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ミャンマー経済セミナー(2012年7月10日開催) 「ウィン・ミン商業相」のスピーチ

本日のセミナーに興味を持ち、出席いただいた企業の皆様、私の同僚であるミャンマーの企業関係者の皆様に、感謝の意を表したいと思います。

私たちミャンマーと日本は、昔から友好関係であり、互いに尊重し合う、友好的な関係を築いてきました。私たちの友人である日本のミャンマーに対する支援や援助を、先ほど岡田審議官がお話しされた通りの日本に対する債務の免除などの形で見せていただいたことについて、ミャンマーの国民は大変感謝しております。

新政権について、少しお話させていただければと思います。新政権は誕生から15カ月がたちました。特に経済改革に関してですが、私は商業大臣であることから輸出入の簡素化を図りました。ヤンゴン日本人商工会議所から商業税、ヤンゴンでのオンライン免許取得、そして財務に関しては、税金の改革、為替レートの一元化などは、私が商工会議所会頭任期中に要請されました。要請されたことに関しては、新政権誕生後に、政府として国家として、為替レートの一元化等を世界銀行や国際通貨基金(IMF)の協力のもと、実行いたしました。以前は輸出する際10%の関税を払う必要がありましたが、現在は規制緩和により撤廃になりました。免許に関してもヤンゴンからオンラインで免許取得できるシステムを構築し、今後は免許不要のシステムへ徐々に移行していきたいと考えております。

先ほど岡田審議官からお話がありましたように、中古車に関しては、ミャンマーでの外貨口座をお持ちであれば輸入できるよう規制緩和しました。ご存知の通り、ミャンマーでは日本製の自動車が90%の割合を占めています。ミャンマーに訪れる際は日本にいるような感覚になるくらい、日本製の自動車多いと思います。

この経済セミナーのために調整していただいたキン・マウン・ティン駐日大使をはじめとする大使館職員の皆様も、私には多くの日本の友人がいますが、以前はその友人たちからミャンマーのビザ取得が難しい、とよく言われたことがありました。しかし、これからは、急用や大事なことがある場合は1日でビザを発行すると言っていただいております。先ほど話した通り、駐日大使としては商業ビザに関しては通常手続きでは3営業日、観光ビザは5営業日要します。以前はかなり難しい手続きだったと聞いております。

新政権誕生から15カ月の間、特に今年に入ってから世界中が驚くほど著しい改革を成し遂げてきました。新政権の改革により貿易量も150億ドルから180億ドルに増加しました。日本とミャンマーと貿易高は、2011年は5,000万ドルでしたが、8,000万ドルまで増加しました。しかし、輸入に関しては、自動車を含む様々な製品は日本から輸入しますので、日本は貿易では優位的な位置にあります。そのことから私たちミャンマーの商品や製品等も日本にたくさん輸入していただけるようお願いしたいと思います。

皆様がミャンマーで投資などを行う際は、農業を基本とする工業産業に是非参入していただきたいと思います。米を含む豆類や水産品等は、現在原材料としてしか輸出できておりません。今後はそれらに付加価値を付けて輸出していきたいと思いますので、ご協力頂きたいと思います。今朝、私は伊藤忠商事の社長と会談しました。私たちから胡麻を含む農産品を買うことを考えているならば、今すぐ覚書を交わすように話しました。品質やその他のことがすべてスムーズにいくように保証するとも言いました。

私が先ほど話した通り、ミャンマー人と日本人は、同じくアジア人であるし、基本的な精神も同じです。仏教徒であることも同じです。先ほど共同通信のインタービューを受けましたが、質問の中で大臣はなぜ日本に好意があって、日本との関係を構築しようとしているのかというものがありました。私は「日本人はミャンマー人と同じく真面目で、誠実で信頼できるからです」と答えました。日本人は真面目で誠実である以外に、性能や品質にこだわった仕事をする性質をもっているため、アジアの一流の国であるということは世界的に認められている。ミャンマーの場合は、様々な事由により、ミャンマーの事業家は、なかなかやりたいようにできなかったと思います。

私たちの国は独立して1948年以降、シンガポールをはじめとする東南アジア諸国の人々はショッピングにミャンマーを訪れるという時期もありました。私はいまだ覚えておりますが、私が子どものころのハン・ター・エー・ナイロン工場やシュエ・チー・ナイロン工業などは世界中に輸出をした当時は最先端の工場でした。ヤンゴンの空港も素晴らしかったし、ヤンゴン市もとても美しく、シンガポールなどからも見学に訪れることもありました。

当時はスポーツに関しても、サッカーのミャンマー代表チームはアジアのトップクラスのチームでありました。現在は隣国のラオスにも苦戦している状況です。しかしながら、幸運にも、新政権任期中にアジア大会の予選を突破することができました。私たちの夢と言いますか、私たちがアジアで一流の国であった時に戻れるようになるには、日本の協力・支援が不可欠です。

せっかくの機会ですので、政治改革のことを少し話したいと思います。私がミャンマー商工会議所の会頭を12年間勤めていたときは、日本・ミャンマー商工会議所ビジネス協議会合同会議の議長として、日本とミャンマーで相互に会議をしていました。日本の経済界の人々または日本政府関係者からミャンマーに訪れるときや、私が日本へ訪問したとき、政治関連の質問をされると、聞こえないふりをしないといけないときもありました。今は聞かれなくても、自分から進んで答えたいと思っております。

私たち新政権はアウン・サン・スー・チーさんの自宅軟禁を解除しました。

そして政党結成を許可しました。4月1日に新政権は公正な選挙を実施いたしました。そういった公正な選挙であるがために、アウン・サン・スー・チーさんの政党は圧勝しました。現在はアウン・サン・スー・チーさんと政党の当選者たちが活動の場を国会に移したところです。同じく、政治犯等受刑者の恩赦と釈放を5回行ってきました。最近では私が今回来日する少し前のことです。最近までメディアの自由や言論の自由はありませんでしたが、新政権が誕生してからメディアの自由、表現の自由、思想の自由や言論の自由が実現できました。

新政権は、特に国内の和平交渉を重視しております。現在カチン族勢力と交渉しているところですが、かなりの進展が見えてきております。ミャンマーの西側に位置するラカイン州の問題も解決しつつあると思います。平和で美しく、経済成長の国を目指すという大統領の指針の下、さまざまなことを行っているところです。

私たちの国は農業を基本とした国であり、人口の約70%以上が農業に従事していることから、現在の米をはじめとする農作物の価格下落は、農民の生活を圧迫しております。私が先ほど言った通り、私たちは農産品の輸出を拡大したいと思っております。またそれらに付加価値を付けていきたいと思っております。現在使用中の苗等の品種改良も行っていきたいと思っております。現在ミャンマーにある精米工場等の一部は老朽化しており、私よりも年を取っている年代物です。

これから経済産業大臣に表敬訪問を致しますが、訪問の際、精米工場を修理するローンなどもお願いしたいと思っております。事業者には政府の責任で精米工場や製油所の修理や設備更新等を行ってあげたい、ということも来日の一つの理由であります。ミャンマーは天然資源が豊かな国です。安価な労働力も十分あります。電力安定供給のためにも日本政府・民間の皆様方のご協力の下、現在解決に努めているところです。

外国投資法に関しても、議会の承認後に大統領が署名し、発表する予定です。ミャンマー投資委員会のアドバイザーであるミャー・テュザーさんも今回同行しておりますので、皆様から質問などを受けることもできます。

9月に日本商工会議所から企業家たちのグループがミャンマーを訪れます。私自身もヤンゴンとネピドーで出迎えし、必要なことをするつもりです。駐日大使のキン・マウン・ティンさんもミャンマーの日本の友好関係、貿易や投資機会の早期実現のために一所懸命努力しております。

このセミナーでは、スピーチするだけでなく、行動で示さないといけないと思っております。皆様がミャンマーに来られたときや日本から連絡をする際は、私を含む私たちの同僚、そしてミャンマー商工会議所の会頭を含む所属企業なども、実際のお仕事に結びつくために重点的に考えて行動をしたいと思っております。ミャンマーが近代的で美しく、そして清潔かつ居心地の良い国になるためにご支援やご協力をいただきたいと思います。ありがとうございます。

(於 ホテルニューオータニ東京 2012年7月10日)

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