公開講演会「潜在因子を探る統計手法の数理と実践」
オープンハウス2026「データから意味を、現象から法則を:統計的因果推論が拓くAI for Science」
情報・システム研究機構 統計数理研究所は公開講演会「潜在因子を探る統計手法の数理と実践」を会場(統計数理研究所)とオンラインで開催します。潜在因子(SEM・因子分析・IRT等)を軸とした統計的方法論およびその教育・心理・調査領域への展開をテーマに3名の研究者がお話しします。
日時 2026年5月22日(金)15:00~17:15
場所 統計数理研究所 大会議室、オンライン
参加無料、要申込み
お申込みはこちらから
プログラム
15:00~15:02
開会挨拶 山下智志(統計数理研究所長)
15:02~15:05
趣旨説明
15:05~15:45
「因子分析および構造方程式モデリングにおける理論と実践」 狩野裕(同志社大学 文化情報学部 特別客員教授)
概要:潜在変数モデルの理論と実践についての最近までの発展を概観します。因子分析と構造方程式モデリングの実践をふまえた理論のポイント、すなわち、世間にまかり通る”Dos and Don’ts”、因子数選定と因子回転、統計的推測と推測の頑健性、マルチレベルSEM、強縦断データ、探索的分析と検証的分析、因果推論などについてできるだけ広く講じます。
15:45~15:55
休憩
15:55~16:35
「項目反応理論の世界:潜在因子モデリングの数理と実社会への応用」 分寺杏介(神戸大学 経営学研究科 准教授)
概要:本講演では、テストやアンケートの応答データから、直接観測できない人間の能力や特性(潜在因子)を測定・評価するための枠組みの一つである「項目反応理論(IRT)」を取り上げます。前半では、IRTがどのような数理的メカニズムで成り立っているのか、その基本的な考え方について解説します。さらに、この理論が現実の社会でどのように役立っているのか、具体的には大規模な資格試験や教育・調査の現場において利用されている技術(テストスコアの公平な比較や、受験者に合わせた効率的な測定の仕組みなど)を概観します。後半では、IRTの枠組みを拡張した近年の発展的な話題(より細やかな認知状態の診断モデルや新たなデータ形式の活用など)についても紹介し、潜在因子を測る統計手法の今後の展望についてお話しする予定です。
16:35~17:15
「様々な分野での潜在因子モデリングの応用:社会調査の分野を中心に」 前田忠彦(統計数理研究所 学際統計数理研究系 准教授)
概要:本講演では、様々な分野における因子分析や構造方程式モデリングの応用例を紹介します。例えば政治学、心理学、社会学、マーケティングなど、特にアンケート(質問票)の複数の項目を通じて相互に相関する多変量のデータを得る機会が多い、社会科学系の分野における応用例を取り上げます。これらの分野での応用の特徴は、抽象的な概念(構成概念)を潜在変数により表現し、潜在変数間の関係をモデリングすることに注力する点です。調査データを用いた分析例で、手法のイメージをより具体的につかんでいただくことを目標にします。
本講演会は統計数理研究所オープンハウスのプログラムのひとつです。会場では公開講演会のほか、全研究者や大学院生による研究内容ポスタ―発表や、統計に関わる質問や相談に1件30分程度でお答えする統計よろず相談室なども開催します。こちらもぜひご参加ください。















