「生還のための危機管理」を解説 PHP研究所から『クマに出遭ってしまったら?』
クマの生態を知り、被害に遭わないための具体的な方法を紹介する『クマに出遭ってしまったら?』 (PHP研究所・京都市、山﨑晃司編著)が、8月31日(月)に刊行される。税込み2090円。
PHP研究所によると、環境省のデータでは2026年4~7月の全国のクマによる人身被害者数が速報値で53人。過去最悪のペースとなった前年同期とほぼ同水準で推移しているという。秋に向けて最大限の警戒が必要となる中、同書は、クマ研究の第一人者である山﨑晃司氏が、生態学者、医師、自治体担当者、現場で保護・対策にあたる専門家など9人の専門家と一緒に執筆。クマについての基本的な知識、クマと出遭わないための工夫、クマと出遭ってしまったときの対処方法などを、過去から最近までの人身事故事例を盛り込みながら解説する。
同書によると、クマが人を襲う最大の理由は「恐怖による自己防衛」。しかし、人の生活圏で過度に慣れた「新世代ベア」や、人間の食物に執着する「餌付け・食害学習グマ」の増加など、人間側の変化が被害を引き起こしているという。その構造的要因を科学的に解説する。
また、秋田県で発生した70例の症例解析により、被害の多くが顔面・頭部・首・上肢に集中することを実証し、北海道や海外の報告でも同様の傾向であることも紹介。致命傷を防ぐ「うつ伏せになり首のうしろを手で覆う防御姿勢」や「クマ撃退スプレー」の正しく確実な使い方を提示する。
何よりも、まずはクマに遭遇しないために、手を叩く、声を出すなどの対策を同書は指摘。遭遇してしまった際には、クマ撃退スプレーの使用やうつ伏せ防御姿勢を、引きずられたらピッケルなどを使って徹底抗戦をと、イラスト入りで実践的に解説している。
さらに、羅臼岳、大千軒岳、北海道福島町新聞配達員事故、秋田県2025年の相次ぐ死亡事故、さらには歴史的事件・事故(苫前三毛別事件、福岡大WV事故)の調書・証言を分析し、教訓を整理。さらに、従来の「保護一辺倒」から、科学的な「個体数管理(捕獲)とゾーニング」への転換を提言する。
同書の執筆陣たちのオンライン座談会「クマから身を守るために」も収録。「『死んだふり』の間違い」「木に登って助かる?」「クマはヘビ(紐)がきらい?」「執筆者たちのクマ対策」などの話を紹介している。
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