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30歳代の体調変化を見逃すな!男女で異なる体力ピークと鍼灸治療による予防戦略

■30歳代前半は人生の絶頂期!?男と女は体力のピークが違う?

東洋医学では、女性は28歳、男性は32歳の頃が体力の一番盛んなときと考えられています。2000年以上前に編纂された『黄帝内経素問』「上古天真論」に書かれている内容ですので、科学的な根拠はありませんが、長年臨床生活を送り多くの患者様と接していると、あながち大きく外れているとは思いません。
女性は、28歳から35歳の間に体力が徐々に低下すると云い、男性は32歳から40歳にかけて体力が低下すると云っています。男性は30歳代で大きな病気をすることは少ないですが、女性は30歳代後半になると女性特有の疾患に注意が必要になります。
現代人における病気の傾向と2000年以上前に書かれた内容が合致している部分を読むと、古代人の観察力のすばらしさに魅了されます。東洋医学が今なお輝いている理由かもしれません。
江戸時代には、貝原益軒が「養生訓」を表しました。大正時代には築田多吉が「家庭に於ける実際的看護の秘訣」を書いています。どちらも、健康を維持するための方法を書いた内容です。
清野は、2025年11月19日に発売した本「知らないうちに寿命を縮める危ない生活習慣24」(清野充典著・小学館) の中で、現代を生きる人々が日常生活で注意すべき習慣を紹介しています。現代社会は、生活スタイルが大きく変わっています。前者2冊の本とは違った視点で書いています。ご興味がある人は是非ご購読いただきたく思います。

■30歳代は病気予備軍の年代!?

厚生労働省が行った平成28年の国民生活基礎調査を見ると、30歳代の人が気にしている症状は、下記に示すように30歳代前半と後半で、さほど違いはありません。❶

A.30代前半 
①うつ病、その他のこころの病気 ②その他 ③アトピー性皮膚炎 ④腰痛 ⑤その他の皮膚疾患
B.30代後半
①うつ病、その他のこころの病気 ②その他 ③腰痛  ④アトピー性皮膚炎 ⑤肩こり症

30歳代の時は、多少の寝不足や過度の飲食をしても、内臓疾患を発症する確率は低い年代です。肉体は壮健な時期である証拠ですが、反面精神面においては不安定な時期でもあります。ストレスに起因すると考えられるうつ病、アトピー性皮膚炎、腰痛、肩こり症等が上位を占めています。
人間ドックで検診を受けている30歳代の人のデータを見ると、下記のような兆候が見られます。❷

1.脂質異常
最も多くの人に異常が見られるのは30歳代
2.肥満(BMI 25.0以上)
男性に顕著 30歳代男性の約25%(4人に1人)がBMI 25以上の肥満に該当
女性は約13〜15%程度が肥満に該当
3.肝機能異常(ALT / γ-GT)
30歳代男性に高い異常率 ALT(GPT)数値異常は約3割に達し脂肪肝などのリスクが窺える
4.尿潜血(特に女性)
30歳代女性の約14〜15%の人が陽性反応 男性(約4%)に比べて高い割合
5.高血圧(予備軍含む:収縮期血圧 130mmHg以上)
30歳代男性の約15〜20%が血圧やや高め(130/85mmHg以上)

上記のことを私なりに解釈すると、特別な不調を感じてはいないものの、生活習慣病がやや忍び寄っているようなデータと考えます。生活習慣を見直す必要がある年代と思われます。
1~5の兆候は、様々な病気の下地になります。同じ生活を継続すると、40歳代以降に、いろいろな病気を発症するようになります。
40歳代50歳代の体力をイメージしたい人は、JIJICO内にある下記コラムをご参照いただきたく思います。

体力の衰えは40歳からではない!?筋力低下防止の秘訣はある?
50歳は人生120年の折り返し前!?この年代に注意すべきことは肥満?

■30歳代は元気だと感じている!でも実際はからだに無理をかけている?

30歳代は、結婚、出産、育児、住宅ローンなど、人生で最もライフイベントが密集し、精神的負担が大きくなりやすい年代です。❸ 一方、体力面においては余力がありますので、無理が効く世代です。また、肉体や内臓の疾患は表に出てきにくい年代です。
主観的な元気さ(自覚的な不調)と客観的な検査数値の悪化(検査でわかる実際の体調悪化)との乖離が大きいと思われる年代です。そのことは、30歳代の受療率(病院へ行く割合)が高い疾患と有病率(実際に病気を持っている割合)が高い疾患との違いから推測できます。❶
30歳代は、下記のようなことを考えている人が多い年代だと思います。

1.自分が健康だと思っている
2.自分は病気だと思っていない
3.自分は病気にならない
4.この健康はいつまでも続く
5.体力が低下することを想像できない

むしろ、上記のようなことは考えたことがないという人の方が多いのではないでしょうか。
そのため、病院を受診する人や健康診断を積極的に受ける人は少ないと思います。
会社勤務の人であれば健診を受ける機会は毎年あると思いますが、個人経営者や起業したばかりの人は、それどころではないと思います。健康状態や日常生活に目を向けない人は、男の人の方が多いのではないかと推測します。
女の人は20歳代から婦人科の検診を推奨している自治体が多いので、定期検診を利用する人が増えています。また、女の人は子宮や乳腺がんの発症リスクが生物学的に高いため、30歳代のとき下記のような病気が早期発見される傾向にあります。❷

1)子宮頸がん
2)乳がん
3)卵巣がん 等

女の人は、ライフスタイルの変化が大きいことや妊娠回数の減少による月経回数の増加などが原因として考えられています。一番多い子宮頸がんの原因は、ほぼ100%ウイルス感染です。20歳代ころに感染し、10年程度の潜伏期間を経て発症します。そのため、30歳代で発症する人が多いようです。
一方、男の人は「がんを早期発見するための定期的な検査制度」がありません。受療率は低いながらも、直腸がんが増え始めるようです。その理由として、職場の法定健診(労働安全衛生法)には、大腸がんの検査項目がないためだと考えられます。自治体を含む、大腸がん検診は40歳から始まることが多いようです。❹
大腸がんの初期症状は無症状ですが、進行すると、直腸がんの場合便の通りが悪くなることによる腹痛、嘔吐が起こりやすいため、自覚的に異常所見が出てから検査に行くため、発見されているのだと思われます。❺一般的には、大腸がん患者が増え始めるのは40歳代からで、ピークが60~70歳です。❻

これらのことから、30歳代の時は、定期的に検診を受け、自分の健康状態を把握しておくことが大切だと考えます。
早期検診の結果から言えることは、「30歳代は病気ならない年代だと過信しない」ということです。

東洋医学の書物には、
女は28歳頃から体力低下
男は35歳頃から体力低下
と書いています。一見元気そうであっても、実は体力低下が進んでいます。
男の人も検査を積極的に受ければ、生活習慣病予備軍としての異常がもっと見つかるだろうと考えます。

20歳代30歳代の女の人に多い病気に対する改善方法にご興味がある人は、JIJICO内にある下記コラムをご覧いただきたく思います。
「若者の生理痛は放置してはいけない?鍼灸治療で生理痛は良くなる?!」
「鍼灸治療で生理痛の改善は可能か?!」

 ■30歳代は健康の過渡期です!
30歳代は、体力にまだまだ余裕があり、無理が効く年代です。しかしながら、無理を続けていると、やがて大きな病気をします。いわば、健康の過渡期と言えます。
痛みや疲労は、休ませて欲しいと願うからだのサインです。本来であれば、症状を感じたら休む必要があります。しかしながら、疲労を感じていても、精神的な気合でカバーしてしまいがちな年代です。
肉体的不調が悪化しても、自覚症状はないという人がほとんどなため❷、精神的不調の方を自覚しやすいと言えます。一方で、肉体的症状へのケアがおろそかになりがちです。
このギャップに気が付かず放置していると、40歳代・50歳代になったとき、大きな疾患の引き金になり得ます。病気をしないからだづくりに大切なことは、生活スタイルを見直すことです。特に、睡眠・食事・運動は、厚生労働省「健康日本21」の取り組みでも、重要視されています。❼

20~30歳代のときは生活スタイルを見直す余裕がないという人がほとんどです。この世代は、睡眠不足の人が圧倒的に多い時期です。そのことがからだに及ぼす影響についてはJIJICO内にある下記コラムに書いていますので、是非ご覧いただきたく思います。

青春時代の体力転換期は26歳?体力低下を防ぐ秘訣はあるのか!?

からだのケアは、40・50歳代から始めるよりも、30歳代から気を付けたほうがより効果が高く、成果が早く出ることは分かっています。
運動をする時間がない、睡眠を十分とることが出来ないという人は、鍼灸治療がおすすめです。鍼灸治療は「不調の自覚症状がなくてもできる治療」です。鍼灸治療をすると、1~2時間睡眠をしたことに相当する効果が期待できます。内臓の疲労がとれますので、生活習慣病の予防にぴったりです。

40・50歳代にからだのケアをしないでいると、60歳代70歳代に体力が大きく後退します。

60歳代70歳代の体力をイメージしたい人は、JIJICO内にある下記コラムをご参照戴きたく思います。
「人生100年時代を生きる体力の転換期は62歳?体力低下を防ぐ秘訣はあるのか!?」
「78歳は体力低下の転換期!?70歳を過ぎたら日常生活動作と深呼吸を大切に」

■がん治療に鍼灸治療や瘀血治療は有効です

鍼灸治療は、病名診断される前の不調に対して「未病(みびょう)を治す」という言葉があるように、体調不良に対して最適な治療です。鍼治療は、精神疾患に適応です。灸治療は、肉体の疲労や内臓疾患に有効です。どことなく調子が悪いという30歳代の人は、是非鍼灸治療や瘀血治療を受けていただきたく思います。
薬物を服用していない人であれば、数回の治療で調子が良くなることを、実感いただけると思います。30歳代のときは、検査で異常のデータが出ても、生活習慣を改めれば、薬物を服用しなくても健康体に戻ることができる確率はとても高いと言えます。月に1度定期的に施術を受けると、薬物に頼らなくても快適な30歳代を過ごせることと思います。
がん疾患をお持ちの人が鍼灸治療を受療する比率は、年々増加しています。抗がん治療を行うことが困難なほど体力が低下している時、鍼灸治療をすると体力が回復する例は数多くあります。がんでお悩みの人は、是非鍼灸治療(内外科治療)をお試しいただきたく思います。週2~3回根気強く治療すると、病気の段階が早ければ回復が見込めます。
薬物治療(内科治療)や外科手術(外科治療)をした後に体調不良を感じている人は、身体の外側から内臓機能に働きかけることが可能な鍼灸治療(内外科治療)や瘀血治療が有効ですので、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療提供施設にご相談ください。
また、体調管理や健康増進には、運動法や呼吸法が有効です。ヨガ(YOGA)療法をご希望の人は、清野メディカルヨーガもしくはお近くのヨガ教室にご相談いただきたく思います。
清野が呼称する養正(ようせい)治療は、日常の適正な生活です。詳しくお知りになりたい人は、清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」をご参照願います。

がんを発症した人は、日常生活を見直す必要があります。2025(令和7)年11月19日(水)に小学館から発売された清野充典著「知らないうちに寿命を縮める危ない生活習慣24」の内容は、JIJICOに掲載された1~70本目のコラムを24に再編集した内容です。この本のために書いたコラムもあります。困ったときの対策が満載の内容です。一家に一冊常備薬代わりに置いていただき、体調不良に対して養正治療(東洋医学に基づく養生法)をご自分で実践いただきたく思います。全国の書店やオンライン書店購入可能です。Kindle版もあります。

80歳代90歳代の体力をイメージしたい人は、JIJICO内にある下記コラムをご参照戴きたく思います。
自立した生活が困難になるのは85歳!?80歳になったら手を振って歩き 良く噛む事をこころがけましょう
110歳まで生きるためには何が必要!?90歳代になったら必要なことは筋トレ?

[参考文献]
❶ 「平成28年国民生活基礎調査」 中央社会保険医療協議会 総会(第413回) 議事次第 総3 年代別・世代別の課題(その2)より 
❷日本人間ドック・予防医療学会 2018年度人間ドックの全国データ解析(基礎編)
❸第一生命保険株式会社 ライフイベント表
❹労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう
❺大腸がんの症状について 国立研究開発法人国立がん研究センター
❻「直腸がん」は何歳から発症率が増える? 検査についても解説【医師監修】
❼健康日本21(第三次)の概要

<筆者略歴>

清野 充典:鍼灸師  1982年、西洋医学を理解した東洋医学者の育成を目指し世界で初めて設立された鍼灸医学専門教育機関「明治鍼灸短期大学(現明治国際医療大学)」鍼灸学部を卒業。1987年2月2日、東京都調布市で清野鍼灸整骨院を開院。明治国際医療大学客員教授、早稲田大学特別招聘講師等歴任。
 「鍼灸を国民医療」にすべく、東京大学、早稲田大学、順天堂大学等の日本国内を始め、海外の様々な大学や医療機関の人たちと研究を進めている。

 1991年には、東京都府中市で分院の清野鍼灸整骨院府中センターを開設。1985年から清野メディカルヨーガ/清野ヨーガ道場を主宰し、保健活動を行っている。毎週木曜日に「ヨーガ教室」を開催して、多くの人に東洋医学に基づいた健康管理方法を伝えている。

清野 充典:鍼灸師

(清野 充典:鍼灸師)

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