自然関連リスクの重要な地域を科学的に特定
●住宅・建設・不動産業界で日本初 SBTNの自然に関する科学に基づく手法で認証
2026年9月15日
大和ハウス工業株式会社
代表取締役社長 大友浩嗣
大阪市北区梅田3-3-5
また、本評価は、第三者検証機関「Accountability Accelerator」の検証を受け、SBTNが定める手法に沿って適切に実施されたことが確認されています。
なお、SBTNが定める自然に関する科学に基づく手法で自然関連リスクの重要な地域を科学的に特定・公表したのは、住宅・建設・不動産業界で日本初です。
当社グループは環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」のもと、創業100周年となる2055年までに、事業活動やサプライチェーンを含めた事業全体で「環境負荷ゼロ」の実現を目指しています。特に、「ネイチャーポジティブ(※1)」と「水循環」を重点テーマに掲げ、調達、事業活動、商品・サービスの各段階で、自然環境への負荷低減や生物多様性の保全などに取り組んでいます。
その取り組みの一環として、当社は国際的な自然関連目標の枠組みであるSBTNの手法に基づき、調達(サプライチェーン)や事業活動が自然環境に与える影響を分析しました。分析では、自社拠点における水利用や水質への影響に加え、木材などの建築資材の調達が水資源や土地利用に与える影響、建設事業に伴う土地利用の影響を評価しています。調査対象としては、調達物の原産地、グループ企業101社の5,129拠点(※2)、およびオフサイト拠点(施工現場、保有不動産、太陽光発電設備)65,268拠点(※2)を確認しました。さらに、地域ごとの自然環境や生物多様性の状態を踏まえ、課題の重要度を評価しました。
その結果、水資源保全や生物多様性保全の観点から、今後優先的に取り組むべき地域や課題を明確にすることができました。今後は、この分析結果を環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム2029」に反映するとともに、特定した優先地域や課題について具体的な目標を設定し、開示していきます。また、在来種を活用した緑化や、敷地内での雨水の浸透・貯留などを進めることで、生物多様性の保全、水循環の健全化、洪水リスクの低減に貢献します。
※1.生物多様性の損失を食い止め、回復軌道に乗せること。
※2.事業拠点は2023年度、施工現場は2020年度~2024年度の拠点を対象として評価しています。
●主な検証結果
当社は、調達や事業活動が水利用、水質汚染、土壌汚染、土地利用、土地利用の変化(自然地からの転換)など、自然環境に与える影響から、調達(サプライチェーン)における重点課題ならびに事業活動(自社事業)における重要な地域を特定し、その特定結果が妥当であることを確認しました。
1. 調達(サプライチェーン)における重点課題の特定
調達(サプライチェーン)については、自然環境への影響が大きい建材や原材料を特定し、水利用、水質汚染、土壌汚染、土地利用、土地利用の変化について評価しました。さらに、目標設定を進めるにあたっては、原産地を把握している木材以外の鉄、セメント、砂利・砂についても、原産地の把握や調達先の追跡をさらに進める必要があることを確認しました。
2. 事業活動(自社事業)における重要な地域の特定
事業活動における水利用の評価の結果、優先的に対応すべき地域を特定しました。発電所などの水利用量が特に大きい事業拠点や、水利用が多く河川への排水を伴う工場やゴルフ場が立地する九州地域、生物多様性への影響が高い地域のメキシコや中国などを重要な地域として特定しました。
●水環境保全への取り組みについて
当社グループは、2055年までに「水リスクゼロ」の実現を目指し、調達及び事業活動における水リスクの把握と低減に取り組んでいます。
調達(サプライチェーン)では、当社、大和リース、フジタの主要サプライヤー207社を対象に、水リスク調査を実施しています。取水量や排水量、洪水リスク、浸水対策の状況などを確認し、リスク低減に向けた取り組みを進めています。さらに、環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム2029」に基づき、木材、鉄、セメント、砂利・砂などの主要建材について原産地確認やデューデリジェンスを進め、調達に伴う環境リスクの低減を図っています。
事業活動では、売上高当たりの水使用量を2029年度までに2012年度比47%削減することを目標に掲げ、節水設備の導入、雨水利用などによる水使用量の削減を進めています。今後は、特定した重要な地域を対象に、SBTNのStep 3(目標設定)を踏まえた科学的根拠に基づく具体的な自然目標の設定を進める計画です。
●「SBTN」について
SBTN(Science Based Targets Network)は、2019年に設立された企業の自然関連目標設定を支援する国際イニシアチブです。CDP、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)などが参画しており、企業のネイチャーポジティブ実現に向けた指針や手法を提供しています。
SBTNの自然関連目標の設定プロセスは3段階で構成されています。Step1では、SBTNの技術ガイダンスに基づき、事業活動や調達活動が自然環境に与える影響を科学的根拠に基づいて分析・評価します。Step2では、その結果を踏まえて優先的に対応すべき地域や課題を特定し、目標設定の基盤を整えます。Step3では、特定した地域や課題に対する具体的な自然関連目標を設定します。
なお、企業はStep1・Step2の検証を完了した後にのみ、Step3の目標設定に関する検証を受けることができ、各Stepの検証を完了した企業名は、SBTNが運営する企業の自然関連目標設定の進捗状況を掲載するデータベース「SBTN’s Target Tracker」で公表されています。
●大和ハウスグループ「サステナビリティレポート2026」
https://www.daiwahouse.co.jp/sustainable/library/csr_report/index.html
●検証結果の詳細情報(SBTN’s Target Tracker)
https://sciencebasedtargetsnetwork.org/company/target-tracker/
以 上










