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あらゆる電気エネルギーを大切にする ― 電気自動車の航続距離を伸ばすシェフラーの取り組み

シェフラーの技術革新は、電気自動車の航続距離の延長のほか、航続距離を犠牲にしない快適性機能を実現
高効率なホイール軸受とトランスミッション軸受が摩擦を低減し、損失を大幅に削減  
インテリジェントで高度に統合されたサーマルマネージメントコンポーネントとシステムが、EVの航続距離を最大50km延長

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202309079078-O1-E37pDTK5

世界各地で、ますます多くの電気自動車が走行するようになっています。ドイツでは、2023年7月に販売された新車の5台に1台が、バッテリー式電気自動車です。しかし、電気自動車の航続距離はよく指摘される問題であり、欧州ではEV/ハイブリッド車のドライバーの2人に1人が、所有車に対する懸念事項のトップ3の1つとして航続距離を挙げています(出典  Shell EV-Driver-Report 2023)。その上、バッテリーの電力を消費するのはモータだけではありません。特に冬期は、様々な快適性機能が航続距離を犠牲に電力を消費します。シェフラーはこの点について多くの取り組みを行っています。シェフラーのオートモーティブ・テクノロジー事業部CEOのマティアス・ツィンクは次のように説明しています。「シェフラーは航続距離に対する不安を払拭するソリューションを開発しています。シェフラーの完全電動化パワートレイン向けスマート技術ソリューションと幅広いコンポーネントやシステムが、電力消費を抑え航続距離を伸ばし、電気自動車の日常生活における実用性を向上させます」。こうした技術の採用で、ドライバーは充電頻度を減らすことができます。車両アプリケーションの設計によっては、車両メーカーはその省エネ効果を利用して、バッテリーを小型化して車両の費用対効果を高めたりすることができます。

高効率な軸受ソリューション
すべての自動車には軸受が必要であり、電気自動車も例外ではありません。そのため、電気自動車の航続距離を延長する鍵となる方法の1つは、摩擦損失を減らすことです。本来であれば車両の動力源として使用されるはずのエネルギーが、軸受の摩擦により熱として失われてしまうのです。シェフラーは、この問題を解決するソリューションを開発しました。シェフラーの「高効率トランスミッション軸受」は、従来の軸受ソリューションに比べ摩擦を大幅に低減し、約50Wの省エネ効果を発揮します。これは航続距離の延長に直結します。また冬期には、この50W(注参照)の電力をサイドミラーやステアリングホイールの加熱に充てることができ、航続距離を損なうこともありません。同様に重要な点として、シェフラーのEVトランスミッション軸受は、電気駆動トランスミッションのインプットシャフトの高速回転に対応する特殊な改良を施しているため、最適な耐荷重性を実現しています。

航続距離のさらなる延長を図るために、シェフラーは「TriFinityホイール軸受」を提供しています。ホイール軸受は、電気自動車のシャシーを構成する部品です。この軸受がドライブシャフトとアクスルをガイドし支持することで、高い機械的負荷がかかっても車輪は最小限の抵抗で回転することができます。ホイール軸受は、通常運転時にも大きな負荷を受けます。そして常に動き続け、18万km走行するごとに約1億回回転します。シェフラーのTriFinityホイール軸受は、従来の軸受に比べ、摩擦損失を67%削減します。これは200W以上の省エネに相当し、バッテリー容量120kWのフル充電した電動SUVであれば、航続距離がおよそ20km延長することを意味します。また、冬場には、この200W(注参照)を運転席と助手席のシートヒータに使うことも可能で、航続距離を損なうこともありません。シートヒータシステムは、急速加熱時に1シートあたり約100Wの電力を消費しますが、TriFinityホイール軸受がその省エネ効果を永続的に発揮します。さらに、3列玉軸受のTriFinityホイール軸受は、標準的な2列玉軸受と比較して、同じ軸受寸法で約10%の軽量化を実現しているほか、長寿命化も達成しています。加えて、20%以上の高剛性化も果たしたことで、より大きなアクスル荷重を伝達することができ、特に重量の大きい電気自動車では重要な利点となります。

サーマルマネージメントで航続距離の不安を解消
サーマルマネージメントは航続距離向上の大きな可能性を秘めており、シェフラーは15年ほど前からこの分野におけるソリューション開発を進めてきました。2011年より、シェフラーは複数のOEMにサーマルマネージメントソリューションを提供しています。「特に電気自動車では、サーマルマネージメントが航続距離や快適性など、エンドユーザーが重視する多くの機能に決定的な影響を与えるため、自動車メーカーにとってますます重要な競争力要因となっています」とシェフラーのEモビリティ部門責任者であるヨッヘン・シュレーダー博士は述べています。シェフラーは、汎用性の高いマルチアプリケーションコンポーネントから、高度に統合されたサーマルマネージメントシステム、さらにはモータ、トランスミッション、パワーエレクトロニクス、サーマルマネージメントを1つの最適化されたユニットにまとめた「4in1 電動アクスル」まで、さまざまなソリューションを開発しています。4in1 電動アクスルは、分散型のサーマルマネージメントシステムで必要とされるホースやケーブルが不要なため、エネルギー損失が減少します。また、部品点数が少ないため軽量で、車両メーカーによる取り付けも容易です。この完全に統合されたソリューションは、バッテリーを含むパワートレインを適正温度に維持し、航続距離と充電速度のさらなる向上にも寄与します。また、乗員の快適性や適切な車内温度の維持にも貢献します。4in1 電動アクスルは、4つのサブシステムの最適な相互作用により、バッテリー容量75kWhの小型電気自動車では、走行距離100kmあたり約1kWhの電力を節約することが可能です。これは航続距離をおよそ7%、距離にして約36㎞延長することを意味します。

シェフラーはまた、4in1 電動アクスルに組み合わせたり、独立したコンポーネントとして使用できる新しいタイプのヒートポンプも開発しています。ヒートポンプは、周辺大気の熱エネルギーや、モータ、パワーエレクトロニクス、バッテリーからの廃熱を利用可能な加熱エネルギーに変換します。ヒートポンプの利用で、冬の寒冷期に特に重要となるバッテリー電力を節約することができます。バッテリー容量75kWhの分散型サーマルネージメントを使用した小型車と比較すると、4in1 電動アクスルとヒートポンプシステムを搭載した同型車は、走行距離100kmあたり約4kWhの省エネ化が可能です(外気温マイナス7℃の条件下WLTCサイクルで測定)。これは航続距離を17%、距離にして48km延長することを意味します。あるいは、節約した電力をシートヒータ、ステアリングヒータ、サイドミラーヒータ、リアウィンドウヒータ(合計電力消費量は約410W、注参照)などに使用し、快適性や安全性を向上させることもできます。シェフラーのヒートポンプシステムのもう一つの利点は、自然界に存在する冷媒用二酸化炭素(R744)を使用していることで、従来の冷媒(Rf1234yf)に比べ、環境への負荷ははるかに少ないとされています。R744は不燃性で、温室効果ガスとなる可能性も低く、オゾン層を破壊しません。自動車メーカーと車両オーナーにとって、こうした技術の利用は気候保護と未来への投資になると言えるでしょう。

注  車両機能の消費電力基準値(出典  ADAC

 
      
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202309079078-O3-v4KgaRG8
写真 シェフラー(SevenM)

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202309079078-O2-Hva1I6CI

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202309079078-O4-RSZTeAqT

 
ドイツ・ミュンヘンで開催される「2023 IAA Mobility」でシェフラーブースにお立ち寄りください
ミュンヘンエキシビションセンターで開催される今年の「IAA Mobility」国際モーターショーで、シェフラーは持続可能で効率的かつ快適なモビリティを実現する新技術をフルラインナップで展示します。電動カーゴバイクを使った市街地宅配ソリューション、新しいタイプのステアリングシステム、高効率な電動・水素駆動、新しいモビリティコンセプトなど、その他にも多くの新技術を披露します。

シェフラー記者会見
2023年9月4日(月)11:00~11:20(CEST/中央ヨーロッパ夏時間)
シェフラーAG最高経営責任者(CEO)のクラウス・ローゼンフェルドとシェフラーAGオートモーティブテクノロジー最高経営責任者(CEO)のマティアス・ツィンクが、ホールB3のシェフラーショーケースB40およびオンラインライブ配信にてメディア向けに講演しました。シェフラーの記者会見には、VDL Groepのエグゼクティブ・バイスプレジデント、ポール・ファン・ビューレンがゲストとして出席しました。
ビデオ録画(英語)

IAAカンファレンスでのシェフラー
2023年9月6日(水)16:00~16:45、ホールA1メインステージ。
セッションテーマ 「Towards a Sustainable Automotive Value Chain – Ambitions, Challenges & Collaboration(持続可能な自動車バリューチェーンに向けて ― 大志、課題、そしてコラボレーション)」
パネリストの1人としてシェフラーAGオートモーティブ・テクノロジー事業部CEOのマティアス・ツィンクが登壇しました。

2023年9月7日(木)15:00~15:45、ホールA2ビジョナリークラブハウス。セッションテーマ 「Here to innovate: revolution needs cooperation! Disruptive thinking, new technologies, new vehicle concepts – partnerships as enablers for innovation and change(革新のために ― 大改革には協力が必要だ!破壊的思考、新技術、新しい車両コンセプト – 革新と変革のイネーブラーとしてのパートナーシップ)」
登壇者はラルフ・ブッセ(mocci | CIP MOBILITY GmbH)、カーステン・ハイネケ(McKinsey Center for Future Mobility)、デニス・ミュラー(Enchilada Franchise AG)、クラウス=ディエター・シリング(シェフラー)
シェフラーとmocciは、ホールA3のIAA Summitで開催される「IAA Experience」でも提携しています。当会場の「サイクリング&マイクロモビリティコース」で、来場者はシェフラーの駆動技術を採用したmocciの電動カーゴバイクに試乗することができます。IAA Experienceは9月4日から8日までの期間、毎日9:00から18:00までオープンしています。

 
シェフラーグループ – We pioneer motion
シェフラーグループは、75年以上にわたり、モーション・テクノロジーの分野で画期的な発明と開発を進めてきました。電動モビリティ、CO₂効率の高い駆動、シャシーソリューション、インダストリー4.0、デジタル化、再生可能エネルギーに関する分野で、革新的な技術、製品、サービスを提供するシェフラーグループはライフサイクル全体にわたり、モーションをより効率的でインテリジェントで持続可能なものにするための信頼できるパートナーです。モーション・テクノロジー企業である当社は、高精度な駆動トレインとシャシーアプリケーション用のコンポーネントとシステム、および多くの産業機械用の転がり軸受や滑り軸受のソリューションを製造しています。2022年には、シェフラーグループは158億ユーロの売上を上げました。約84,000人の従業員を抱えるこの企業は、世界最大の同族企業の1つです。2022年には1,250件以上の特許出願があり、シェフラーはドイツのDPMA(ドイツ特許庁)によれば、最も革新的な企業の4番目に位置しています。

あらゆる電気エネルギーを大切にする ― 電気自動車の航続距離を伸ばすシェフラーの取り組み | プレスリリース | シェフラージャパン (schaeffler.co.jp)

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