地方創生へM&A、CVC加速 SBIHD関連会社と新会社設立 ノウハウ蓄積へアイティフォー
IT企業のアイティフォー(東京都千代田区)と事業会社のM&A(企業の合併・買収)・投資支援を行うソーシング・ブラザーズ(東京都千代田区)は7月23日、アイティフォー本社で記者会見を開き、M&Aや投資、買収・投資先の事業開発を一体的に行う新会社「アイティフォー・グロースキャピタル」(東京都千代田区)を共同出資して設立したと発表した。
新会社の代表取締役社長に就任したアイティフォーの佐藤恒徳・代表取締役会長は「アイティフォーは2033年の売上目標700億円を掲げているが、この700億円のうち240億円は新規事業の売り上げを見込んでいる。新会社設立でM&AやCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル、事業会社のベンチャー投資)に本腰を入れ、最終的にはアイティフォーグループの中に、このM&AやCVCのノウハウをしっかりと植え付けていきたい」と述べた。
7月9日に設立した新会社のアイティフォー・グロースキャピタルの資本金は1億円。出資比率はアイティフォー90%、ソーシング・ブラザーズ10%。ソーシング・ブラザーズは、SBIホールディングス(SBIHD、東京都港区、北尾吉孝・代表取締役会長兼社長)が20%出資する、SBIHDの持分法適用関連会社。
地銀向けシステムサービスなどを展開するアイティフォーは地域内で経済が回る「地方創生」を事業目的の一つに掲げており、アイティフォーの佐藤会長は「当社は“地方”に支えられてきた。地方銀行や地銀系投資会社などと一緒に、地方創生のため、地域課題の解決に貢献する優れた地方企業への投資や後継者のいない地方の優良企業をしっかり残していく事業承継などに取り組んでいきたい」と地銀や地方自治体など関係機関と連携する姿勢を強調した。
またアイティフォーの社員約500人の出身地は47都道府県すべてにわたっているとして「将来、地元に帰った社員が地方で起業する際には今回の新会社を活用できるかもしれない」と新会社の活用の拡大可能性にも言及した。

地域課題の解決に貢献する地方企業などを対象にM&A・投資促進への意気込みを示したアイティフォーの佐藤恒徳・代表取締役会長(左)とソーシング・ブラザーズの渡邊祥太郎・代表取締役=2026年7月23日、東京都千代田区のアイティフォー本社
アイティフォーは2024年10月以降、ソーシング・ブラザーズから投資先候補企業の紹介を受けており、これまでに地域課題の解決を目指すスタートアップなど6社に投資し、うち沖縄県内の投資先企業など、既に成長軌道に乗っている事例も出始めているという。
佐藤会長は「ソーシング・ブラザーズから紹介された企業のうち、少なくとも40社の経営者と面談し、刺激を受けてきた。世の中には(投資に値する)良い企業がまだまだ埋もれていると感じた。ソーシング・ブラザーズ社が、ある意味当社の背中を押してくれた。ソーシング・ブラザーズ社は(2020年創業の)若い会社だが、思い切って“同じ船”に乗ってみようと決断し、一緒に会社をつくった」と話した。
ソーシング・ブラザーズの渡邊祥太郎・代表取締役は「アイティフォーの強みである地銀との関係性を生かし、地方の投資・買収案件に関係する地銀をはじめとした金融機関や地銀系投資会社、地域の企業、大学などあらゆる“ステークホルダー(利害関係者)”との関係を点と点でなく、ネットワークとして築き、数年後には持続的に投資・買収案件が流入してくる新会社にすることが大事だ」と述べた。
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