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鈴木大地水泳連盟会長、プールと水泳授業の減少に危機感 「若いうちに泳ぐ技術をぜひ身につけて」

日本水泳連盟の鈴木大地会長と室田健志コナミオープン水泳競技大会会長(左)

 プールの数が減っている。スポーツ庁が公表した「令和6年度体育・スポーツ施設現況調査」によると、全国の小中学校に設置されているプール施設数は2万1552カ所。25年前の平成8年(1996年)は2万8326カ所だったので、約6700カ所減少している。施設の老朽化や、維持・改修に多額のコストがかかることなどによるものだ。

 併せて、学校での水泳の授業も減少している。プールの減少に加えて、教員の負担軽減、夏場の猛暑による熱中症の懸念など、さまざまな理由が挙げられる。

 水泳授業を続けるのか、止めるのか。判断が迫られる学校がある中、授業をスポーツクラブなど外部へ委託する動きも進んでいる。

 2月14日、日本水泳連盟(水連)の鈴木大地会長が、「コナミオープン水泳競技大会」が開催される東京アクアティクスセンターを訪れた。今年で41回目を迎えるこの大会は、小学生からトップクラスの選手までが一つのプールに会して開催される大会だ。さまざまな年齢層の選手約1000人が日頃、水や自身の体と向き合いながら磨いた泳ぎを競う中、鈴木会長と、大会会長の室田健志コナミオープン水泳競技大会会長に話を聞いた。

 

―小中学校でのプールの減少、水泳授業の減少が見られる中、水連ではどのようにお考えですか?

鈴木 理由は、地域によって事情がだいぶ異なります。まずは水泳の授業に関してのアンケートを行って、実情を調べようという話をしています。水泳の授業が減少しているのは、指導者不足によるのか、プールの老朽化か、あるいは気候変動の関係で授業ができないのか。まずは問題を把握しようとスポーツ庁と連携を図っています。その上で、画一的なことはせずに、地域ごとの対策を練る必要性を感じております。

―日本水泳連盟は2024年10月31日、「水泳環境づくり宣言」で水難事故防止対策としての水泳の教育を継続して実施していくと宣言していますね。

鈴木 水泳の実技をする代わりに座学でも構わないという通達を出している教育委員会もありますが、私はそれではいけないと思っています。そもそも学校の水泳授業は、水難事故で多くの人が亡くなったことを受けて広まった面があります。頭も体も柔らかいうちに、きちんとした実技指導を受ければ、泳ぐ技術は必ず身に付きます。その対策をしっかりやっていきたい。

―民間のスポーツクラブにはどんなことを期待していますか?

鈴木 泳ぐことは命と関わってくることですので、教える側にはしっかりとした技術がないといけない。スポーツクラブに期待することは技術を教えていただくこと。お子さんにとってプロから教わるほうが良かったりしますよね。十分な技量のあるコーチ、指導者の方が間違いなく効率的に、効果的に教えられる。そういう意味では、水泳授業の外部委託が進むというのは、とても良い傾向です。

―コナミスポーツでも学校の水泳授業を支援していますが、請け負う立場として、室田さんはどのようにお考えですか?

室田 当社で請け負う学校の水泳授業は、年々増えています。今年も昨年比で1.4倍、約180校行いました。ただ、その形は一様ではありません。当社がプールの監視だけをして学校の先生が教えるパターンもあれば、当社のスタッフが教えることもありますし、学校の先生に泳ぐ技術を教えてほしいという場合もあります。鈴木会長のおっしゃる通り、地域によって課題はさまざまです。われわれに依頼があるのは非常にありがたいことですが、地域による格差も生まれかねないので、国としては大きな課題ではないかと思います。ただ、当社をはじめとする民間のスポーツクラブ企業は使命感を持って取り組んでいるところが多いです。

鈴木 公教育ですので、本来は公平でなければならない。しかし今、先生のなり手も減っている。今の状況ではよくない。われわれは学校で水泳を習う機会を確保しないといけないので、お手伝いできることはお手伝いさせていただきたく思っております。

災害の多い国でもありますので、今後のお子さんたちが全員泳げるという国、水難事故で亡くなる人がいない国にしたい。少子化の時代でもありますから。

われわれは競技をつかさどる団体ですので、国際競技会で活躍する人材を当然追求していきます。「国際大会のセンターポールに日の丸を」という思いは大きな柱として持ちつつ、一方でそのベースとなる、すべての人が泳げるようにという「国民皆泳」をもう一つの柱に、両立していきたいと思います。

―2024年に100周年を迎えた日本水泳連盟は、水泳を「する」「見る」「支える」、全ての人を「AQUA CREW(アクア・クルー)」と呼び、ファンを増やす取り組みを始めました。それはどういう背景によるものですか?

鈴木 100周年を機に、競技者と愛好者をしっかりつないで、大きなファミリーにしていこうということです。競技者数は数十万人と言っていますが、愛好者を含めると、データも無いのですがおそらく何千万人というグループになると思います。そんなスケールメリットを生かしながらお互いが一つになって、「センターポールに日の丸を」、そして「国民皆泳」の後押しに、少しでもなればということです。

このコナミオープンという大会は、まさにジュニアからトップアスリートまでが一堂に会するということで、大変よい機会だと思います。若い選手にとっては、トップの選手の一挙手一投足を見てまねしたり、刺激を受けたりできる貴重な場です。トップの選手にとっても、若い人たちからいろいろ刺激を受けるでしょう。

室田 コナミオープンはまさに「する」「見る」「支える」を体現する大会なんです。「見る」という意味では今日も水泳の大会を初めて見たというお客さまがたくさんいらっしゃっています。そして運営する側として東京都水泳協会や競技役員の方々など、多くの方に「支え」られている。水泳をもう一回盛り上げたいなという思いでいます。

鈴木 「アクア・クルー」の一員として、コナミスポーツさんにはぜひ大会を継続していただきたいです。 泳げるか泳げないかと言ったら、泳げた方が絶対にいいですよね。小さい頃に習っておければそれに越したことはありません。若いうちにしっかりと泳ぐ技術を身につけてと、これからもいろいろな形でピーアールしていきたいと思っています。

コナミオープン水泳競技大会のセレモニーに登場した招待選手と小学生の選手たち

  • 日本水泳連盟の鈴木大地会長と室田健志コナミオープン水泳競技大会会長(左)

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