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是枝裕和監督「特別なものが映っている映画になった」 安藤サクラ「自分の想像をはるかに超えた作品に参加させていただきました」

 映画『怪物』完成披露試写会が8日、東京都内で行われ、出演者の安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、中村獅童、脚本の坂元裕二氏と是枝裕和監督が登壇した。

 『万引き家族』で知られる是枝監督が「今一番リスペクトしている」と語る坂元氏と初タッグを組んだ本作は、第76回カンヌ国際映画祭の「コンペティション部門」への正式出品も決定している。

 大きな湖のある郊外の町を舞台に、学校で起きたけんかが大ごとになり、子どもたちがこつぜんと姿を消す…というストーリー。

 是枝監督は「特別なものが映っている映画になったと思います。スタッフが完成試写を見て『全ての人がいい仕事をしていますね』と言ってくれたのが本当にうれしかった。あまり『是枝組』と言われるのは好きではないけれど、少しずつ変化しながらも、今本当にいいチームになっていて、素晴らしい映画ができたと確信しております」と語った。

 『万引き家族』以来の是枝組への参加となった安藤は、息子を愛するシングルマザーを演じた。

 オファーはコロナ禍前だったそうで、「こんなにも早く再び監督からお声掛けいただけてすごくうれしかったのですが、その反面、監督の現場にすぐに戻ることに、とても大きなハードルを感じてしまって、おじけづいておりました」と告白。

 「覚悟を決められない時間が割と長く続いた」そうだが、最終的に参加を決意。完成作をスクリーンで見た今となっては「そのときの自分を一発殴ってやりたい気持ち。自分の想像をはるかに超えた作品に参加させていただきました」と語った。

 主役の2人の少年を演じた黒川と柊木は、オーディションで選ばれた。安藤の息子役の黒川は、撮影の休日に、教師役の永山がドライブに連れ出してくれたエピソードを披露。

 「自分がどういう演技をするかではなく『役者さんは基本、監督の脳みそにあるものを表現するんだよ』と教えてもらって(心に)響きました」と明かした。

 音楽は3月に死去した坂本龍一さんが担当した。是枝監督は「亡くなられたのは残念ですが、最後にこういう形でご一緒できたのが自分にとっての誇り。この作品には坂本さんの音楽が必要でした」と言葉に力を込めた。

 映画は6月2日から公開。

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