大迫研究40周年、「家庭で血圧を測る」文化の普及を支えた研究成果と功績を紹介
オムロン ヘルスケア株式会社(本社:京都府向日市、代表取締役社長:岡田 歩、以下当社)が1986年のスタート時から協力している家庭血圧に関する大規模臨床研究「大迫(おおはさま)研究」が、2026年に開始から40周年を迎えることをお知らせします。「大迫研究」は、家庭血圧測定の科学的根拠の確立に貢献し、高血圧管理および循環器疾患予防の発展に重要な役割を果たしてきた家庭血圧に関する世界初の臨床研究です。11月15日(日)には、40周年を記念して「家庭血圧40年の物語、健康長寿の未来へ」と題したイベントが開催されます。
この機会に、家庭血圧測定の意義を広く示してきた大迫研究の歩みと、現在も継続される研究活動を紹介します。
大迫研究ホームページより
大迫研究について
大迫研究は、1986年に岩手県大迫町(現・花巻市)で、今井 潤 氏(東北大学名誉教授、東北血圧管理協会理事)が中心となって立ち上げた、一般住民を対象とする高血圧および循環器疾患に関する長期前向きコホート研究です。研究開始当時、同地域では高血圧や脳卒中が重要な健康課題の一つとされていました。こうした課題への対応を目的に、地域住民、医療従事者、行政、研究者が連携し、家庭における継続的な血圧測定を取り入れた地域研究として開始されました。当社は、研究開始当初より家庭用血圧計約300台の提供を通じて、本研究に協力してきました。
現在も継続される新たな知見の創出
研究開始から40年を経た現在も、大迫研究は、地域住民、医療従事者、研究者による長期的な協働のもとで継続されています。また、本研究は国内外の研究機関との共同研究として発展し、現在は大久保孝義 教授(帝京大学)を中心に、帝京大学を代表機関とする多機関共同研究として継続されています。これまでの研究では、家庭血圧が診察室血圧よりも脳・心血管疾患の発症や死亡リスクをより強く予測することが示され、家庭血圧測定の臨床的価値を世界に示す重要なエビデンスとなりました。また、家庭血圧に基づく高血圧の診断基準値として現在国際的に用いられている135/85mmHgの確立にも、大迫研究の成果が大きく寄与しています。近年では、家庭血圧に加え、血圧変動、生活習慣、腎機能、認知機能など、多様な観点から分析が進められており、予防医療やデジタルヘルスの発展につながる知見が蓄積されています。例えば、尿で測定可能な「塩分とカリウムのバランス(尿中ナトリウム/カリウム比、尿中Na/K比)」に関する研究では、降圧治療を受けておらず、脳心血管疾患や心房細動の既往がない一般住民を対象に分析が行われました。その結果、尿中Na/K比が高いほど、心負荷を示すバイオマーカーであるBNPが高値となる傾向が報告されており、尿中Na/K比の測定が臓器障害や心臓負荷の早期把握に資する可能性が示唆されています。
オムロン ヘルスケアは、家庭で血圧を測ることを日々の健康管理に役立てる文化を社会に根づかせるため、長年にわたり啓発活動と製品・サービスの開発に取り組んできました。大迫研究が示してきた数々の成果は、こうした取り組みを支える重要なエビデンスであり、家庭血圧測定の意義を世界に広める大きな力となっています。当社は、循環器事業ビジョンに「脳・心血管疾患の発症ゼロ(ゼロイベント)」を掲げ、家庭での継続的な血圧測定の普及や、心房細動の早期発見など、脳・心血管疾患の予防に向けた取り組みを進めています。これからも、大迫研究に携わる皆さまとともに、家庭血圧測定を起点とした予防医療の発展に貢献してまいります。
参考:大迫研究ホームページ
東北血圧管理協会 理事 今井 潤 氏 (東北大学名誉教授) コメント
大迫研究は、当時、地域における高血圧や脳卒中の予防という課題に向き合うなかで、家庭で血圧を継続的に測定することの意義を明らかにしたいという思いから立ち上げた研究です。研究開始当時は、「血圧は医療機関で測定するもの」という考え方が一般的であり、家庭血圧測定の臨床的価値はまだ十分に認識されていませんでした。
本研究を継続することができたのは、地域住民の皆さま、医療関係者、行政、研究者をはじめ、多くの関係者の長年にわたるご理解とご協力によるものです。家庭で日々の血圧を測定し、その値を記録し続けていただいたことが、家庭血圧の意義を科学的に示す大きな基盤となりました。
大迫研究からは、家庭血圧が診察室血圧とは異なる臨床的意義を有し、脳卒中などの脳・心血管疾患リスクの評価に有用であることなど、多くの知見が示されてきました。これらの成果が、家庭血圧測定の普及や高血圧管理の発展に少しでも貢献できたのであれば、大変意義深く感じています。
研究開始から40年を経た現在も、大迫研究は新たな知見を生み出し続けています。今後も、地域に根ざした長期研究として、予防医療やデジタルヘルスの発展に資する成果が創出されることを期待しています。
オムロン ヘルスケア株式会社 代表取締役社長 岡田 歩 コメント
大迫研究は、地域住民、医療従事者、行政、研究者の皆さまの長年にわたる協働により、家庭血圧測定の科学的根拠を築いてきた重要な研究です。研究開始から40年を経た現在も、新たな知見を生み出し続けていることに、心より敬意を表します。当社が研究開始当初から本研究に協力する機会をいただけたことを大変光栄に存じます。あわせて、研究を支えてこられた地域住民の皆さま、医療従事者、行政、研究者の皆さまに深く感謝申し上げます。当社は今後も、家庭血圧測定を起点とした予防医療の発展に貢献し、「脳・心血管疾患の発症ゼロ」の実現を目指してまいります。
大迫家庭血圧測定40周年記念フェスティバルの概要
テーマ:「家庭血圧40年の物語、健康長寿の未来へ」
日 時:2026年11月15日(日) 13:30-16:00
会 場:大迫交流活性化センター 本館多目的ホール
〒028-3203 花巻市大迫町大迫3地割161番地
プログラム:
1. 記念講演
1)「大迫家庭血圧測定40年の軌跡(仮)」
一般社団法人東北血圧管理協会代表理事/帝京大学医学部主任教授 大久保孝義
2)「大迫研究とオムロンヘルスケア、家庭血圧とともに歩んだ40年(仮)」
オムロン ヘルスケア株式会社 代表取締役社長 岡田 歩
2. 座談会
「みんなで目指す健康長寿:家庭血圧測定40年の軌跡を踏まえて(仮)」
地域保健・医療関係者、地域住民の皆さん
3. 健康管理グッズ抽選会
*会場では、心電図記録などの測定会を実施します。









