP)
中山よしえ 作編曲家、音楽プロデューサー、教育者。国立音楽大学音楽教育専攻卒業。バークリー音楽大学より奨学金を受け、コンテンポラリー・ライティング&プロダクション(現代音楽作曲&制作)専攻より最優等(Summa Cum Laude)卒業。2020年に国際平和音楽イニシアチブ「Songs for World Peace」を共同創設。2021年にバークリー音大コンテンポラリー・ライティング&プロダクション学科の助教授となり、2023年から同学科のアシスタント・チェア(副学科長)を務めている。
(写真提供:SWP)
遠山歌子 作曲家、アーティスト、プロデューサー、教育者。大阪出身。現在ロンドンを拠点に活動中。バークリー音楽大学より奨学金を受け、コンテンポラリー・ライティング&プロダクション専攻を卒業。大阪スクールオブミュージック専門学校で学び、ゴスペルクラスを通して多様な人々と共に歌うことの喜びと力を体感。世界各国の音楽家と交流する中で「音楽に友達を作ってもらう」という経験を通して、人と人とのつながりが国境を越えることを実感し、 2013 年にグローバル・コレクティブ・バンド SkyBridge を設立。音楽を通じて共感と対話を生み出すというコンセプトのもと、 47 か国以上の音楽家や、グラミー賞受賞アーティスト Victor Wooten 、 Mark Walker らと共演し、参加型パフォーマンスを展開している。
(※1)SWP公式Youtubeチャンネル https://www.youtube.com/c/songs4worldpeace/videos
(※2)広島市を世界平和の原点にしようという願いを込めて、昭和22年広島平和祭協会が歌詞を一般公
募。これに山本秀氏が曲をつけて完成した楽曲。同年第1回平和際で合唱され、今日の平和記念式
典にまで歌い継がれています。 https://x.gd/9c3YC
(※3)「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現し、SDGsの達成に貢献するために、国内外のすべての
人々が参加主体となり、理想とする未来社会を共に創り上げていく活動を促進する、当博覧会のプ
ログラムです。 https://team.expo2025.or.jp/ja/index
紛争下にあるウクライナ女性アーティストの声を世界に届けます
ベルギー・パビリオン「平和と人権ウィーク」イベント内
「戦争の中の女性(アーティスト)」
■日程=8月5日(火)17時~ (ウクライナ・ナショナルデー)
※ベルギーパビリオン「平和と人権ウイーク」は8月3日(日)~8日(金)
■場所=ベルギーパビリオン
ベルギーパビリオンでは、「平和と人権ウィーク(8/1~12)」に合わせて、8月3日(日)からの6日間、世界から集まった登壇者による、心を動かす対話、パフォーマンス、出会いを生み出すイベントを開催。ジェンダー平等、クィアの可視化、反人種差別、そして包摂的な未来をテーマに、より深い共感と理解を育む機会を提供します。
注目は、ウクライナ・ナショナルデー8月5日(火)にあわせて開催されるパネルディスカッション「戦争の中の女性(アーティスト)」。紛争下のウクライナにおいて、あるいはその影響を受けながら創作を続ける女性アーティストたちの声に耳を傾け、「破壊の中で、創り、語り、代表するということの意味とは何か?」を掘り下げます。さらに同日19時30分からは、ウクライナ人アーティストのアンドゥ・デスポット(Undo Despot)さんによるセッションも予定されています。
被爆80年。いのち輝き、おいしい!があふれる広島のピース&エナジー
RE:WORLD HIROSHIMA
■日程=8月5日(火)~9日(土) 終日開催、■場所=東ゲートゾーン ギャラリーEAST
https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/3b9a763a-2835-40bf-bf01-09beefdea600
被爆80年となる本年、大阪・関西万博に登場する広島県ブース「RE:WORLD HIROSHIMA」では、平和への揺るぎない信念を胸に「広島の再構築」を成し遂げた経験と自負、そして溢れるほどのエナジーをお届けします。今回特別に制作したカラフルなキャラクターたちとともに、皆様をお迎えします。
ブース中央には、広島のエナジーを全身で浴びる事の出来る、インタラクティブコンテンツをご用意しました。元気いっぱいの広島の魅力を全開で感じていただけます。
またエナジーゾーンでは、万博限定のオリジナルお好み焼味ふりかけ作りやオリジナルコースター作り、県内23市町のノベルティがゲットできるゲームなど、広島の魅力を知ることができるたくさんの体験をご用意しました。
さらにピースゾーンでは、被爆の実相と未来へ平和をつなぐ取り組みを紹介。「平和記念公園」で実施している「PEACE PARK TOUR VR」の一部も特別に出張開催します。史実をベースに作られた360度VR映像を通して、当時の広島にタイムスリップ。被爆前の街並み、そして焼け野原になった「あの日」、さらに現代に至るまでの復興の道のりを追体験いただけます。さらに、みんなの思いが込められた折り鶴で、平和への願いを世界に届けるワークショップも開催します。
直近の注目イベント
開催直前!国内43地域がコラボレーション。 真夏の万博会場に、雪の「かまくら」(秋田県横手市)を再現!!
「LOCAL JAPAN展」 正式名称: 「Resolution of local展」 ~地域が創る日本と地球のいのち輝く未来~
日時:2025年7月28日(月)〜7月31日(木) 10時〜20時
場所:西ゲートゾーン EXPOメッセ「WASSE」
https://mayoralalliance.jp/localjapan2025/
「2025年日本国際博覧会とともに、地域の未来社会を創造する首長連合」は、全国約670の市区町村長からなる自治体ネットワークです。大阪・関西万博を契機として、日本中の首長、政府、多様な業界の企業と連携し、地域ならではの魅力を日本中、世界中に発信。”いのち輝く未来社会のデザイン”を通して、日本全体の発展を目指し「Resolution of LOCAL JAPAN展 〜地域が創る日本と地球のいのち輝く未来〜」(愛称:LOCAL JAPAN展)をEXPOメッセ「WASSE」で開催します。
東北から沖縄まで全国43地域(25都道府県)が、6つのテーマ、14の共創コンテンツで、地域や文化、世代を超えてコラボレーション。ブースやステージ演出を通して、地域にあふれる魅力を五感で楽しみ、味わっていただく体感型イベントです。
■ナショナルデー/スペシャルデー
「大阪・関西万博」の会期中、ほぼ毎日繰り広げられる「ナショナルデー/スペシャルデー」。
国ごとにテーマを定め、公式式典や多彩な文化プログラム、パレードなどが開催されています。
8月6日(水) ジャマイカ
8月8日(金) 東南アジア諸国連合
※パレード実施予定(15:00~15:30、ポップアップステージ東内付近出発)
8月9日(土) ペルー共和国
8月10日(日) カザフスタン共和国
8月11日(月) トリニダード・トバゴ共和国